僕の転機
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■ 第2章 救いの手12

 ねっと確認を取るような仕草をすると、床にあるスイッチを踏む。
 さっきと逆の順番で、外側から棒が伸びて行き、元の形に戻る。
「この棒の縊れ部分にはセンサーが付いていて、縊れを締めると…」
 3本目の縊れを持ち、軽く握ると先端が、カシャと下に飲み込まれた。
「1個上の部分が飲み込まれて行く、この2つの機能があるから君を貫く事はないよ、そんな目的の器具じゃないしね」
 宗介が説明すると、歩美に立ち上がるように促し、台の上に乗せた。

 首枷に両手首と首を通し、固定すると、重さのためにフラフラと上体が揺れる。
 手首と顔の真ん中ぐらいにあるフックに、天井から伸びた鎖を固定する。
 アナルに先端の部分を飲み込ませると、足を左右に開いて固定し、背中側に鎖の付いたベルトを腰に巻く。
 台の上で上下に鎖で引っ張られ、大きく足を開き、身体を串刺しにされるような格好に成った歩美。
 そしてそんな歩美に、宗介が手に持った、完全遮光型のアイマスクとイヤーパッドを見せる。
「これは、99%の音を遮断するイヤーパッドだ、余程集中しても外の音は聞こえない。これは、100%見えなくなる…」
 アイマスクを付けると、宗介が最後の調教の説明を始める。
「今から君は俺に鞭打ちされる、それを止める方法は二つ。一つは今から言うキーワードに合った答えを言う事、もう一つは調教失敗だ解ったね」
 突然襲った暗闇と宗介の言葉に、慌てながら歩美が口を挟む。
「待って…鞭打ちですって…ちょっと止めなさいよ…」
「要らない事を話してると、肝心の説明が聞こえなくなるよ…」
 宗介の言葉に口を閉じる歩美。
「この台は、一度態勢が崩れたら、もう元には戻らない仕組みに成っているから、くれぐれもしゃがまないようにね。調教が辛くなるよ…」
 ここまで言うと、昌聖に洗われていた佐知子が、フラフラと四つん這いで移動して来て、濡れたまま正座する。
 昌聖は、そのまま奥に引っ込み、何かを探し出した。
 宗介が、歩美にイヤーパッドを着けるときに、耳元に囁いた。
「キーワードは、歩美が美咲にさせたかった事を、自分の言葉でお願いしろ…」
 そう言うと耳を塞ぎ、取れないように固定する。
 後ろを振り向き、みんなに聞こえるように宗介が答えを話す。
「答えは、絶対服従を誓いますだ…このキーワードが出るまでは続く」
 奥から戻ってきた昌聖と、正座する2人の奴隷、立ち竦む美咲の4人が、コクンと頷く。

 宗介が鞭を手に取ると、何の前触れも無しに歩美の身体を打つ。
 パシーン
「痛ーぃ!」
 鞭の音と歩美の悲鳴が重なる。
「痛い!痛い止めてよ。こんなの、こんなの酷すぎるぎゃーっ」
 10秒間を開け、ビッシーッと喚く歩美を無視し、2発目が歩美の胸を打つ。
「そんな所を叩かないでー。もう嫌、本当に直ぐ答えるイヤーッ」
 又、10秒間を開け、バシーッ3発目が反対の乳房を襲う。
「解った、解ったから今言うから手を止めてー、これじゃ考えヒーッ」
 同じ間隔を開け、スパーンッ4発目が尻を襲い、歩美が仰け反る。
 宗介は、一定のリズムで歩美の身体に鞭を打ち付ける

 歩美の身体を中心に回りながら、鞭を振り始める宗介。
 リズムはあくまで一定、しかし強さと場所がランダムで変わり、目の見えない歩美は、力を入れて庇う事も出来ない。
 歩美は、悪態や中止を叫んでいたが、一向に受け入れられる気配がないのを知り、宗介のキーワードを思い出す。
(私が美咲にさせたかった事?…生意気だったから、オモチャにしただけなのに…痛い…これじゃ考えられないわ…取り敢えず)
 鞭打ちを受けながら、必死で考え思いつく事を全て話す、と言う結論に10発以上叩かれて達した歩美。
「私を調教してくださいでしょ。ヒギーッ!違うの?じゃぁ、私をオモチャにしてください。…私を奴隷にしてください。…私を、ギャーッ!答えてる時は止めてよ!私を嬲ってください。…私を辱めてください。…私を虐めて下さい。痛いーーぃ!私を奴隷として飼って下さい。私を…」
 歩美は思いつく限りの言葉を並べだすが、答えに行き着かず、鞭打ちは止まらない。

 歩美の顔色が段々青くなり始め、全身から大粒の汗が流れ出した。
「人間の身体はね、一定の間隔で襲う刺激に、とても弱いんだ。そう、待つ事が恐怖に変わるんだ」
 宗介が歩美の身体を回りながら、独り言のように説明を始める。
「同じ間隔で、次に何処にどんな刺激が来るのか解らない恐怖は、こんな風に人を追いつめて行く」
 宗介がそう言うと、歩美の声は徐々に高くなって、悲鳴のような声音になっていった。
「オッパイやオマンコにピアスを付けて下さい。…恥ずかしい入れ墨を全身に入れて下さい。…クリトリスが大きくなるように改造してヒギーッ」
 歩美の声は、ヒステリーのように、高く大きくなって行く。
 宗介の鞭は歩美のクリトリスを捉えると、ガクガクと震え膝が少し折れる。
 アナルに入った金属棒が歩美の体内に、1段階取り込まれる。
「毎日浣腸して普通にウンチが出ないようにして下さい。…一目で変態だと判る身体にして下さい。イー痛い!」
 歩美の発する言葉は、精神的な所から具体的な肉体改造に変わって行った。
 その言葉を聞いていた美咲の手が、ギュッと握りしめられワナワナと震える。

 一向に答えに行き着かない歩美は、より具体的な陵辱を口にする。
「私に校庭の真ん中で浣腸して、全裸で排泄させて下さい。…いっぱいの人に犯されて、全身に精液を掛けて下さい。ギャーッ!…誰の物でも、オシッコを飲めるようにして下さい。…私以上、汚い物がないように、私を一番汚して下さい。ヒーッ!」
 歩美の身体は、鞭打たれる度に左右に揺れるが、腰を一点に止められているため、首枷を鎖の許す範囲でしか振れず、その首枷の重さが徐々に歩美の足腰に負担をかけ出してきた。
 フウー、フウーと荒い息を吐きながら、思いつく限りの陵辱方法を口にする歩美。
 そんな歩美の膝がまた少し折れ、アナルが金属棒を飲み込む。
 3段目を締め込んだため1番上が中に入り込み、カチリと音がする。
 すると、金属棒がビーーンと小刻みに振動を始める。
「そして、均衡を失った心は、新たな刺激にその助けを求め出す…もう、止められない」
 宗介が鞭を振りながら、歩美の変化を指摘する。
「嫌!何これーっ!お尻が変よ、何したの?はあ〜…あ〜気持ち良い…」
 突然の刺激に思わず声を漏らし身を屈めると、その行為でさらにアナルが飲み込む。
 慌てて、腰を上げるがベルトに付いた鎖がビンと張って、上方向には一向に動かない。
(腰を下ろすと、戻せないってこう言う事…これじゃ、しゃがんで行く方向しか身体を動かせない…)
 宗介はそんな狼狽する歩美の姿を見て、内心ほくそ笑む。
(よし、やっと動き出したか…ここからが本番だ、こいつの直腸内の仕掛けも動き出したはずだ…後数分でけりが付く…)
 宗介の思惑通り、金属棒の先端から薄いピンク色をした霧状の液体と、締め付けている部分には緑色のジェルが、振動の開始と同時に流れ出した。

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