愛美の奴隷生活
まーくる:作

■ 第一章 握られた弱み6

旧校舎に入ると、木材の軋む音がし、少し埃臭かった。1Fでは書道部や英語研究部などが活動していたが、2F3Fに上がると人影は全くなかった。
3−5の前に到着し、一呼吸する愛美。

「(ちゃんと話をして、写真を返してもらうんだ)」

そして教室へと入った。
教室に入ると、教卓に座るエリカとその前の机に座る奈緒美と桃子の姿があった。

「あ! 来た来たぁ♪」
「ちゃんと来たな。」

あいかわらず軽い口調の奈緒美と命令を聞いたとうなずく桃子。そして無言の笑顔で見るエリカ。3人に共通するのは、愛美を完全に見下した目線だということだ。
愛美は3人の前まで無言で歩いていった。そして脅迫じみたことをする3人を、そのなかでもリーダーであるエリカをじっと睨みながら、3人の前へを立った。

「……」
「スカート大丈夫ですか? ちゃんとしないと臭いでバレちゃいますよ。」
「……ちゃんと来たから…写真、返して。」
「え〜!? あんないい写真なのにぃ〜。」
「はっ、もったいないね、確かに。」
「ふふっ、言うこと聞いてくれれば返しますよ。」
「……何を聞けばいいの?」

奈緒美と桃子は愛美をおちょくるように口を挟む。しかし愛美はできるだけ感情を出さないように淡々と話した。

「色々と……ね。」
「!? 色々…?」
「そう、私達の言うことを色々聞いてくれれば、写真は先輩にお返ししますよ。」
「……それは写真のタネに私を脅そうっていうこと??」

愛美は淡々と話続ける、しかし、エリカのそれを見透かしたような喋りに、次第にペースを握られていった。

「脅すなんてそんな。先輩がそうしたいだろうと思って話してるんですよ。」
「…誰が!」

エリカの脅しに苛立つ愛美。今にも飛び掛りそうな様子で睨み付けた。するとエリカは不意に一枚の引き伸ばした写真を愛美に渡した。それを見た瞬間、愛美の怒りや苛立ちは飛んでしまった。

「いや、やめて!」
「ふふふ、綺麗に撮れてるでしょう? こんな綺麗な写真がいっぱいあるんですよ?」
「アタシが上手に撮ったからねぇ〜♪」

得意げにピースする奈緒美。
そう、その写真とは、愛美が気を失いながら失禁している写真であった。写真は4分割されて一枚の紙に4つの恥ずかしいアングルで撮られていた。

「やめて!! 返して!」

そういって愛美は涙目で写真を破り捨て、くしゃくしゃにした。

「これは普通にプリントしただけ…他にもいい写真はいっぱいありますよ、先輩。」
「…うう……」
「もうこのデータは転送しちゃったから、ここからじゃ削除はできないんですよねぇ。」
「(そ、そんな!?)」

愛美は力なく、床に座った。いざとなればケータイを奪い壊せばいいと思ってたが、ここまでされるとは思っていなかった。そんな愛美はみて、エリカが微笑みながら言い放った。

「先輩、私達のいうこと、聞きたいですよね?」

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