薔薇の香り
横尾茂明:作
■ 3
目から止めどもなく涙が溢れる。
それは今まで茫漠とした男性への憧れが、この行為で帰結したからなのか。
それとも同種族に会えた悦びなのか。
僕はオジサンに甘えるような仕草で尻を振った。
(クゥゥゥ…いっちゃう…いっちゃうよー)
「あぁーーオジサン…気持ちいいよー」
「出ちゃう…でちゃうよー」
「可愛いやつ、お前の精液は俺が全部呑んでやるよ」
オジサンはそう言うと仰向けに僕の股間に顔を入れ、ペニスを頬張った。
「あっ、ああ…、あぁぁん…はぁぁぁぁぁ…………」
オジサンの舌先が僕の尿口を刺激し、亀頭を唇でしごいた。
「あぁぁぁぁ……出ちゃう…オジサン、オジサーン」
オジサンの指が肛門に入ってきた。
どんどん深く入ってくる。
(はぁぁぁぁ…こんなに気持ちいいこと…初めてだよ)
(どうかなっちゃうよー僕)
オジサンの指が肛門の中で曲げられた。
「うっ、ぅぅぅぅ…あ…はぁぁぁ…そんなこと」
「もうだめ…オジサン我慢できないよー」」
「………ひぃぃぃぃぃぃ……あぁぁ、あぁぁ………くっ、くぅぅぅぅ」
腰が跳ね上がるように震え、精液が迸った。
恥ずかしい形に縛られ、男の口で射精させられる屈辱は、気の遠くなるほどの快感にすり替えられていく。
(あぁぁもう…元の僕には戻れない…オジサンのオモチャになったんだ)
射精の猛烈な快感はあっという間に去っいく…。
でもかわりに何とも言えない濡れた感じの快感が前立腺辺りにフツフツとまだ煮えている。
オジサンの指がまだ肛門の中で動いていたから。
「坊やきもちよかったろ」
オジサンは僕の精液を呑み込み、唇を拭きながら股間から身を起こした。
「今度は尻穴でもっと気持ちいいことしてやろな」
オジサンは言いながら再び肛門に指を挿入した。
「お前の前立腺の形や場所はだいたいさっきので検討はついた」
「今からドライオーガズムとやらを経験させてやるから」
「これから俺に女として奉仕するにはこの快感を覚えんと続かんからな」
「まっ、エネマグラを使えば早いが…お前はそんな物つかわんでもすぐに覚えるわさ」
「なんせ…お前、もう女だもんなフフフッ」
オジサンの長い指はどんどん深く差し込まれていく。
肛門に指を差し込まれる屈辱の行為…しかし…僕にはもう屈辱とは感じなかった。
むしろ、自分がオジサンに甘えて迎合する、「女」に変化していることに驚いた。
「さー、始めるぞ」
オジサンは言うと指をおチンチン側に折り曲げ、お腹の中を揺さぶり始めた。
僕は目を瞑った、ドライオーガズムの意味は分からないけど…何か自分の身に未知の出来事が訪れる予感を感じ、体が勝手に震え始めた。
単調に肛門と腸が刺激される…。
するとおチンチンの奥に、フツフツとわき起こる感覚が芽生えはじめる。
奇妙な違和感…経験のない痒いようなくすぐったいような快感。
そんな快感が腰全体を包み始める。
暖かく痺れるような…オシッコがもれそうな感覚。
「あぁぁ…オジサン…変だよー」
「何、これ…なんなの」
「ほーっ、コリャスゲー、もう感じ始めたのか」
「俺の指は長いからな、お前の前立腺全体のまろみが指先に感じるぜ」
「じゃぁ今度は優しく揉んでやろう、ジワーッとくるようにな」
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