淫辱通学
木暮香瑠:作
■ 新たな淫辱の予感5
二人がトイレを出ると、ちょうど電車がホームに滑り込んできた。二人は、いつのまにかホームに列を作っていたサラリーマンやOL達の流れに押され、車内に流れ込んだ。
「今日は混んでるな。もっと奥に詰めてくれねえか」
大きな声がし、有紗と美由紀に人の波が圧し掛かる。反対側のドアのところまで、強引に押し込まれた。聞き覚えのある声に振り返ると、そこには権堂兄弟が立っていた。
「混んでる時は、お互い様だな。ヘヘへ……」
気が付くと、有紗と美由紀は権堂兄弟の巨体に視界を遮られるように取り囲まれていた。
「いやっ! ……」
美由紀は短く悲鳴を上げた。雄一の言いつけを守っていない二人の顔が、見る見る引き攣ってゆく。
「美由紀、言いつけは守っているか?」
天井付近から見下ろす雄一が、意地悪く尋ねる。美由紀は、何も答えず俯くことしかできない。
康次が、有紗のお尻に手を伸ばした。
「いやっ! やめて……」
有紗の発した小さな悲鳴は、走り出した電車の騒音に掻き消された。嫌がる表情を楽しみながら、康次はスカートの上から手を割れ目の奥へと進める。指先でグリグリと、何かを確かめるようにお尻の割れ目をなぞる。
「あにき、何もねえゼ。二人とも、言いつけを守ってないみたいだぜ」
権堂達は、二人が言いつけを守っているか確かめに来たのだ。
「やっぱり守っていないか。お前ら! そんなにお仕置きが受けたいのか?」
雄一は、二人の耳元で凄みのある声を発した。
「いっ、いいえ……。そういうわけじゃあ……」
美由紀は、肉食獣に睨まれた小動物のように脅えた表情になる。震える声で、必死で言い訳を探している。
「わ、私が悪いんです。帰りにしようって言ったんです」
美由紀は、何か訴え掛けるように雄一の目を見据える。
(美由紀さん、自分が悪者になろうとしている……。自分だけが罪を被ろうとしている……)
美由紀の優しさが、有紗の胸を痛いほど締め付ける。
「違うわ。私が……、私が嫌だって言ったから……」
有紗は、弱々しく首を振り雄一に告げた。
「ほほう、女の友情ってヤツか? レズのよ……」
「ち、違います。時間がなくて……」
美由紀は、とっさに言い訳をする。雄一達は、そんな嘘はお見通しだった。二人がホームに入った時から、気付かれないように監視していた。
「なら、ここでやりな! 俺たちが見とどけてやるぜ」
「えっ? ここで……?」
有紗と美由紀の顔が強張る。まさか、沢山の乗客がいる場所でやらされるとは思ってもいなかった。
「だめえ、こんな場所で……、できない……。許して……」
いくら、権堂兄弟に囲まれ乗客から遮られているとはいえ、いつ誰に気付かれるか判らない。涙目になった有紗が、許しを請う。
「お前らの選択は二つしかねえ! 美由紀がここで有紗にアナルプラグを挿入するか、それとも二人とも素っ裸にひん剥かれ、俺たちにプラグを挿入されるかだ」
この二人ならやりかねない。そんな思いが有紗を苦しめる。
「そんな……。どちらもいや! できない、うっ、ううう……」
有紗の頬を、一筋の涙が伝う。
「泣いて許されると思ってるのか? 美由紀、プラグを渡せ……」
康次が美由紀から紙袋を取り上げ、アヌスプラグを取り出す。そして、ゼリーを塗り挿入の準備を始めた。
雄一が、有紗の制服の襟元を掴み引き裂こうとする。プチッと音を立て、ボタンが一つ飛んだ。
(ここで裸にされ、お尻を嬲られるところをみんなに見られてしまったら……、恥かしい写真をばら撒かれたら、私の、そして愛する両親の温かい家庭も終わってしまう……)
沢山の危惧が一瞬にして脳裏を駆け巡り、悲しみが有紗の表情を引き攣らせる。
「わっ、私が入れます。私がプラグを……」
ボタンが飛ぶのを見て、有紗の悲しい顔を見て美由紀は、慌てて康次からアヌスプラグを取り上げた。
「雄一様、私が有紗ちゃんのお尻に入れます。だから……、許してください」
雄一なら、ここで有紗を全裸に剥いてしまうことくらいしかねない。美由紀は、有紗が衆人環視の中、恥辱にまみれるのを恐れた。
「有紗ちゃん、我慢して……。お願い……」
有紗は美由紀の顔を見詰め、そして視線を床に落としコクリと肯いた。
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