After school
犁香:作

■ 第四話1

ねぇ、兄さん?
あたしがもし、達也先輩を好きと言ったら……どうする?
もう二度と恋はしないと誓った約束を
破ったあたしをどう思う?
ねぇ、翔太兄さん………。

「凛音ったら……いつも翔太と何してるのかなぁ?ひょっとして、こんなこと??」
呼ばれた朝早くの音楽室。聞きなれた二人の声が耳を掠める。
[……っ、あっ、涼子……もう、やめて……やだっ……う……ぁっ、あぁっ]
「どうして、翔太が……」
昨日は泊まりに行ったはずなのに……そういう日はだいたい学校には来ない。
「どういう……ことですか?」
「あんなに素敵なお兄さんが、勉強なんかに時間をかけるはずないでしょ?
昨日はちょっと涼子に遊ばせてみたのよ。翔太がどれだけのものか、ね。
すっごく良かったって、京子が浮かれて電話してきた。で・今の声……
どこから聞こえてきてるか、わかるかな。」
奥の楽器庫の扉をそっと開けると、完全に体を拘束されて身動きの取れない兄の姿と、繊細な舌使いでフェラチオをしている涼子先輩……。
「翔……!!」
翔太は目隠しをされて、ギターがかけられている棒の隣に吊るされていた。
床には透明な液体が水溜りのように大きな円を作っていた。
もう何度目になるのか……翔太のソレはもう完全に理性を失い、壊れていた。
「あっ……凛音!?待てよ、奈緒子……・どういう、ことだ?」
「どうもこうも、こういうことよ。」
クスっと冷ややかに笑った奈緒子先輩の姿から、これから起こることが安易に想像出来た。
「凛音とのSEXに大きな支配感を持っていたのは知ってた。
でも、他の人との行為なんて許せなかった……。
あたし達を利用してきたのはそっちでしょ?
だから逆に利用したの。浅海先生が凛音を狙ってる、ってね……
すぐに罠にかかってくれて、嬉しいよ。
まぁ、達也と一緒に来たところから見ると、ヤんなかったみたいだけど……。」
あたしだって、兄さんとのSEX……好きだよ? どこか危なげで、だけどとても心地良い……そんな一時にずっと染まっていたかった。
「でもまぁ、あんたが凛音を好きなのは一目瞭然だったけどね。」
驚いたのはあたしの方。だって、もう恋はしないって、言ったのに……。
「凛音、俺は……あっ、俺………あ、あ、あぁっ!あぁぁぁぁぁっ!!!!」
高く掠れた艶っぽい声で、もう何度目かもわからない絶頂を兄さんは迎えた。
それを喉を鳴らして飲み干す涼子先輩も、顔を朱に染めて快楽に溺れる翔太もすごく色っぽかった。
二人の間に何か神秘的なつながりさえ感じた。涼子先輩はもう、限界に近かった。
自らも秘部を海に沈め、もう手につかない様子だった。
「あらあら……涼子も翔太も大変ね。じゃ、本番行こうか。降ろしてあげて。」
ガクガクになった足を必死に立たせ、兄さんを降ろした。
倒れこんだ翔太は、ほとんど全裸体に近い涼子先輩の体に手をかけた。
「やっぱりね……それだけ無駄にイカされたら、誰だって欲しくもなるわよねぇ。」
「あぁん、翔太く……いやぁ、やだよ、やめて……ぇ………」
まだ理性が残っているのか、それとも他に何か拒む理由があるのか……
言うことを効けなくなった翔太の挿入に拒絶の声を上げる。
「もぉ…とっくに限界なんて超えてんだよ。お前を犯したい、ただそれだけだ……。」
いつもとは違う、命令に似た兄さんの言葉にあたしの心臓が大きな音を立てて脈うった。
「涼子、抵抗するのは往生際が悪いね。好きなんでしょ、翔太のことが……。
うちらの仲間になったのはそれが理由だもんね。」
正直、意外だった。涼子先輩といえば、気高いおしとやかな高値の花で、清純という言葉はこの人のためにある言葉だと誰もが思うくらい、お嬢様な人なのに……
なぜ男達を使ってあたしを犯そうとするのか………いつもいつも疑問に思っていた。簡単なことだったんだ。翔太のことが……兄さんのことが……好きだから。

「はっ……ぁぁ、翔太……く……うっ、あぁん、あぁ……いっいいっ!!」

突如沸き起こる破壊の衝動……

全てを、壊したい………

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