新・青い目覚め
横尾茂明:作

■ 傾倒3

孝夫は辺りを覗い、棚から「月刊SM」を抜き…手に持っていた他の本の間に隠した…。そしていそいそと事務所に戻ってきた。

(フーッ…俺は何をしてんだろう…)
(自分の店の雑誌をまるで万引きするような感覚…)
(あの少女を知る前の俺なら…何の躊躇もなく手に取り中が見れたのに…)
(何を意識してんだ…ったく…)

(しかし最近はこの手の本は全く売れなくなったなー…これもインターネットの普及のせいだろうか…)

孝夫は時代じみた表紙のイラストを見つめて溜息をつく…。

表紙をめくる…目次の前に写真があり…少女とはとても思えないセーラー服を着た不細工な女が縛られて俯いていた…。

頁をめくるにつれ内容はえげつなくなっていく…浣腸…排泄…辱め…犯し。
以前の孝夫ならこの内容を見てもフーンそんなものかと感じる程度であったが…。
(モデルが悪すぎる…この女がもし絵美だったら…)などと思った。

この数日間の出来事が孝夫の興味感覚を少しずつ変えていったのだろうか…。

(もし絵美にこれと同じ事をしたら…)
(俺は絵美の排泄がまともに見れるのか…)
(また…ウンコの臭いに幻滅しないのか…)

(絵美の排泄物なら…汚いと思わない…エッ…思えない? …ンン…)
(俺はもうそこまで彼女に惚れているのか?)

(彼女を縛って叩く…浣腸する…尻穴を犯す…)
(彼女が泣いて許しを請う…それでも犯す…)

(いや…俺にはやっぱり出来ない…彼女がそれを望んだとしても…俺には…)

(でも…それが始めから打ち合わせ通りの芝居なら…)
(出来るかもしれない…それで彼女が満足してくれるなら…)

(そんなことで彼女が俺のそばにずーと居てくれるなら…何でもしよう…)

「コンコン!」
ドアのノック音に孝夫は妄想から引き戻される…。

店長がドアを開け「お昼どうされます?」と聞いてきた。

「うん…俺はいいよ…」と曖昧に応える。

「社長…その本のたぐいはもう駄目ですね…どうしましょう」
と言われ、孝夫は手に持っている本に気付く…。

「あっ…あぁ…もう始末して下さい…来月からは取らないようにね…」
なんとか声を絞って応えたが…顔が赤らむのが分かった…。

店長がドア奥に消え…孝夫は立ち上がる…陰茎が硬くなっているのに気付く…。
(俺…Sの部分が少しは有るのだろうか…)


夕方…帰りの道すがら回り道をして初めての薬局に立ち寄った。
そこで欲しくもない胃薬と…イチジク浣腸を買った…。
さすがに浣腸を切り出すには勇気がいったが…なんとか声に出せた孝夫である…。

エントランスを通過する際…ガードマンが「きょうもお嬢さんがきてますよ」と笑顔を投げてよこした…。

(そ…そうか、もう来てるんだ…)自然と足が喜びに走り出す…。

チャイムを押すと昨日のように絵美が笑顔でドアを開け…抱きついてくる…。

(あぁぁ何て可愛いんだ…)思わず孝夫も強く抱きしめてしまう…。

二人縺れるようにリビングに行き…ソファーに座って口づけを交わす…孝夫はそのまま少女を押し倒したい感情に駆られるが…今日は我慢して少女から離れた…。

「今日は早いんだね…オジサンまだ買い物にもいってないんだよー」

「ウフフ…そーかなって思って…絵美…来るとき買い物してきたんだ」
「すぐ作るからオジサンはテレビでも見て待っててね!」

少女はもう一度孝夫にキスをせがむように唇を押しつけ、顔を赤らめて立ち上がる…。
そして気付いたように…「セーラー服が汚れちゃうな…」といい孝夫の目の前で服を脱ぎはじめる…。

ローズマリーのキャミソールに純白のショーツ…絵美は恥ずかしげに孝夫に見せて…エプロンを付ける…。

「これでよし! …おじさん今日はカレーだよムフフ」

その純白の小悪魔はキッチンに向かう…ショーツから抜き出たうしろモモの柔らかな艶めかしさは孝夫の心をトロケさせるには充分であった…。

キッチンからハミングが聞こえる…孝夫の目にはテレビのニュースなどは全く映ってはいない…少女の裸の肢体が浮かび上がりそして後背位での乳白色の尻が踊る…。

カレーの味はよく分からなかった…横にくっつくように座る少女の真っ白な太腿が目を射ったからだ…。

それをからかうように少女は短いエプロンを外し…それを舌で濡らして私の口を拭いた。
「オジサン子供みたい…こんなに口の周りを汚して」

その艶のある優しさは16才の少女とは思えなかった…。
暫く拭いてから唇を優しく押しつけてきた…少女の柔らかな胸元からは若やいだ体臭が立ち上り…孝夫の鼻を甘く擽る…。
股間は先程来から立ちっぱなしである…。

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