アルバイトリンド
一月二十日:作

■ 5

あ、ドアが開いた…

「さ、告った人です。」
「…?」
「あぁ、普段と逆にしてます。見える所が隠れて、隠れた所が見えて…いい眺めでしょ?」
「…」

ミミの声?
じゃ、聞いているのは先生?
でもなんだ? 告ったって。
まさかミミ知ってるのか? 僕と先生の会話。

「さ、お好きにして。」
「…」

あ、近づいて来る。ミミ? 先生?
あ、なんだいきなり…痛い!

「いきなりそこ噛むんですか? それじゃなんぼなんでも痛いですよ。」
「…!」
「まずお乳から。」
「…」

あ、今度は指?
なんか不器用だなぁ…

「う〜ん、違うなぁ。相手はオスです。お乳は小さいの。」
「…?」

あ、今度は気持いい。あ、だめだ恥ずかしい。立って来る…

「そうそう、小さく小さくまぁるくまぁるく…」
「…?」
「そう、その調子。」

「ほらほら、元気になってきたわ。嬉しい嬉しいって。よかったね?」
「…」

あ、なんか格好悪い…恥ずかしいよ…

「今度は舐めてみて?」
「…?」

あぁ…今度は舌? あぁなんかあったかい。これ、先生?
ちくしょう、ハンカチの柄うっとうしい。
あぁ、もう限界だよ。

「あららら? 立ったら左向くのね。ピサの斜塔みたい。ほらほら、見て。」
「…!」
「ね、日本にいながら海外旅行よ。」
「…!」
「さ、搭に行きましょうか? ここの搭には美味しいレストランがあるの。」
「…?」
「新鮮なオスの剥き身が名物なの。」

「…?」
? 何を言ってるんだ、ミミ。なんかおかしいぞ。
「汗の海から釣った新鮮なオスですわ。」
「…」
「このオスは昨日手に入れましたの。そして命じました。お風呂に入っちゃダメ! 今朝、このオス、排泄しましたの、大きい方。それも拭くだけ、洗っちゃダメ! …って言い聞かせましたの。なんでか分かります? クリーミーな香りとコクを付けるためですの。」

確かにミミは僕に命じた。僕が毎朝大きい方をするって言うのを知ってて。
「リンちゃん? 今日は大事な日なの。先生はね、天然の香りが好きなの。だからお風呂入っちゃだめよ。それからお尻洗っちゃだめよ。」
って。

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