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「あ、ううん、たまにでいい。もったいない。」 しかしウソップはふるふると首を振って、ゾロにしがみついてきた。 「どうしてだ。いくらでも云うぞ。」 「たまにがいいよ。慣れたくないし…、嬉しすぎてやばいし。だから、おれがまた何かあってやきもち焼いたら、その時に云って欲しい。そしたら、ゾロが、どんなにおれのこと好きでいてくれるのか、きっと思い出すから。」 真っ赤になりつつも、幸せそうに笑うウソップの鼻先を、ゾロはぺろりと舐めた。 「そうなのか。」 「うん、そう。」 「そしたらやきもち止めるのか。」 「多分。多少拗ねてるかもしんないけど。」 「拗ねんなよ。」 ゾロは苦笑して、けれどウソップの方からやきもちを落ち着かせる方法を提案されたこともあり、悪くはないと思った。 とは云っても、それを試すような事態には、なるべくならないで欲しくはあるのだが。 「……なあ、そう云えば、さっきいきなりいっちまったの、おれがその言葉云ったからか?」 そこでふと、ゾロはつい先程のことを思い出した。ゾロが愛してるとささやいた直後、何もしていないのに、いきなりウソップが達してしまったのは、そのせいだったのかと思うと顔が緩む。 「う…っ。」 ウソップは真っ赤になって、息を詰まらせた。どうやら図星だったようだ。 そんなウソップが可愛くて愛しくて、ゾロは微笑まずにいられない。 「好きだ、ウソップ。」 とりあえずは、いつもどおりの言葉で気持ちを告げる。 「すげえ好きだ。」 ウソップがもじもじと照れているので、二度三度。何度でも心を込めてささやく。 やがて、ゾロと目を合わせたウソップは、吹っ切れたような満面の笑みを浮かべた。 「おれも、大好き。ゾロ。」 ウソップの笑顔は、いつも必ずと云っていいほど、ゾロの心臓の鼓動を加速させる。 顔を傾け、ウソップに近づけていくと、笑みに細まっていた目がそのまま閉じた。 ゾロはふわりと、ウソップの唇に自分のそれを重ねる。ふわふわやわらかい唇に、軽く強く唇を押しつけ、軽く擦りつける。 それからそろりと舌を伸ばし、ゆったりと舌を絡め合った。 舌で弄りあっているうちに、ウソップの腰が小さくくねり始めた。 ウソップの変化を感じ、ゾロも腰を軽く揺らす。 「んっ、…は…っ。」 小さく突くごとに、ウソップは微かな声を洩らして、ゾロの背にしがみついてきた。 ゾロの背も汗にべっとり濡れているから、手が滑るのか、ウソップは何度も抱き直してくる。 快感に表情を蕩かせ、濡れた瞳であえぐウソップを、ゾロは満足して見つめ、小さく強い突き上げを繰り返す。 あまり動きに変化をつけず、単調な動きを繰り返すと、ウソップはすぐに快楽に没頭していくのだ。 「あぁっ、あん、ゾロ…、あ、んんっ。」 忙しない声をあげて、ウソップは身をくねらせる。 身悶えるたびに、収縮を繰り返し、ゾロのものを締め付けるウソップの中から、何度も引き抜いては突き入れて、ゾロも快感を追っていく。 「あああっ、ゾロ、そこ、や…っ。」 ウソップが高い声を上げ、びくびくと全身を震わせる箇所があった。 著しい反応を示すから、ゾロはとても嬉しくなって、そこばかりを狙ってウソップの内部を擦る。 抱きしめた腕の中で跳ね上がる体も、ゾロのものを奥まで引きずり込むかのように蠢動する秘肉も、必死にすがってくる腕も、何もかもが可愛くてたまらない。 「すっげえ、かわい……。てめえん中、目茶苦茶いい。」 「ばか…っ。」 ゾロは息を荒げながら、自分の胸の中だけに収めきれない気持ちを口に出す。 ウソップは真っ赤になってゾロを睨むが、腰を止められずに何度も突けば、すぐに快楽に潤んで溶ける。 そうでなくても元より、にらんだって可愛いだけなのだけれども。 「あっ、…や、ああっ、ゾロっ。」 何度も腰を打ちつけ、快感を追いながら、ゾロは抱えあげたウソップの脚を撫でる。 腿から尻へと、汗に滑る肌の上にてのひらを滑らせると、ウソップは大きく腰を捩じらせる。 双臀の片方をつかみ、割り開いて腰を押し付け、ゾロはウソップのもっと奥まで潜り込もうとした。 「んんっ。は、あぅ…。」 ウソップは息を詰まらせ、快感を逃そうとしてか、小さく激しく首を振った。 目の前で揺れる長い鼻先が気になり、ゾロはぱくんとそれをくわえてやった。 「わ…っ、ゾ、ゾロっ!」 非難の混じった声でウソップが叫ぶが、気にするほどのことでもない。
動けなくなったウソップを間近に見ながら、わざと見せつけるようにして、鼻に舌を絡ませ、しゃぶってやる。鼻が感じるのかどうかは不明だが、至近距離で思わせぶりに舌と唇を使えば、違う箇所への連想を生むだろう。 予想通り、下腹部に当たっているウソップのものが更に熱を増すのが判るから、ゾロはもう少し体を前に傾け、腹筋でそれを擦ってやった。 「あ…、あ…っ、ゾロ、やだ、鼻やだ……、くち…。」 顔を動かせない分、はしたなく腰をうねらせながら、ウソップは可愛いことをゾロにねだってくる。 すぐにそれを叶えてやると、互いの上半身が密着し、ウソップのものが腹の間に挟まれた。 「……ん、……っ、んん…。」 小刻みにウソップを突き上げながら、開いた唇を深く重ね、舌を濃厚に絡め合う。 ウソップの舌が何度も強ばり、腰が激しく跳ねるのは、キスの刺激か、前のものへの圧迫のせいか、それともゾロか抽挿を繰り返す秘奥からの悦楽か。 ゾロとふれあう一つ一つに、ウソップは淫らな反応を見せる。 突き上げる秘肉も熱く甘くとろけてゾロのものに絡み付き絞り上げ、ウソップへの愛しさと相俟って、一瞬でも気を抜いたら、たちまちにもっていかれそうだった。 ゾロの背筋に、甘いしびれが何度も走り、腰の奥に熱く重くたまっていく。 「あああっ。ゾロ、……ああっ。」 苦しくなってキスを終わらせると、ウソップの口から切羽詰まった高い叫びがあふれでた。 もうウソップの方も限界で、必死に絶頂を耐えているのだと判れば、ゾロの気遣いも全て飛ぶ。 大きく、強く、肌のぶつかり合う音を立てて、ゾロは激しくウソップへ腰を打ちつけた。 「ゾ…ロぉ、……あぁっ、……ゾロ…。」 ウソップはよだれの零れる唇で、何度も何度もゾロを呼ぶ。 呼ばれるたびに快感と愛しさが満ちあふれ、ゾロも何度も、ウソップを呼び返した。 「ウソップ、……好きだ、ウソップ。」 抱きしめたウソップの体ががくがくと跳ね上がり、ゾロを包み込んだ秘肉が狂おしく収縮する。 「ゾロ、好き…っ、ゾロ、ゾロ……、あああっ。」 うわごとのように口走り、ウソップは全身を震わせて、絶頂に達した。 その心地よい締め付けの中、ゾロも溜め込んだ快楽の全てをウソップの奥深くへと注ぎ込む。 体の芯までしびれさせる衝動が治まるまで、ゾロはずっと、ウソップを抱きしめていた。
色々なものに塗れた肌を拭い、服を着込むと、ゾロはウソップを隣に座らせ、引き寄せて肩にもたれかけさせた。 ぐしゃぐしゃと髪を撫でてやりながら、ゾロは窓の外に視線を巡らせる。 途中からはもうウソップしか目に入らなくなっていたが、一応は見張り番だ。何の異常もなしと見て、うとうとしているウソップの頬に、頬をふれさせる。 「疲れたろ。寝ちまえ。」 「んー。」 ウソップは眠たげにぐりぐりとゾロの肩に顔を擦りつけたが、ふと顔を上げて、ふにゃと笑った。 「大好き、ゾロ。……それから、ごめん。」 「もういい。ほら、おやすみ。」 「おやすみなさーい……。」 ウソップは甘ったれた幼い口調で云うと、やはり大分疲れさせてしまっていたか、あっと云う間に寝息をたて始めた。 「大好きだ、ウソップ。」 だからゾロがウソップの額にも口づけ、優しくささやいた言葉は届いていたのかどうか。 けれど、聞こえていなくても、伝わっているだろう。 安心しきった表情で、すやすやと眠っているウソップは、とてもとても可愛い。 どうせ安心してくれるのならば、ゾロの気持ちを疑うことなく、いっそ自惚れるくらいでいてくれたって構わない。たとえそうなったって、ウソップが思う以上に、ゾロはウソップを愛している自信がある。 だから、やきもちを妬かれてしまうのはやはりとても悲しいから、早くウソップが判ってくれたらいいと思うのだ。 そういえば、今日ゾロは、ウソップのやきもちを宥められるかもしれない言葉を知った訳だが。 ウソップが喜ぶなら、そして自分の気持ちが少しでも多く伝わるなら、もっと口にしたかったけれど、制限されてしまったのが残念だ。 それもまた、ウソップが心底ゾロを信じきってくれたら、云いたいだけ云える日が来るだろう。 そんな日が早く来ることを願いながら、ゾロはゆったりと、ウソップの髪を撫で続けていた。
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2009/06/27 |
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