愛美の奴隷生活
まーくる:作

■ 第二章 始まった主従生活1

「だからこの場合太宰の言いたかったことは…」
「……。」

愛美には授業中にも関わらず、教師の言葉が何一つ耳に入っていなかった。
それもそもはず、愛美の頭の中では昨日の出来事が延々とフラッシュバックしていた。
それはエリカ、奈緒美、桃子の三人の目の前に跪き、『服従のキス』をさせられたことであった。


―― 記憶が愛美の頭の中を駆け巡る ――

愛美はエリカの上履きに再びキスをした。今度は足の裏に。悔しさと絶望のあまり、愛美はもう何も考えようとはしなかったが、涙は止まらなかった。
すると今度は奈緒美と桃子の二人も足を伸ばしてきた。

「愛美、ちゃんと二人にも服従しなさい。」
「…うっ…うっ…」
「愛美!」
「!!?」

突然強く声を出したエリカに、愛美は完全に圧倒された。そして、そのまま言われるとおり二人の上履きの裏へ服従のキスをしたのだった。

「先ぱぁい、よくでしましたねぇ。これからもよろしくお願いしますねぇ、愛・美♪」
「ふふふ、アンタも好きだね。まあちゃんと言うこと聞いてくれれば文句ないからさ。」
「…ぁぁ…うっ…うっ…」


二人の言葉が、何も考えたくない頭の中へと入ってくる。そのたびに、涙は止まらなく、愛美は自分が行っていることを意識し、惨めな、敗北感が刷り込まれていった。
するとエリカが愛美の耳元でささやいた。

「これが言えれた今日は帰っていいわ。明日からちゃんと遊びましょ♪」

愛美は動揺していた。
服従のキスはもうしてしまっているのだが、実際言葉に出して自ら言うということが恐ろしかった。しかし、エリカはそんな猶予を与えてはくれなかった。

「早く言いなさい。そうすれば帰れるわよ?」

愛美は、涙を堪えながら、必死で言葉を出した。

「わたし…は、ェリカ…さ…まと、な…ぉみさ…まと、ももこさ…まの、ど…どれ…いになる…ことを、ち…誓い…ます。」

その言葉を聞いて3人は微笑した。

「愛美、ちゃんとはっきりいいなさい。私達の目を見て!」
「…ぁぁぁ…」

必死で言った愛美の言葉は意味を成さなかった。いや、3人には届いていたが、むしろ愛美をさらに追い詰める意味を持っていたのだった。
愛美は3人のほうを見上げた。すると3人は愛美のほうを、見下し嘲笑いながら見ていた。
そんな3人の目を見ながら、愛美は再びその言葉を言った。

「私は、え、エリカ様と、奈緒美…様…と、も、桃子様のど、ど、奴隷になることを誓います。」

その瞬間、愛美はエリカたちと自分の距離が離れていく錯覚を起こした。それが身分の差であるということを、体で感じ取ってしまったのだ。それほど強烈な、精神への刷り込みであった。

「んふふ〜、いいわよ。」

エリカはそういって、愛美を奴隷にすることを認めた。愛美はその言葉を聞いて、完全な敗北感を感じ取った。
精神的に打ちひしがれてる愛美に、今度は奈緒美が耳打ちをした。

「…だよ♪」
「!!! そ、そんな…」
「さっきのキスは何だったのかなぁ? あ〜み♪」
「…ぁぁ…ぁ………」

そして少し間を空けて、愛美は、

「エ…エリカ様。ど、奴隷に…していただき…あ、ありが…とう…ご…ござい…ます。」

「あははははは!!! はいっ、よくできました。じゃあ今日は帰っていいわよ。」

エリカは満足そうに笑い、そういって、愛美を開放した。ただ、帰る前に忠告をされて。

「最後はよく出来たね、愛美。明日からもちゃんとしてね。明日からは学校終わったら毎回この場所に集合ね。勝手に休んだりしたらどうなるかわかってるわよね? あと、他の人がいるときは、普通に接すること。」

―― ……… ――

4時限のチャイムが鳴った。教師は教室を出て行き、昼食の時間となり教室が騒がしくなる。

「愛美ちゃん、お弁当一緒に食べようよ。」

後ろの席の麻衣子が声をかけてきた。麻衣子は1年も同じクラスだった仲のいい友達で、部活をやっているため放課後遊んだりはしないが、学校にいる間はよく喋っていた。

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