僕の転機
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■ 第2章 救いの手13

 この霧状の液体は、強い催淫効果のある媚薬で、直腸内で噴霧されているため、恐ろしく吸収が早く成っている。
 緑色のジェルは、先程佐知子に使われた軟膏の効果と、痒みを与える効果が合わさった物で、より意識を集中しやすいようにした物である。
 歩美の身体の変化は見る見るうちに現れ出した。
 無数の鞭の跡が走る身体は赤く染まり、両の乳首は硬く尖って存在を主張しだした。
(あ〜っ、身体が変…熱い…乳首が痛いわ…それにお尻の穴が痒いんだけど、振動が気持ち良い…)
 モゾモゾと腰を動かし金属棒に擦り付ける歩美。
 宗介は、そんな歩美の変化を見ながらも、鞭を振るい続ける。
 鞭の刺激に、歩美は陵辱の方法をさらに並べて行く。
「私を肉便器にして下さい。あ〜くっ、何でもする奴隷に変えて下さい。ヒーーッ!」
 歩美の声に艶が掛かり、明らかに嬌声が混じり出す。

 宗介の持つ鞭のリズムは、一定のままで、その刺激と効果のみが変わりだした。
「はぁ、はぁ良い〜気持ち良いの…お尻も鞭もいっぱい気持ち良い…」
 鞭が襲うとワナワナと身体を震わせ、足の力が抜ける。
 すると、アナルを貫く金属棒に押し広げられ、歩美の尻の穴に痒みとそれを上回る快感が襲う。
 歩美のアナルはもう6段階目を飲み込み、その直径は4pにも広がっている。
 歩美は、身体を上からのチェーンに預け、後ろに反った状態で休んでいた。
 すると、突然上からのチェーンが緩み、全体重が金属の棒に加わる。
 一挙に2段階を飲み込んだ歩美だが、その表情は苦痛に歪んではいなかった。
 恍惚と唇を開きながら、あはぁ〜んと激しい嬌声を上げ、喉を逸らし、唇を舌が舐め上げる。
「良い…これ…いいの…おしり…きもちいい〜…」
 宗介は、歩美に加える鞭の刺激を乳首、乳房、クリトリス、尻タブと限定しだした。
 強く、弱く与えられる刺激に、歩美は脳まで蕩かされて行く。
 あの気の強い歩美が、鞭打たれ嬌態を晒す様を見て、佐知子は宗介の凄さに畏れ、美由紀は涙している。
(無理…あんなの…耐えれるわけ無いじゃん…これでレベル2って…私これより酷いの…?無理よ…許して…)
 消え入りそうに自分の身体を抱き締め、身を縮め嗚咽する美由紀。
(あの時、もっと早く気が付けば…。でも、佐知子より素早く何て無理だった…。どうしよう、きっと私死んじゃう…)
 落ち込む美由紀を尻目に、歩美の調教は佳境に迫って来た。
「あっ、あっ、だめだめ、何か来る…何か来るの…怖い怖いわ…嫌いや〜〜っ」
 身体をビンと伸ばすが腰のチェーンのせいで伸びきらず、台の上で身体をSの字に曲げて、絶頂を迎える歩美。
 そのまま、失禁して意識を失う。

 宗介は、素早くスイッチを押し各機能を停止させ、拘束を解き小便の中に顔を浸けるように放置する。
 台の上から降りると、歩美の背中を鞭で一つ叩き、歩美を目覚めさせる。
「歩美、調教失敗だ。これでお前の調教期間は12日だ」
 失神から目覚めると、自分が水溜まりに突っ伏しているのが、不思議だった。
(こんな所に何で水溜まりが…あっ、これは…私のオシッコ…)
 意識がハッキリするにつれ、自分の状態を理解した歩美は、飛び起きる。
 急いで顔と髪の毛を洗おうと、水道の方に進み出すが
「何処に行く!勝手に動くことを誰が許した」
 宗介が鋭く声を掛け、その動きを止める。
「あの、顔を洗いたいんですが、佐知子も洗ったんですし、構わないでしょ」
 歩美が、俯きながら言った。

 しかし、その俯いた顔は恥じらいではなく、火の出るような怒りの表情だった。
 宗介は、次の調教の準備をしながら、歩美に言い放つ。
「駄目だ!佐知子はその従順さに許可を出したが…お前のような、怒りの表情を浮かべる奴隷に、掛ける慈悲は無い」
 全てを見抜いている、宗介の言葉だった。

 驚き、顔を上げる歩美は、宗介の方を見るが、宗介はこちら側を見てもいない。
(当てずっぽうで言ったの?…それにしても、タイミングと内容が合い過ぎるわ…クッ、この男の事は、もっと考えるべきね…)
 底の知れない宗介の態度に、慎重になる事を言い聞かせる歩美だった。
 抗議をする事も諦め、渋々と佐知子の横に来て正座する歩美。
 隣にいる佐知子の姿を見て、さらに悔しさが込み上げてきた。
 佐知子は、いつの間にかバスタオルまで宛がわれ、濡れた身体を拭いていた。
 自分を見る歩美の視線に気が付いた佐知子は、拭いているバスタオルを、キュッと握りしめ自分の物である事を主張した。
 実は、このバスタオルは佐知子を洗った後、直ぐに奥に行った昌聖が探してきた物だった。
 水に濡れ、冷え切った身体に、ソッと後ろから肩口に掛けて
「拭きなよ」
 ぶっきらぼうに言って渡したのだ。
 歩美は、今の自分の状況が、孤立へと進んでいる事に、大きな焦りを感じていた。

 佐知子の横に座っている美由紀は、歩美の調教の後半から、ずっと泣いている。
 自分の調教が恐ろしくて仕方ないのだ、一つレベルが下の調教ですら、自分にはとても耐えられる物では無いと思っている。
 そんな、美由紀の前に、宗介が革の拘束具を持って現れた。
 ビクッと震え、涙に濡れた顔を持ち上げる。
 猫のように吊り上がった目は、擦りすぎて赤く腫れ上がり、鼻水まで流して泣いている。
「美由紀お前の番だ、立ってこっちに来い」
 宗介が宣言すると、美由紀は大きな声で泣き出し
「許して下さい…私には、私には無理です。…どうか、どうか許して下さい…」
 プライドも何もかも投げ捨て、号泣する美由紀に、冷たく宗介が言い放つ。
「こんな事をしていた人間が、本人を目の前にして、良くそんな事を言えるな…」
 そう言うと、傍らに置いてあったリモコンを操作する。

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