愛される方法 11 

 男の尻なんか撫でてもおもしろくもないだろうに、ゾロはしつこくウソップのそこを撫で回している。
 腿の裏や腰の方までさわさわと撫でたり、時折臀丘の膨らみをぎゅっとつかまれたりして、緊張と震えが止まらない。
「んっ、…や、あぁっ。」
 ゾロの手から逃げようと大きく身をくねらせても、乳首を噛まれ、もう一方の腕にしっかり抱きこまれている状態では、甘えた身悶えにしかならないようだ。
 舌を伸ばして乳首を揺らしながら、ウソップを見上げてくるゾロの目は、欲情を映し熱っぽく潤んでいる。
 その眼差しにウソップが喉を鳴らしたと同時に、尻を割り開くように撫でていたゾロの指先が、秘奥へとふれた。
「ん……。」
 ウソップはそれなりに、そこでの快感に馴染んできている。
 けれど今日これからのこの行為は、きっと今までよりずっと気持ちがいい筈。
 小さなくぼみをそろそろと撫でられて、秘奥が期待に収縮を始めた。
「やべ。」
「え、何っ?」
 しかし突然、ゾロが場にそぐわない間の抜けた声を上げたので、びっくりして一瞬我に返った。
「……塗るもん持ってくるの忘れた。」
 ゾロはウソップの胸から顔を上げて、困ったような顔になる。
「仕方ねーなー。」
 ウソップはそんなゾロに笑って、よっこいしょと体を起こした。
 快感に浸ってしまってたのも恥ずかしかったし、塗る物がないのも困るしで、ちょっとした緊張の緩和にほっとする。
「待てよ、傷薬があるから……。」
 作業時のちょっとした怪我用にと貰ってあった塗り薬が、工具箱の中に入れて合った筈だ。
 それを取りに行こうと台を下りかけたが、ものすごい勢いでゾロの胸に引っぱり戻されて、一瞬息が詰まった。
「いてっ、何だよゾロっ。」
「離れるな。」
「あ、いや、すぐ戻るし。」
「嫌だ。」
 ゾロはウソップを、ぎゅうぎゅうと抱きすくめてくる。
 額にぐりぐりと頬を擦りつけられるのは照れくさくも嬉しいが、時々鼻に当たって曲がるのは嫌だ。
 落ち着けと、ウソップはゾロの背中をぽんぽん叩いたが、しかし妙に必死なゾロには、全く届いていないらしい。
 それどころか、台の上にうつぶせに押し付けられてしまって、ウソップはじたばたすることになった。
「だから、何だよゾロ!」
「逃がさねえ。」
「……逃げねえってのに。」
 何が不安なのか、ゾロはまだ、そんなことを云っている。
「なあ、ゾロ……ぐえっ。」
 何とか宥めようとするが、ゾロは全く聞く耳を持っていないらしい。
 背中を思い切り押されて胸が潰され、そのくせ腰だけを高く持ち上げられてしまって、ウソップは苦しい姿勢にうめき声をあげた。
「ひゃああっ。」
 突然、双臀の間に生暖かい濡れた感触が走って、ウソップは声をひっくり返してしまう。
 秘奥をちろちろと這う感触に、甘い快楽が走って、ウソップは全身で震えた。
 しかし次の瞬間、それがゾロの舌であり、ゾロがウソップのそこを舐めているのだと気がついた。
「わああっ、馬鹿、ゾロ、何してんだよ、……やだああっ。」
 ウソップは真っ赤になって、それから真っ青になって、じたばたと暴れたが、ゾロに強い力で押さえこまれていて逃げられない。
「やだよぉ、……やだ、やだっ。」
 勝手にひくつき出すそこを、ゾロの舌が舐めるたび、更なる惑乱が増す。
 泣きだしてしまったウソップに、ようやくゾロの口がそこから離れた。
「どうして嫌がる。」
「んなとこ…っ、汚ねーだろうがっ。」
 さわられるだけならまだしも、舐めるのは絶対にまずい。
 それがたとえ風呂の後だとしても嫌だと思うのに、指ならともかくよりに寄って口だ。
 しかも、刀をくわえるゾロの口で、常日頃、最高級の料理を食べている口なのだ。
「あー……。」
 ウソップの訴えは何とかゾロに届いたようで、考え込んでいるような声が上がるが。
「死なない死なない。」
 しかしゾロの出した結論はそれらしく、先程にも増して遠慮のない舌が、ウソップのそこを舐め始めた。
 そう云う問題では絶対ない。
「わああああん、ゾロのばかあ、……や、ひあぁっ。」
 むしろウソップの方が、恥ずかしさで死ねそうだ。
 ウソップは泣いて喚き散らしたが、そこから伝わる快楽が背筋を駆け昇り、力が抜けて崩れ落ちた。
「や…あ、ばか、ゾロのばか……。」
 腰だけを持ち上げられ、ゾロに秘奥を舐められながら、ウソップはすすり泣く。
 今までされていた指の刺激と、今されている舌の刺激、どちらが強いとも云えないが、こんなところを舐められているという背徳感が、ウソップの性感を鋭くする。
 さわられていない前のものまでもが熱を持ち、張り詰めて苦しい。
「あぅ、……ん、は…ぁ。」
 ゾロはぐりぐりと舌を押し付けて、ウソップのそこを揉み込んでくる。
 中に舌を入れられそうなのが怖くて、ウソップは懸命に力を入れ、そこを引き締めようとした。
 けれども尖らせた舌先に突かれ、唾液を塗り付けられると、快感に腰が揺れ、力が抜けてしまう。
「ゾロ…ぉ、だめ……。」
 制止を訴える声が涙に揺れたが、目からだけでなく、ウソップのものからも透明な雫が滴っているようでは、あまり真剣には取ってもらえないようだった。
 精神的な葛藤はともかく、気持ちいいのは確かなのだ。
 息が荒いのも、ゾロの舌に合わせて腰が揺れてしまうのも、偽りようがない。
 ゾロが背中を押さえつけていた手はいつの間にか外れ、ウソップの臀丘や腿の裏を撫で擦っているのも判ったが、気持ち良すぎてもう抵抗はできなかった。
「あんっ。」
 舌の刺激に反応して、淫らな収縮を繰り返す秘奥に、ゾロの舌が付き立てられてくる。
 ウソップは声を上げて仰け反り、またがっくりと突っ伏した。
 落ちそうになる腰だけはゾロにしっかりと固定され、ますます濃厚に熱い舌を這わされる。
「や…ぁあ、ゾロ、…ゾロ…っ。」
 たっぷりと濡らされたそこを、舌と一緒に指が撫でた。
  
2008/11/11 




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