淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 放課後の誘惑2

 美由紀に連れられて降りた駅は、昨日の恥辱を受けたビルのある街だった。嫌な記憶が蘇る。美由紀に導かれるまま改札をでる。昨晩とは反対側の出口だ。有紗は、少しほっとする。

 駅の北側にある住宅街に美由紀の家はあった。なだらかな坂道を登ったところに、大きな家が並んでいる。各々の庭には木々が茂り、しっかりとした石垣に囲まれている。一見して高級住宅街と判る造りの家が並んでいる。南向きの丘になっているその住宅街では、どの家も日の光を燦燦と浴び輝いて見えた。

 美由紀の家は、坂を少し登ったところにあった。近代的な大きな家に、二人は入っていった。
「ご両親は……?」
「昨日から演奏旅行で半月留守なの」
 美由紀の両親は、二人とも音楽家だ。オーケストラの演奏旅行で、年に数回半月単位で家を留守にする。一人で暮らすことが多いことが、美由紀を実際の年齢以上に大人に見せるのかもしれない。

 天井の高い玄関を抜け、有紗は二階の美由紀の部屋に通される。十畳ほどもある広い部屋に、足の指が隠れるほどのふかふかのカーペットが敷かれている。天井まである大きな窓からは、レースのカーテンを通して柔らかい光が部屋中を照らしている。エアコンに聞いた部屋は、有紗を心地よく包んだ。

 美由紀は一度階下に降り、大きなイチゴに飾られたショートケーキと紅茶をトレイに載せ運んできた。
「ここのケーキ、おいしいのよ。雑誌でも紹介されたくらいなのよ」
「おいしそう……」
 有紗は、いままでの憂鬱が嘘のように目を輝かせた。
「よかった。食べて! 私は着替えさせてもらうわね」
 美由紀は、クローゼットの前で制服を脱ぎだした。

 有紗に背を向け、美由紀はブラウスを脱いでいく。有紗は、美由紀の方を見た。白い肌にブラジャーのストラップが走っている。その上で、サラサラの黒髪が揺れてた。美由紀が、スカートのホックを外すと、スカートがすとんと床に落ちる。いま美由紀が身に着けているのは、ブラジャーとパンティー、それと足元のソックスだけだ。
(美由紀さん、綺麗……)
 有紗は、羨望の眼差しを送った。背中から腰へと、なだらかな曲線を描いている。腰は細く、そこからハイレグのパンティーに包まれたヒップへと連なっている。張りのある吊り上がったヒップが、光沢のある薄い布地に包まれて有紗の目の前に晒されている。どこを見ても、大人の女性特有のやさしく滑らかな曲面で繋がっている。身に着けている下着も、レースに縁取られた素材も形も大人っぽいものだ。有紗は、美由紀の発する色気に圧倒されぼーっと眺めていた。

「有紗ちゃん、クリームがほっぺに付いてるわよ」
 Tシャツとミニスカートに着替えた美由紀が近づいてきて言った。
「えっ! ほんと? どこ? どこ?」
 有紗が手で拭おうとするより早く、美由紀の顔が有紗の視界を覆う。戸惑う暇も与えず美由紀の舌が、ぺろりと有紗の口元のクリームを舐めた。
(えっ! なに? なに?……)
 有紗は、驚き目を大きく見開いた。しかし、すぐさま美由紀の顔ががその視界を遮る。美由紀は、有紗の唇に自分の唇を重ねた。有紗は、身体をピクッと震わせた。
「くすっ、有紗ちゃん、かわいい」
 有紗は、初めての経験に身を堅くする。
(えっ? どういうこと? 美由紀さん、何をしようとしてるの?)
 美由紀は、身を堅くした有紗の唇に再びキスをした。強く押し当てられた唇に、有紗は後ろに仰け反る。そのまま床にゆっくりと倒れていく。美由紀は、唇を離さずそのまま有紗に覆い被さっていった。

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