新・青い目覚め
横尾茂明:作
■ 懈怠2
「絵美…どうして欲しい?」
「あぁぁん…わかんない…絵美の体どうにかなりそうで怖いの…」
「じゃぁきょうはここまでにしてやめるかい?」
「……………」
孝夫は絵美の返事を待たずして指を抜いた…絵美はアッ! と小さく声を洩らしブルッと震え、その姿勢のまま息を止めた。
その姿勢は孝夫の再度の指戯を待っているような白々しい流れにも見えた。
一瞬の時が流れ緊張が崩れた…少女は尻餅を突く…そしてバスタブの側壁にしなだれかかり、まるでSEXを終えたばかりの老練な娼婦のように肩で大きく呼吸をはじめる…。
孝夫は…少女の淫靡な心の襞に触れたと思った、いや…美しい皮の下に住む淫獣を一瞬垣間見たと感じた。
「絵美…おじさんはもうぐったりだよ、こんなにたくさんSEXしたの…初めてだよ…」
孝夫は無理に笑顔を作り絵美を抱き寄せた、少女は泣き出しそうな顔で孝夫に縋り付き胸に顔を埋めて嗚咽を漏らす…。
「おじさん…ご…ごめんなさい…絵美…絵美こんなに恥ずかしい子で…」
「自分にも分からないの…体が…自分の体が…分かんないの…」
「絵美…、多感なお前の年頃には心と肉体のアンバランスはありがちなこと…何も心配することじゃないんだよ…」
「おじさん…私のこと嫌わないで…絶対に嫌わないでね…」
「さっ、もう遅いから帰らなくちゃ…」孝夫は緩やかに立ち上がる。
孝夫を見上げる少女の泣き顔は…無垢そのものの可愛い少女であり…先程の淫獣の気配はもう窺い知るよしもなかった…。
「シャワーを浴びよう」孝夫は少女を抱き起こしシャワーのコックを捻り自分の足にかけながら温度が適温になるまで待った。
少女の体にシャワーをかける…手のひらで少女の体を撫でるように洗っていく、それに応えるように少女は孝夫の胸に甘えるように寄りかかった。
(あぁぁ…この手触り…この柔らかさ…なんて愛おしい…)
手の平は少女の柔らかな胸に踊り…秘やかな尻から丘の割れ目を辿る…。
(俺は…この子のいない苦しさには…もう耐えられないだろう、この子が娼婦であろうが淫獣であろうがもうかまわない…こうして胸に縋って泣いてくれる少女が今は愛しい…堕ちるとこまで…堕ちてみるか…)
バスルームから二人は縺れるように出て、裸のままいつまでも抱き合っていた…。
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