僕の転機
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■ 第2章 救いの手3

 美咲を後部座席から助け起こし、宗介の家のリビングに運び込んだ昌聖は、そっと壊れ物でも扱うように美咲を横たえる。
 美咲を痛ましいような目で見ていた昌聖に、宗介が一人掛けのソファーに座り。
「外す事は、出来ないのか?」
 昌聖を睨みながら聞いてきた。
(外す事は出来るけど…、でも…。ええーい!構うモンか!これ以上、目の前で苦しむ美咲ちゃんを見たくない!)
 宗介にグイッと力強く顎を引き、美咲に近寄る。
「美咲ちゃん、ショーツ外すね」
 昌聖の声に、美咲は涙を浮かべながらも
「そんな事したら…。また、歩美達に…」
 恐怖心が沸き上がって、頷く事が出来ないで居た。
「大丈夫、僕が何とかする。いざとなったら、もうバラされても構わない」
 強い視線で、美咲に頷いた。

 美咲は、コクンと小さく頷くと、スカートの裾をユックリ持ち上げた。
 紺のプリーツスカートがユックリと持ち上がり、そこから美咲の白い、スラリとしなやかな美脚が現れ、その付け根に黒い革の拘束具が現れる。
(あれを昌聖が作ったのか…。外見的には充分及第点だが…、性能はどうかな…)
 現れた異形に驚かず、その機能に関心を向ける宗介。
 調整器を腰に当て、締め付けを緩めると、腰の部分に手を当て、ショーツを降ろしていく昌聖。
 ショーツが股間を中心に反転して、最後のバイブを抜こうと昌聖が声を掛ける。
 スカートとショーツの間から覗く美咲の股間は、綺麗に陰毛をそり落とされ、クリトリスも剥き出しにされている。
「良いかい?美咲ちゃん抜くよ?」
 昌聖がバイブに触れた瞬間。
「駄目!今は、駄目よイーッ…」
 美咲が切迫した声で制止すると、美咲のアナルに納まっていたバイブが、ミチミチと音を立てて広がり始めた。
(げっ、あのバイブ直径が変わるのか…!しかし、最近の虐めは酷いな…。悪意すら感じるよ)
 美咲のオマンコに施された処置に、険しい表情を浮かべる宗介。
 美咲のアナルを広げたバイブが、次に振動を繰り出し、快感を引き出す。
 堪らず、美咲はスカートを捲り上げたまま、白い尻を振り始めるのだった。
 美咲の姿を口惜しげに見守る昌聖の姿を見て、その心理を読み取る宗介。
 美咲のアナルを襲っている、ショーツもその動きを終わらせ、バイブが元の大きさに戻る。
 苦しみに耐えるような顔で、アナルからバイブを抜き取り、ショーツを脱がせ、スカートを元に戻すと、手に持ったショーツを昌聖は床に叩き付ける。
 項垂れて悔しさを噛みしめる昌聖。
 俯伏せで静かに嗚咽する美咲。
 そんな2人をジッと見守る宗介。
「口惜しいか、昌聖?[力が無いと何も出来ない]、俺はそう言わなかったか?」
 宗介が日本を離れる前に、昌聖に言った言葉だった。
「口惜しいよ!でも、僕にはどうすることも出来ない…。宗介さんの言う力なんて、僕には解らなかった…」
 昌聖は、力なく首を振り、うっすらと涙を浮かべる。
「じゃぁ、見せてやるよ。そのうちお前にも手に入る筈の力を…」
 宗介が暗い笑いを浮かべて、昌聖に宣言した。

 リビングに3人が落ち着き、宗介が昌聖と美咲に事情を聞き出した。
 宗介は、美咲の話を聞いている内に、関係者の概ねの性格と性質を理解する。
 しかし、昌聖の話を聞いていた宗介は、話しが始まり数分も経たない内に、クスクスと笑い出し、最後は爆笑してしまっていた。
 そんな宗介の態度に、流石に怒りの表情を浮かべ、
「僕の話は、そんなに可笑しい?これでも、僕は真剣なんだよ…」
 顔を赤く染め、宗介に食って掛かる。
 そんな昌聖をまったく無視して、宗介は美咲の方に向き直り、真面目な表情で告げる。
「美咲ちゃん、君は当事者だから。当然、復讐に参加したいと思う。だけど、深入りすると…、恐らく後悔すると思う…。君の性質上…」
 じっと、美咲の目を見て宗介が話していると、昌聖が間に割って入り、口を挟む。
「美咲ちゃんには、復讐するだけの権利があると思うし…。深入りって?…」
 昌聖の言葉に力を得た美咲は、真っ直ぐに宗介を見詰め
「大丈夫です、私の事は…。私は、歩美達を許せる程、寛容には成れません…」
 [犯罪性が高かろうと構わない]と、固い決意を口にする。
 2人の視線と意気込みに、内心で大きく溜息を吐き
(この2人は、完全に勘違いをしている…。まあ、昌聖が美咲ちゃんの面倒を見れば問題ないか…な…)
 頭を掻きながら、論点のズレの落ち着き場所を自分成りに納め、パソコンの電源を入れる。

 急に黙り込んだ宗介が、カシャカシャとノートパソコンを操作する姿を、ジッと見ている昌聖と美咲。
 宗介は、メールの受信を待つ間、携帯電話で通話しながらネットを開く。
 パソコンを操作する宗介が、視線をディスプレーに向けたまま、不意に昌聖に話しかける。
「昌聖。お前の店に来た奴らの、映像データー有るか?」
 突然の質問に驚きながらも、鞄からipodを取り出し
「この中に、防犯カメラの映像が入ってるよ」
 言いながら宗介に差し出す。

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