雨宿り
横尾茂明:作

■ 雨宿り7

亀頭が柔らかな会陰に触れた、ヌルヌルとした感触が腰奥に伝わりワナワナと震えが来る…一郎は勇気を振り絞って陰茎を摘んで桃色に濡れた会陰に擦る。
(アッ、ァゥゥ…なんて感触なんだ…)

膣入り口はすぐに分かった、膣周辺はしどと濡れ自然と亀頭は呑まれていく…。
(ワッ、ハゥゥゥ…)

正常位に淑子の上に被さり…深く抱きしめて少しずつ陰茎を押し込んでいく。
亀頭部がスッポリと膣に収まった、しかしそれ以上は膣が塞がったような感覚で進まない。

一郎は焦り始める…腰を強めに送り込みたいが淑子が呻いて上に上に逃げてしまう…。

「痛い?」

「え…ええ…少し痛いだけ、でも少しずつなら我慢できます…」

一郎は少し抜いてから「淑ちゃん…力を抜いて」と耳元で囁く。

今度はゆっくりと腰を送り込む、少し入れては抜いてまた繰り返す…塞がった孔を拡張する行為に熱中していく。

一郎が腰を前進させる度に眉間に皺をよせて呻く淑子…。
(これが性交…あぁー怖いよー…でもこれで坊ちゃんとようやく一体になれるの)

一郎は汗だくになってようやく全てが挿入出来た、それは孔が貫通した感覚に似て嬉しかった、淑子も一つの仕事を終えたかのように大きく安堵の息を弾ませ、さらに深く甘えるようにしがみついてくる…。
一郎は少しそのままの体勢に保ち、次いでゆっくりと全てを抜き出していった。

完全に抜き出してから再度挿入を試みる、今度はヌルっと簡単に挿入できた。
「淑ちゃん! 全部入ったよ」

一郎の嬉しそうな物言いに淑子は甘い口づけで返し「もう痛く有りません、坊ちゃん嬉しいです…これで坊ちゃんと一つになれたのね」と可愛く応えた。

一郎は注挿を開始する…その滑らかさに感嘆しながら膣内面の感触を味わうかのようにゆっくりと腰を振る、狭い膣壁に挟まれ陰茎の硬度はどんどん高まってくる、淑子の体から漂う甘い香りに酔いながらひたすら蜜壷に陰茎を埋めていく…。
やがてめくるめく性感が腰全体に湧き上がってきた…。
(ウァァァァ気持いい…これが性交なんだ、はぁぁなんて気持いいんだろう!)

射精感はすぐに訪れる…しかし一郎は耐えた、あまりにも簡単にいってしまうのがもったいないと感じたから…。

淑子は内臓に茎の挿入を感じるが…手で触れる程の肉感が伴わないことに少し期待が外れた感があった。

師範学校のとき、級友のおませな子から性交の話を聞き驚愕したことがあった。
男女の一番恥ずかしい部位を結合しあう…この世にそんなおぞましい行為が有ったなんて…。
なんて淫らな行為…でも坊ちゃんとなら、と考えると何故かキュっと胸が痛んだ。

それから年を経るたびに坊ちゃんになら何をされても汚くないと思え…
最近は…(あぁぁ恥ずかしい性器で坊ちゃんのおちんちんを感じることが出来たら…)とさえ淫らに思うことも暫しであった。

現実に今それを体験している…想像してたより感覚があやふやなのは少し残念だけど、性器を坊ちゃんの茎で強く押し広げられ…その茎を恥ずかしい内臓の奥深くに挿入される生殖行為は、おぞましさと悦楽が混ざり合う奇妙な感覚に淑子は大いに乱れた。

唇を舐められる感覚…脚を広げられ陰茎を挿入される感覚…それらが相まってどんどん淫らになっていく、腰奥に僅かながら弾けそうな性感も湧いてきた…。

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