愛される方法 13 

「大丈夫か。」
 ゾロの手が、ウソップの頬を撫でる。
「疲れたようー。」
 そうでなくても疲れていたところに、制止もむなしく挿入されてしまって、ウソップはすっかりへとへとだ。
 泣きごとを洩らしたウソップは、ぐったりとしたまま、はふーと大きく息をついた。
 云いたいことは色々あったが、もうへとへとだ。
 それになにより、気持ち良くて力が抜ける。
 ウソップの中に目いっぱい詰め込まれたゾロのもの、その溶かされそうな熱や、秘肉に感じる激しい脈動に、体の芯まで蕩かされる。
「辛いのか、ウソップ。」
「気持ちいいよう……。」
 言葉の内容を意識せずに、問われたからただ答えてしまったが、その途端ゾロのものが、大きさを増したのでびっくりした。
「やー、待って、タイム、ストップ、まだ無理ー。」
 ゾロが動き出そうとする気配を感じて、ウソップは半泣きで訴えた。
 言葉だけなので実際の制止力はなかったが、ゾロは苦しそうにしながらもそのままじっとしてくれる。
「駄目なのか。」
「だって、感じすぎて、おれもうくたくた……。」
「……だから、てめーは!」
 何が気に入らないのか、ゾロは突然怒り出した。
 ゾロが手をついて上半身を起こした拍子に、すこしだけ、ウソップの中に入っていたものが抜ける。
「あぁ…っ。」
 その僅かな摩擦に、ウソップは自分でもびっくりするような、甘ったるい声を出してしまった。
 ぶるぶると体がわななくが、我慢しようとして体に力を込めると、中に入り込んだゾロのものを締め付けてしまうから大変だ。
 ゾロの零すうめき声は、低く耳に届いて、ウソップの神経を震わせる。
「もー、ゾロの声、やだー。」
 本当に疲れているのに、体の奥からまたむずむずと快感が沸きだしてきて止まらない。
「そんなに嫌な声か。」
 訪ねてくるゾロは、幾分険悪な声ではあったが、それはそれでまたドスが聞いて低くなっているので、やはり腰に重く響く。
「耳元で話すなよ、……腰に来るんだよう……。」
「ウソップ、てめぇ……、おれを弄んでるな?そうなんだな?」
「やあっ、……ぁん……。」
 ゾロがまた体重をかけてくる。
 根元まで埋め込まれ、更に下腹部を押し付けられると、じんわりとした快楽が広がっていく。
 前を弄られる時のような鋭い快感ではないが、弱火でゆっくりとあぶられているような心地よさに、どんどん力が抜けていく。
「畜生、とにかく、気持ちいいんだな!? おら、いいって云え。」
 ゾロは小さく腰を揺らして、ウソップに強く云う。
「ん……、気持ちいいよう……。」
 はふーと、大きく息を吐きながら、ウソップは答えた。
 快楽の詰まった体が重い。
「よし、もっともっと良くしてやるからな。覚悟しとけ。」
「覚悟って、なにー。」
 このまま寝てしまいたいくらい気持ちが良くて、ウソップはゾロと会話しながらも、ぼんやりとしたままだった。
「……やあっ、あうっ。」
 なのに、その幸せな気だるさを切り裂くように、ゾロは抽挿を始めた。
 ゾロはウソップにひどいことはしないから、ゆっくりな動きではあったが、中の粘膜をきつく擦りながら彼のものを抜かれると、甘いしびれに襲われる。
 ゾロはウソップの脚を抱えあげ、くびれたあたりまで抜き出し、また根元まで埋め込むということを、何度か繰り返した。
 多分ゾロは、ウソップの中の様子を、確かめながらしてくれているのだ。
 感じる場所を探りながら、熱いものが秘肉を擦っては移動する。
「あ…、はぁ、ゾロぉ……。」
 ウソップはゾロに腕を伸ばし、太い首をぎゅっと抱いた。
 今までは遠慮があったけれど、もうそれもいらないから、思い切りしがみつく。
 ウソップにはもう、その権利があるのだ。
 固い筋肉も汗に濡れた肌も、決して心地よくはない筈なのに、もう離したくないと思うくらい気持ちいい。
 引き寄せたゾロは、ぴたりと胸を合わせてくる。
 ウソップの心臓も苦しかったけれど、ゾロの鼓動もはっきりと伝わってきて、びっくりした。
 ゾロはウソップの尻を大きな手ですくうようにして持ち上げながら、強く短く、腰を打ちつけて来た。
「んっ、ん、ふ…っ、くんっ。」
 突かれるたびに、その衝撃で短い声が出てしまう。
 気持ち良くない訳ではないが、苦しくないとも云い切れない。
 ゾロの背中に爪を立てたくなくて、手が上に行くように抱きつき直した拍子に、緑の髪を引っ張ってしまったようだ。
 少し動きを弱めたゾロは、ウソップに腹を押し付けてきた。
 そうすると、いつのまにか反り返っていたウソップのものが、ゾロの腹筋に擦られる。
 よく鍛えたゾロの腹はいくつにもくっきりと割れている。そのでこぼこが、抽挿の動きに合わせてウソップのものを絶妙に刺激した。
「あ、や、んん…。」
 前のものに来る刺激は鋭く体に響く。
 一瞬息を詰めかけたが、続けさまに小さく突かれ、前のものが擦られて、力が抜けた。
「はぁ、ゾロぉ、ん、…ぅんっ。」
 高ぶって行く快感に震えながら、ウソップは目の前のゾロの肩に、頬を擦りつけた。
 分厚い肩に頬を寄せていると、何だか安心する。
 ゾロの手がウソップの後頭部を手で支え、ぐしゃぐしゃと髪を撫でてくれた。
 甘えて、甘やかしてもらえるのが嬉しくて、体だけではなく心まで気持ちいい。
「ゾロ、…あん、ゾロ…っ。」
「ウソップ。」
 ゾロはウソップに顔を上げさせ、唇を寄せてきた。
 そのままべったりと唇が重なる。
 そういえば先刻とんでもないところをゾロに舐められたのを思い出して一瞬ひるんだウソップだったが、まあいいかと、すぐに自分からも唇を押しつけた。
  
2008/11/20 




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