ボヘミアの深い森
横尾茂明:作
■ プルゼニの陵辱1
男が少女に優しかったのはその夜限りであった。
男に抱かれ随喜の涙を流しながら甘えるように寝た朝…。
目覚めると男はいなかった。
手には冷たい手錠がかけられ、ペットへの仕打ちのごとく…ベットのパイプに繋がれていた。
そして洗面器がベット下に置いてあり部屋はシーンと静まりかえっている。
股間が粘り着く…愛液と男の唾液が混じって光り、ベトベトして気持ちが悪かった。
その不快感が少女を現実に引き戻す。
(昨夜の快楽は夢だったの…)
少女は部屋中を眺める。
カーテンの隙間から幾条もの光が漏れ、汚れた床に光の水たまりを揺らがしていた。
少女はベットに座り呆然として時間の流れに身を任す。
床に映る光の溜まりは少しずつ移動していく。
そしてベットの端に揺らいだとき少女は我に返った。
(お腹がすいた…)
少女はあたりを見渡す。
テーブルの端に昨夜食べ残したサンドイッチが目にとまった。
少女はベットから床に降りた、そのとき手錠に繋がれていたことを思い出す。
(あぁ…お腹空いたよー)
少女は手錠を外そうと藻掻くがカチッと音がして手錠はさらに深く閉じていく。
テーブルまで3メートル…どう手を伸ばしても届かない。
少女はあきらめてベットの上に尻餅をついた。
昨日の朝食は抜いた…お昼も男への食事をサービスするのにいっぱいで食べられず、夜は恐怖でサンドイッチを一口囓っただけ…。
(お腹って…こんなに空くんだ)
時間の流れに不安感が徐々につのっていく。
男に見捨てられ、この部屋に放置されることを考えると…次第に恐怖感がつのり、鳥肌がたった。
昨夜ここに連れられてきたとき…辺りに人家が無かったことを思い出した。
(大声出しても誰も助けてくれない)
幼い胸に急速に不安が広がっていく。
捨てられたとの思いが鎌首の様にもたげ始め、心臓の鼓動がどんどん早まっていく。
(こんなところで餓死するなんて…絶対イヤ)
殴られ犯され拉致されて捨てられる…こんな理不尽な仕打ちがあろうとは…幼い心にも耐え難い屈辱を感じた。
震えから不意に尿意を感じる、昨日から一度もトイレに行っていなかったことを思い出した。
(あぁーどうしよう…)
そう思うと耐え難い尿意に、体が大きく震えだした。
(あっ、洗面器…)
洗面器の意が分かった瞬間…何故かホッとした。
少女は男の心を垣間見た思いがしたのだ。
捨てる女に便器なんか絶対用意はしないことを…。
少女はベットからおり洗面器の上にしゃがんだ。
耐えてた力を抜く、すぐに一条の水柱が洗面器の底を叩き始めた。
排尿と男に捨てられていなかったとの安堵感は…何故か昨夜のオルガスムスを連想させる。
(あんなに気持ちいいことがこの世に有ったなんて…なんだか嘘みたい)
(あんなにいいのなら…何度でもしたいな)
(おじさん…今夜もしてくれるのかな)
そう思いながら少女は身をよじり、思わず赤らんだ。
尻を振ってしずくを落とし、ベットに戻る。
眼下のなみなみと溜まった黄色い尿を見る…。
(オジサンに…見られちゃうんだ…)
少女は羞恥に思わず身を縮ませた。
光の帯が少女の太腿に射す、そして無毛の恥丘を明るく照らした。
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