雨宿り
横尾茂明:作

■ 秘密4

淡い陰毛が一郎の目を焼く…それを透かして艶めかしく折り込まれた狭間があの時のままさらに艶めかしく息づいている…。

電灯に照らされた肉体は白い光りを放つ…。
腰の張り…鼠蹊の膨らみとそれに連なる魅惑的な太モモ…。
一郎は息を呑んだ…それは想像を絶する造形…今まで妄想に描いた女の造形が如何に拙劣であったかを思い知らされた。

少女は頬を一郎の肩にあずけ吐息を漏らす…。
「坊ちゃん…見て下さい、わたしの一番恥ずかしいところを…だからもう淑子を嫌わないで、愛して下さい…」

「淑子…君は…」

一郎は少女の肩を深く抱いた…そして崩れるように畳に倒れていく。

夢中で少女の唇吸った…体中が少女の香りに包まれたような錯覚を抱く…。

少女も応えて一郎の背中に手をまわし…唇を吸われながら泣いた…。

「あぁぁ…やっと坊ちゃんに抱いてもらえた…やっと…あぁー嬉しい…」

「淑子…僕も君のことをいつも考えてた…僕が悪いんだ、僕が悪いんだ…」

二人はいつ終わるともしれない抱擁と口づけに酔いしれ時間は流れていく…。

一郎の手はいつしか少女の性器を覆っていた…指先は狭間と内モモに遊ぶ…。
少女の吐息は次第に荒くなっていく…。

一郎の指先が濡れた…まるで暖かなお湯に浸したような感覚…
「ウッ…」少女が小さく呻く…。
一郎の指は濡れた少女の膣になめらかに埋没していった…。

「坊ちゃん…大スキです…もう淑子を離さないで下さい…」



「淑ちゃん…淑子! …何処にいるの? …もう帰りますよ」
遠くで女中の呼ぶ声が聞こえた…。

二人はその声で我に返り、慌てて離れ…身を起こした。

「坊ちゃんもう一度逢って下さい…もう一度…その時は私の体を…」

「いつ…今度はいつ逢えるの?…」

扉が急に開いた…二人は振り返る…。

「淑ちゃん! ここにお邪魔してたの…」

女中は二人の上気した顔と少女の乱れた髪を見て瞬時に悟った…しかし何気ない顔を取り繕い…
「淑ちゃん、坊ちゃんのお勉強の邪魔をしたら駄目じゃない!、さーもう遅いから帰りますよ…」
「坊ちゃんごめんなさいね…大事なときに娘がお邪魔して…今日はこれでおいとまします」

女中は少女の背中を押して部屋から出て行く…少女は扉のノブを握り振り返って何か言いたそうに目を大きく開くが…手を引っ張られあきらめたように目を伏せ扉を閉じた…。

一郎は呆然と部屋に佇む…頭に残る残像はただ白く眩しい映像と少女の性器の柔らかさのみ…。

指は少女の体液で濡れていた…一郎は指先をそっと鼻先に持って行く。
(あぁぁ…淑ちゃんの匂いだ…)
ふと…下帯が冷たく濡れているのを感じ…鳥肌が立っているのを感じた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊