新・青い目覚め
横尾茂明:作

■ 懈怠4

(オジサンのオンナ…)
この言葉を呟いたとき、絵美は腰奥に心地いい痺れを感じて思わず性器を押さえた。
その時鏡に映った大きな瞳の奥に…自分を見つめる別な瞳を感じた。
それは瞬時であったが背筋がゾクと震えるほど淫らな眼差しだったと感じた…そしてもう一度鏡に目をこらす、しかしその刹那な感覚はもう見られなかった。

躰の隅々を磨くように洗い、シャワーで流してからバスタオルで身を包んだ…。
静まりかえった廊下の外は風が騒いでいた…唐突にあの日もこんな夜だったと思う。
自室に戻りバスタオルを解いて鏡台に座る…先程までの懈怠感はもう感じられなくむしろ爽快な感覚に肌が火照った。
ボディクリームを体中に丹念に塗り込む…そしてその肌の滑らかさを指先で触診し頷く…。
(この肌触りならオジサン…絶対歓んでくれるよねフフフッ)

絵美は一人頷いたとき…でもこんな感情いつから? と感じた。
(自分の躰をオジサンに歓んで貰いたいだなんて…破廉恥な子…)
(でも…この肌に触れてオジサンが歓んでくれたら…すごく嬉しい)

絵美は裸のままベットにもぐる、普段なら下着を着けパジャマを着るのだが…今日は何故か肌を締める下着は着けたくなかった…。

時計の針はもう12時を少し過ぎていた、絵美は目を瞑ったが妙に頭が冴えて寝付けない。
オジサンの顔が甦る…恥ずかしい行為の数々が脳裏に踊る…絵美は身を捩じって破廉恥な行為を反芻してみた。
(オジサンの内腿を枕にしてチ○ポを口に含まされる…そして性器をオジサンの指で恥ずかしく開かれて弄られる…)
(あぁぁ…恥ずかしい…でもそんなの好き…なんか奴隷のように支配されるのって素敵)

絵美は恥ずかしさに悶えたせいか喉に渇きを覚えた、母の居ないことをも手伝い淫らにも素っ裸のまま階下のキッチンに向かった。
そして冷蔵庫から冷えたコーラを取りだしラッパ飲みして喉を潤す。

キッチンの灯りを消し自室に向かう瞬間…何の脈絡もなく父の断末魔の姿が脳裏をよぎる…そう…この場所、こんな風の強い夜だった…。

リビングを通り抜けたとき…母が泣きながら犯されている姿も思い出された…全てこの場所で起こった出来事…(でも何故今になって思い出されるの…)

絵美はベットに再びもぐり込む…しかし寒くもないのに妙に躰が震える…。
(私…今日はどうしちゃったの…)

不意に先程の母の泣き顔がラップする…そして次第にその映像は鮮明さを増していく。

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