愛される方法 10 

「……は…ぁ。」
 ゾロの手にたっぷりと放ち、力の抜けたウソップは、ぐったりとなってしまう。
 台の上に倒れ込み、荒い息をついている間に、ゾロは下肢の分も脱ぎ捨てたようだ。
 改めて抱きしめられ、脚も緩く絡められて、全身にゾロの素肌を感じた。
 そのことに胸を熱くしながら、ウソップはそっと、ゾロの肩に額を擦りつける。
 けれど密着したせいで、ゾロのものが大きくなっていることにウソップは気付いた。
「ごめん、ゾロ。お前も……。」
 扱き合っていた時も、先にウソップが果ててしまうことは少なくなかったのだが、何一つ返していなかったことに気付き、申し訳なく思う。
 まだ体は快楽の余韻で重たかったが、ウソップは急いでゾロのものに手を伸ばした。
 けれど指がふれる前に、ゾロに手首をつかまれてしまう。
「おれはいい。……手は、こっちだ。」
 ウソップの手はゾロの背へと導かれ、自主的にもう一方の手も参加させて、ぎゅうっと抱きしめてみた。
 ゾロからも抱きしめ返され、ウソップはとても幸せな気分になった。
 優しく背を撫でられて、陶酔するような甘さに包まれる。
「気持ち良かったか?」
「……ん。」
 ウソップは照れつつも答えて、ゾロの胸に顔を擦りつけた。
 今までの性処理では、しなかったような、する筈もないようなことをしてもらって、恥ずかしかったけど気持ち良かった。
 キスとか、胸を弄られたりとか、舐められたり、あちこちさわられたりをしたのだ。
 もう片思いではなくて、ちゃんと恋人同士だから。
 これからは存分にゾロを好きになっていいのだと、うっとりしかけたところで、ウソップはゾロが何だか怪しげな思いこみをしているらしいことを思い出した。
 快感に流されたりして云い損なってしまっていたが、ウソップもちゃんとゾロを好きなのだと、はっきり告げておかなくてはならない。
 すごく恥ずかしい告白ではあるが、ゾロだってウソップに好きだと云ってくれたのだ。
 その幸せな気持ちを、ゾロにだって感じてもらいたい。
 何せ自分達はもう、両想いで、恋人同士なのだから!
「あのな、ゾロ!」
「おう、続きな。」
「違…っ。」
 制止しようとした言葉は、重なってきた唇に封じられる。
 ゾロとのキスが嬉しくて、話すのは後でもいいかと思ってしまいたくなるので困ったものだ。
 軽く何度も唇を押し付け、そっと擦り付け、ちゅうっと吸われる。
 ウソップの唇を楽しむようなキスをされ、とろけるような心地になりながら、ゾロの背を抱きしめた。
 キスをしながら、ゾロの手はウソップの体を這い始める。
 脇腹や腰や、太腿のあたりを熱心に擦られ、またむずむずと変な心地がしてきた。
 くすぐったいのとは違うが、気持ちいいとは云えないようなぞくぞくする感触に、ウソップは身を捩じらせたが、ゾロにしっかりと抱きこまれてしまう。
 ゾロはウソップの唇を名残惜しげに吸ってから、その唇を、頬から首筋へと伝い下ろしていった。
 また少しずつ、ウソップの体は兆し始めている。
「あ、やだっ。」
 乳首をゾロにぺろりと舐められ、ウソップは動揺した。
 先刻熱心に、ゾロに弄られた方だ。
「ひ…っ。」
 濡れた舌が、乳首を弾くようにして、小刻みに動く。
「やだ、ゾロ…っ。」
 また自身が高ぶってくるのを感じて、ウソップはたまらずに身を捩らせる。
 気持ちいいのだとは思うけれど、今日初めて弄られたそこは、快感と一緒にひどいもどかしさも伝えてくる。
「何で。いいんだろ。」
「んんっ。」
 じれったさに身悶え、背が反り返った。
 浮いた胸の先の乳首を、回りの肉ごと口に含まれ、ちゅうと吸われる。
「ほら、……ウソップ。」
 ゾロは自分の腹を、ウソップのものに押し付けてくる。
 くっきりと割れた腹筋に擦られ、ウソップは快感に全身を震わせた。
 直接刺激を受けてしまうと、正直なそこはあっさりと形を変えてしまう。
 ゾロは舌をぐりぐりと押しつけるようにして舐めて、たっぷりと濡らした乳首から口を離した。
「あぅ……。」
 やっと乳首への愛撫が止まって、ほっとする筈だったのに、何故か口からは不満げな吐息が洩れる。
 慌てて唇を噛みしめたが、ゾロに目ざとくそれを気付かれ、開かせるように指でなぞられて、また全身が震えた。
「声、聞かせろ。」
 ゾロが低くささやくが、ウソップは答えられずに首を振る。
「なあ、聞きてえんだよ。」
 どことなく甘えるような響きでねだられると、惚れた弱みでウソップも強くは逆らえない。
「……ゾロ…。」
「好きだ。」
 短くささやかれ、少し開いた唇に、優しいキスがふれる。
 幸せな響きにウソップはうっとりしたが、ゾロの視線はウソップの目ではなく、もっと下の方に行っていた。
 嫌な予感は的中で、ゾロの視線は、ウソップの胸へと向いている。
「こっち、色足りねえな。」
「やっ。」
 ちょん、とつつかれたのは、まだふれられていなかった方の乳首だ。
 思わず自分でも見てしまえば、どちらも固く尖っていたが、確かに、左右で色が違った。
 散々弄られて赤く色付いている方と、肌の色が濃くてそれ程は目立たない方。
 薄い色の方にゾロの強い視線を感じ、薄い皮膚が更に張り詰めるような感覚がある。 
 そこをじっと見ながら、ゆっくりと口を近付けてくるゾロの笑顔がいかがわしくて、ウソップはたまらずに目を反らした。
「あ……。」
 ゾロの唇が、ウソップの乳首をきゅっと挟む。
 そのまま軽く引っぱり、唇を緩めて、舌でぺろりと舐められた。
 舐めしゃぶる時に、濡れた音がするのは多分わざとだ。
 たっぷりと舌でねぶられ、ゾロの唾液がウソップの肌にたまって流れる。
 乳首を吸いながら、ゾロはウソップを抱きしめ、手を下肢へと伸ばしてきた。
 また熱を貯め、脈打ち始めているそこを、握って欲しかった。
 けれどゾロの手は、ウソップの後ろへと進み、双臀を撫で回す。
「や、…ゾロ、やだ…っ。」
 肌の粟立つような感覚に、ウソップはぶるぶると震えながら、ゾロにしがみついた。
 
2008/11/10 




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