新・青い目覚め
横尾茂明:作

■ 陰刻1

「このアマ!、暴れるんじゃねーぞコラー」
男は言うなり母の頬を拳で殴った、後ろ手に縛られた母の躰は吹っ飛ぶように床に叩きつけられイヤな音をたてる。
この一撃で母のそれまでの狂気なあがきは終息した…。

「おい! 政、オメー手加減を知らねーのか、拳骨で殴りやがって」
「延びてるオンナに突っ込んでも面白くねーだろう!」

「そ…そーだよな…つい力がはいっちまって…」

「まっ、しょうがねーや、おとなしくしている内に素っ裸にヒン剥くか」

男達は母のパジャマの釦を引きちぎって前をはだける、そして床に突き刺したナイフを抜いてブラジャーの前を切り裂き、乳房を引き出した。

「クククッ…しかしいい躰してんなー、女優だけのことはあるぜ! どうよこのオッパイ、ガキ一人産んだなんて思えねーな」

次にパジャマのズボンの前にショーツごと指をかけて引き上げナイフを差し込んで一気に股間まで切り裂く。
足を素早く持ち上げ切り裂いた布を剥ぎ取った。

「政よークククッ…この尻…見てみろよ、すげー色気だぜ」

「クーッ…兄貴、尻もいいけど…このマ○コ、たまらんぜー…まるで少女のまんま!」
「こん亭主…こんないいオンナ毎日抱いてやがったのか…チクショー」

男は父のほうを睨み付け…立ち上がりざまに思い切り腹を蹴り上げた。
手足を後ろで繋ぐように縛られ、大きく反った父の腹に足が音をたててめり込んだ…。

「グウェー…」

父は断末魔のように吐瀉しながらのたうち回って苦しんだ…。

「オイ! お前は亭主でも殴っとれや、このオンナは俺が先にいただくからよー」

「待ってくれよー、兄貴が何で先なんだよー」

「バカヤロー! 誰のおかげで抜け出せたと思っていやがる!」

「……………」
「わかったよ……じゃー俺はオンナの口にでも突っ込んでるから早く済ませてくれよな」

男達はまるで飢えたハイエナのように母の裸に群がった…その光景は絵美にとって恐怖体験の埒を超え、涙は出ずに泣き声だけが喉元をついて洩れていた。

兄貴と呼ばれた男が母の恥ずかしい所を音を立てて執拗に舐めはじめた、そしてもう一人の男は乳房を口に頬張り…横目で父の顔を睨み付けている。
まるで獣が捕まえた餌を盗られないように辺りを覗っているように絵美には見えた。

男達は探るような手つきで母の穴という穴に時間をかけて指を差し込む…。
そしてその指を舐りながら立ち上がり…服を脱ぎはじめた。

男達の腰前に…赤黒い肉棒が反り上がり、腹を叩いて揺れている…絵美は強烈な怯えの中…男達の体そのものが支配者なんだとこの時感じた。

男が母の足元に膝立ちし、母の両足を抱えて引きずり寄せる…掌に唾を吐いてその手で自分の肉棒をしごきはじめた。

絵美は…その男の行為が何を意味するものか興味が湧いた…。

男は肉棒を摘み、母の性器に執拗に擦りはじめる。
全くの赤の他人が…傍若無人にも母の恥ずかしい裸の股間に…淫らにムケたチ○ポの先を擦りつけているのだ…。

絵美の目には…その行為は禍々しい土俗的な呪いの儀式の様にも見えた。

男は何かを探り当てたかのように動きを止め…母の腰を深く掴むと同時に腰を前方に抉り込む…。

「ギャァー……」劈くような化鳥の叫び…母の声と気づくのに時間が掛かるほどその悲鳴はこの世のものとは思えなかった。

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