僕の転機
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■ 第2章 救いの手10

 中に入った佐知子は、足下の足跡マークに従い、軽く足を開いて立ち、一つ深呼吸をして目を閉じる。
 すると、低いモーター音を立てながら、円筒の外をリングが、ピカピカと光りながら下りてくる。
(これって!3Dスキャナーだ…。どれだけ、お金を掛けてるんだ…この家…)
 昌聖が驚いている内に、リングが3度上下して止まると、インカムから
『次、美由紀だ。今と同じ要領で立つように言ってくれ』
 佐知子が部屋から出て、キョトンとした表情で立っている。
 目を瞑っていたから、自分の身に何が起きたか判っていないらしい。

 美由紀にも同じように立っていろと指示すると、中に入れる。
 怯えている美由紀は、深呼吸を3度、肩を2度回し、目を閉じる。
 先程と同じように、リングが3度上下すると、佐知子がへーと感心した声を上げていた。
 美由紀が終了し、身体のあちこちを、気にしながら部屋から出てくる。
 最後に歩美に指示しようとすると、サッサと歩き出して部屋に入って行った。
 全員のボディースキャンが終わると、左手の扉が開き、宗介が出てくる。
「宗介さん。これ3Dスキャナーでしょ…?幾らすんのさ、こんな物…」
 昌聖が眉をひそめて、宗介に聞いた。
(お前の家の、お下がりだよ…)
 うっすらと笑うと、「秘密だ」と言って誤魔化した。

 全員が移動して調教部屋に戻る。
 部屋を出る時と同じように、ソファーの周りに集まった。
「良し準備が整ったな、それでは、今から今日の調教を始める。今日は初日だから、軽めの設定でやって行く」
 宗介が宣言して、準備を始め、昌聖に指示を出す。
 昌聖が奥から直径2m程で、高さが30p程の大きな丸い台を押してくる。
 その台には4つのベルトが付いていて、内側が深さ20p程のすり鉢状になっている。
 ゴロゴロと音を立て、キャスターが付いた台をソファーの前に押してきた昌聖が
「これで良いんだよね…」
 宗介に確認すると、頷きながら道具箱から器具を取り出す宗介。
 透明の器具に白いチューブから、鶯色の軟膏を塗りながら、佐知子に声を掛ける。
「佐知子お前からだ、この台の縁に座って仰向けに成れ」
 指示を出すと佐知子は、即座に実行する。
 仰向けになると丁度、両肩の位置にベルトが二つ並んでいる。
 宗介が指示し昌聖がそのベルトで佐知子の二の腕を止めると、次にそのまま足を持ち上げ、膝を肩の横に来るまで折り曲げる。
 股間を上に晒したまんぐり返しの状態で、もう一組のベルトで足首を固定する。
 宗介が佐知子の横に行くと、晒け出されたアナルに、おもむろに軟膏を塗り始める。
 ヌチャヌチャと嫌らしい音を立てアナルに指を出し入れされている佐知子は
(いや…そんなに掻き回されたら…)
 顔を赤らめ視線を泳がせる。

 そして、透明な漏斗のような器具を佐知子に見せると
「この器具は見ての通り、片方は漏斗に成っていて反対側は、アナル栓になっている。これは、中に弁が入っていて中身が漏れない設計にしてあり、これをお前のアナルに差し込み浣腸をする。そして、このローターを漏斗の中に入れたまま、お漏らしをする事無く30分間刺激に耐えれば、この調教は終わる。ただし、ローターを落とす度に、一本ずつ浣腸が追加されるのと、刺激の段階は、10分間に一段ずつ上がるから気を付けろ」
 優しいと言っていい程ゆっくり丁寧に、調教のルールを説明する宗介。
 説明を受け、ルールを納得した佐知子は、不自由な態勢で頷く。

 宗介が佐知子のアナルに器具を差し込み、ローターを漏斗の中に入れると、コントローラーを太股に貼り付け、浣腸をする。
 薄い緑色の浣腸液が、佐知子の体内に飲み込まれ、ローターのスイッチが入れられた。
 ビーンと唸りを上げるモーター音と、カラカラ、カラカラ激しい音を立てて、漏斗の中で暴れるローター。
(ひーっ!何これ奥にまで響く〜っ…あ、駄目〜っ)
 不規則な振動で暴れ出したローターは、あっと言う間に漏斗から飛び出す。
「佐知子。もう落としたのか?だらしがないぞ、伝わる振動に集中して、ローターの動きを先読みするんだ」
 宗介が、佐知子にアドバイスしながら二本目の浣腸を行い、ローターを元に戻す。
(ハァハァ、難しいけど…出来ない事は無いわ…お尻の穴に集中して…)
 自分に言い聞かせながら、アナルに神経を集中すると、宗介の言ったことが解る佐知子。
(出来る!大丈夫よ…もっとお尻の穴に集中するのよ…)
 すると、アナルからジワジワと快感が広がり出す。
(あっ何これ…お尻の穴が痺れてくる…ぞわぞわ虫が這ってる見たいな…駄目…集中しなきゃ…)
 調教前に塗られた薄緑の軟膏と、鶯色の浣腸液は神経を過敏にする作用のある、一種の催淫剤であった。
 その薬は神経や意識を集中すればする程、その部分の感度を飛躍的に上げる効果が有る。
 意識を集中すれば、アナルの感度が増し、意識を拡散するとローターが落ちて浣腸される。
 そんなバランスの中で、10分間を耐えようとする佐知子は、賞賛に価した。
(クーッ…これ…気持ち…良い…だめ…しっかり…しなきゃ…落ちちゃう〜っ…イヤァン…)
 快感の波に翻弄されながらも、腰から下を必死に動かし、責めを乗り切ろうとする。
(この子は流石に耐性と柔軟性に優れてるな…。しかし、この投げやりな態度は、鼻持ちならない…この勘違いを何とかすれば…)
 佐知子をジッと観察しながら、宗介が近寄り10分経ったことを知らせ、ローターの動きを強くする。

 ビーーン!モーター音が高くなりカラカラ、カラン、カランとローターの動きが激しく複雑になる。
 佐知子は、それでも必死に追いかけ、腰を縦横にくねらせてローターを保持する。
(あーーっ…これ、だめ…もう、むり…うごきが…はやくて…きもち…よくて…ふくざつ…すぎる…)
 その腰の柔軟性と反射に目を奪われる宗介。
(ヒューッ…この子凄いな…こんな集中してたら、アナルは大変な事に成ってる筈なんだけどな…それでこの動き…)
 宗介が驚いたのは、この調教はアナルの快感を目覚めさせる物で、第2段階まで耐えられる物では無い筈だからである。
(ひや…おとひちゃ…らめ…もっほ…ひゅうひゅう…ひなひゃ…)
 佐知子の意識は、半分以上吹き飛んでいたが、命令を実行すると言う思考だけが、身体を支配しコントロールしていた。

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