雨宿り
横尾茂明:作
■ 秘密2
暫くして大きな据え膳に御馳走を並べ持ってきた。
「おじさまの宴席料理…少し持って来ちゃった! ウフフ」
食料事情が悪くなっていくおり…こんな豪華な料理が出せるなんて…一郎は父親の力を見せつけられた思いがした。
「さー坊ちゃん、食べてくださいまし…それと八時頃にお部屋に伺いますから…」
一郎はニコニコ微笑む淑子に子供の頃の思い出話をしながら久々の御馳走に舌鼓を打った…。
部屋に戻り、机に向かって図書館で調べてきたメモを帳面に書き写し始めた、しかしどうしても手が止まってしまう…。
(淑ちゃん僕に…何の用だろう…)
一郎の脳裏にあの時の光景がよみがえる…。
少女の眩しかった性器…恥じらいの仕草…廊下ですれちがった際の縋る眼差し…
中学に入ってから一郎は自慰を覚えた…自慰をするときは決まって淑子のあの眩しすぎた柔らかな性器を思い出して果てた…。
いつしか淑子の存在そのものが快楽の源泉…性の化身とさえ考えるようになっていた。
その少女が見違えるほど美しくなって返ってきた…情けなくも条件反射の様に一郎の陰茎は小さく脈を打ち始める…。
もう帳面の文字は目に入らなくなっていた…あの眩しい恥丘の切れ込みが浮かんでは消え、妄想で頭が痛くなってくる…。
一郎はイライラしながら時計を見る…こんなに時間が進まないなんて…。
一郎はたまらず風呂に向かった、湯殿で水をかぶって頭を冷やす…しかし妄想はさらに大きく膨らんでいく。
湯船に揺らぐ陰茎…思い切り擦りたい衝動に駆られる…(いっそ抜いてしまえば…)
一郎は湯船から出て洗い場に尻餅をつく…少女の性器を脳裏に浮かべる…剥けたばかりの陰茎は腹につくほど反り上がっていた、左手に石鹸を付け柔らかく亀頭を撫でながら右手で陰茎を擦り始める…。
(あぁぁーきょうはすぐにいってしまいそうだ…)
少女の性器を淫らに舐めている妄想に耽る…腰奥に痺れる快感が湧いてくる。
(くぅぅぅー気持ちいいー…)
(あっ…あっ…あぁぁー出てしまう…)
(淑子…淑ちゃん…あぁぁ…あっ、あっ…はぁぁぁぁ…気持いいぃぃ…)
精液は勢いよく迸る…いつもより数倍気持ちいい事に驚きながら一郎は腰を震えさせていく。
風呂を出…一度の射精では妄想は消えないなと思いながら濡れ縁で涼む、こんな感情で淑ちゃんに会ったら心を見透かれそうな気がして…部屋に戻る勇気が出なかった。
暫くしてブルっと震えた…(春は名のみの風の寒さや…か)
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