新・青い目覚め
横尾茂明:作

■ 少女の秘密1

「おじさん・・そんなにゆっくりめくって・・見つめられたら絵美・・恥ずかしい」

「絵美ちゃんのここ・・すごく綺麗・・おじさん溺れてしまいそうだよ・・」

「私も・・おじさんに溺れそう・・いえ・・もう逃げられないの・・」
「こんなふうにおじさんに恥ずかしいところを優しく拭かれて・・」
「誰にも見せたことない凄く恥ずかしいとこ広げられて・・・・」

 絵美は孝夫の胸に頬をすり寄せて静かに泣き始めた・・孝夫は少女の髪を触りながら自分が犯した罪の大きさを悔い始めていた。

(少女の挑発にこうまで簡単に乗ってしまうとは・・禁欲生活がいくら長かったとは言え・・30才も違う子供を犯してしまった・・それも処女を・・)

 自分の胸でさめざめと泣く少女・・しかし孝夫の目には少女の豊かな白く輝く美しい尻が見えている・・
(この躯・・もう忘れることは俺には出来ない・・)
(こんなに素晴らしい躯を抱けるなんて・・俺の人生には二度と無いだろう)
(今の俺の財産を全部つぎ込んでもこの少女が欲しい・・)
(女に溺れるとはこういう事なのか・・この俺が16才の少女に溺れるとは・・)

「絵美ちゃん・・痛くないかい?」
「おじさんのこと・・もう嫌いになった?」

「・・・・・・・」

「おじさん・・これから・・どうすればいい?」

「・・・・・・・」

「絵美ちゃん泣いてばかりいたら・・おじさん・・」

 孝夫は泣きじゃくる絵美を優しく抱き寄せた・・絵美の無言の泣きは孝夫への抗議と感じたから。

 作りかけの地球儀・・脱ぎ捨てられたワイシャツ・・机の上の赤く染まったティッシュ・・眩しいばかりの裸の少女・・明るい照明に照らされたそれら風景は酔いがさめた孝夫には白昼夢のように感じられた・・その思いの中ペニスだけがだらしなく縮んでいるさまを疎ましく感じ孝夫は恥じ入るように手で隠した。


 孝夫は動きを忘れたように・・ただ少女を抱きしめるばかりでどれ程時間が過ぎたか曖昧になってきたとき少女の口からようやく言葉がもれた。

「おじさん・・絵美のこと嫌いにならないで・・絵美変態じゃない・・おじさんに変態に見られたと思ったら絵美・・悲しくなって・・」
「絵美・・自分が分からないの・・あの本見たときから自分が分からなくなっちゃって・・あのドキドキする感情が分からなくって・・」


「絵美・・おじさんだけに秘密を言うね・・」


 絵美は嗚咽まじりに語り始めた・・。

 それは5年前のある夜の出来事だった・・一家団欒のさなか玄関のチャイムが鳴った。響子は、「こんな時間に誰でしょうね」と言いながら玄関に向かう・・ドアを開ける音がして会話が茶の間に聞こえた。その声が悲鳴になったとき玄関で揉み合う音と次いで花瓶の割れる音が聞こえた。

 夫の英生が立ち上がったとき茶の間に響子を引きずりながら男が二人乱入してきた。
「さわぐなー!」
 男達はナイフを響子の頬にあてて恫喝した。

「金を出せ! それと車のキーもだ」

「お前等は何なんだ!」

「やかましい! 言われたようにしろ」と叫ぶと男の一人が机を飛び越え英生に蹴りを入れた・・英生は後ろに弾けるように飛び書棚の角の頭を打ち付けそのまま崩れ落ちた。

 男達は英生を持ってきたロープで縛り上げると英生の脇腹を蹴り上げた。英生はのたうち回って吐瀉した。

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