やきもち 4 

 ゾロはウソップの双臀を左右それぞれの手で包み、大きく円を描くようにして揉む。
 外回り内回り、時々目一杯左右に割り開くと、ウソップは鋭く息を飲み、全身を硬直させた。
 しばらく揉み心地を楽しんだゾロは、ウソップの双臀を広げさせ、狭間を露出させた状態で動きを止める。
 じっと可愛らしい蕾を見つめていると、ゾロの視線に反応して、ひくひくとうごめき始めた。
「や…あ、ゾロ…っ、何してんだよ……。」
「見てる。」
「……見んな、ばか…っ。」
 泣き声の質問に正直に答えると、ウソップが怒った。
「なら、舐めるか?」
 試しに聞いてみると、ウソップは黙り込んだが、ねだるように腰が揺れる。
 可愛らしいおねだりに、ゾロは頬を緩ませ、ひくついている秘奥にそっと口づけた。
 双臀を大きく割ったままだから、キスもしやすい。
 何度も軽く唇をふれさせ、ウソップの唇にする時とおなじように、自分のそれを擦りつける。
 さすがにウソップのふにふにの唇と同じような柔らかさではないが、濃厚なキスを欲しがって、口を開けるところは上とおんなじだ。
 ゾロはちゅ、と音を立てて口づけ、舌先でそっと秘奥をつついてやる。
「ん…っ、あ、ああ…っ。」
 ウソップはがくがくと腰を揺らし、ゾロに突きつけてきた。
 もっととねだる仕草が可愛くて、ゾロは丁寧に、ひくついている秘奥へ舌を這わせる。
 ゾロの唾液に濡らされ、ほころびてくるそこの左右に、臀丘を割り開いている手の親指を当てて、更に広げさせた。
「あ…、あ、や、ゾロ…。」
 ウソップが大きく全身を震わせる。
 羞恥にいたたまれなくなっているようなか細い声をあげて、けれども揺れる腰つきは、悩ましくなるばかりだ。
 指で引っ張るようにして広げた秘奥は、ゾロのせいだけではなく開こうとする。
 内側を覗かせようとして開くそこに、ゾロは舌を押しつけ、浅く舐めた。
「ん…っ、ゾロ、ああっ、ゾロっ。」
 ひきつった声でウソップに呼ばれる。何か云いたいことがあるなら聞くつもりだったが、普通に嬌声のようだったので、構わずに舐め続ける。
 ゾロの舌の刺激だけでも、充分に色づき、淫らな収縮をくりかえすそこが可愛い。
 丹念に施すゾロの愛撫に合わせて、ウソップの腰が揺れる。ウソップの秘奥も、物欲しげに収縮を繰り返しては、そこを埋めるものを求め、しっとりと濡れて熟していく。
「あ…んっ、ゾロ、ゾロ…っ。」
 切羽詰まったような声がゾロを呼ぶが、しかし、ウソップはそれ以上の言葉を云わない。
 こんなに脚を開いて、感じ入って充血し、蕩け切った箇所をゾロの目前に露わにしているのに、どうして欲しいのかを口に出すのは、恥ずかしくてできないらしい。
 ゾロには良く理解のできないウソップの羞恥心だが、恥ずかしがる姿も可愛いので、もっと焦れていればいいと思う。
「可愛いな、ウソップ。」
 濡れて熱を持ったウソップの秘奥に、指の腹をぴたりと当ててささやく。
 腰を揺らし、ウソップはぐすぐすとしゃくりあげ始めているが、それもまた可愛いのでもっと泣かせたくなる。
 ゾロの指の硬い皮膚を開閉する秘奥が薄く挟み、それでウソップは勝手に感じて、ぶるりと腰を震わせた。
「ゾロ…っ。」
 涙でぐしゃぐしゃの顔がゾロを振り返る。
 わななく唇もよだれにまみれていて、焦れ切った表情がゾロを誘う。
 こんなふうに泣かれては、ゾロが内心でどう思っていようと、惚れた弱みで抱きしめずにいられない。
 ゾロは片膝をベンチに乗り上げ、ウソップの背中に胸をべったりつけて、後ろから覆い被さった。
「ああ……。」
 ゾロの体温に安心したのか、ウソップが堪えていた息を深く吐く。
 片腕でウソップの胸あたりを抱きしめたが、片手で双臀を割り開き、指を一本秘奥にあてがったままにした。
 ウソップは嗚咽に震える呼吸を宥めようとしながらも、しきりに腰をくねらせては、ゾロに押しつけようとしてくる。
 片手は窓枠に捕まったまま、もう一方の手でゾロの腕にしがみついてくるのも、何もかもが可愛くはあるのだけれとも、しかし。
「もうしばらく、我慢な。」
 ゾロはウソップをきつく引き寄せ、耳朶に吸いつきながらささやいた。
「な…っ、や、ああっ、なんで…っ。」
 ウソップは快感と衝撃に、ゾロの腕の中でじたばた暴れる。
 けれどそのくらい、ゾロにとっては抵抗のうちに入らない。
「あー……、おれを疑った、お仕置き?」
「何で疑問形なんだよ!」
 すかさずウソップから突っ込みが入る。そんな余裕があるのならば、まだまだ焦らしても大丈夫だろうと思い、それから、自分が適当に云った言葉にゾロは後から納得した。
 そうだ。ゾロはウソップにちょっとしたお仕置き、もしくは仕返しをしたいのだ。
「ウソップがおれを疑ったお仕置きだ。おれが惚れてんのはウソップなのに、他の奴に気持ちを移す筈ねえだろうが。」
「……だって……。」
「だってじゃねえ。それにな、おれだって、ウソップに疑われると辛いし、悲しいんだぞ。判んねえか?」
 ウソップは口の中でぶつぶつ云っているが、ゾロは一生懸命自分の気持ちを主張する。
 ウソップを悲しませるのも嫌だが、自分が疑われるのも嫌だ。ゾロの気持ちはウソップに一直線なのに、ウソップがいちいち疑うのは、信じてもらえていないか、ゾロの気持ちがウソップにちゃんと伝わっていないのかなのだろう。
 宥めて好きだとささやけば、ウソップは機嫌を直して笑ってくれるが、しかしそれはその場だけだ。次にまた何かあれば、ウソップはすぐに目に涙を浮かべる。
 ウソップのネガティブが筋金入りなのは判っているが、だからと云って、ウソップのためにロビンを避ければいいのかというと、それは絶対に違うだろう。ウソップが不安になったりしないくらい、どれほどゾロがウソップを愛しているのかを、ウソップに理解してもらわないと意味がないのだ。
「だから、お前の体に、どんだけおれがお前に惚れてんのか、染み込ませとく。」
 低く耳許にささやくと、ウソップは全身を大きく震わせた。
「おれは言葉足りねえし…、口も回らねえからな。体で伝えるから、全身で感じろよ。ウソップが好きだって。」
「ひああっ。」
 開いた口を押し付け、ゾロはウソップのうなじを吸い上げた。
 ウソップはびくんと全身を跳ね上げ、激しく腰を震わせる。
 甘噛し、広げた舌で舐め上げながら、ゾロはまた、ウソップの秘奥を撫でた。
「しっかり染み込むまで、いかせねえぞ。」
「そんな…っ、やだ、ゾロ、やだっ、そんなの関係、ない…っ。」
「気にすんな。」
 確かにあまりつながってないような気もしなくもないが、そのあたりは、疑われたことの腹慰せのようなものだ。
 ウソップを押さえつけ、またうなじをかぷかぷと噛むと、抱きしめた全身に激しい震えが走ってぐったりと力が抜ける。
 いかせないのはお仕置きで、ウソップに気持ちが伝わるように可愛がるのは愛情の行為。ゾロにとっては特に問題はない。
 そもそもこうやって肌を重ねること自体が、最高の愛情の表現だ。ゾロの愛情と愛撫にウソップは目一杯浸ればいいし、ゾロのこと以外考えられなくなるくらいに感じ入ればいい。
 ゾロがウソップに惚れ切っているのと同じくらい、ウソップもゾロに夢中になってくれれば、余計な疑いなど持たせずに済むのにと思うのだ。
 
2009/06/08 






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