僕の転機
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■ 第2章 救いの手14

 テレビの電源が入ると共に、生徒会室でのVTRが流れ出す。
『ん〜っ、そんな言葉じゃ駄目ね美咲のお尻が壊れても、栓をするだけで良いんだし、馬鹿犬は、元から馬鹿犬でしょ?じゃぁ、4個目行くね』
 アナルを喜々として陵辱し、許しに耳を貸さない自分。
「こんな事をしても自分だけは、許されるのか?本気で思っているなら、随分傲慢だな…」
 泣き崩れる美由紀に対して、宗介が最後通告とばかりに、条件を出す。
「お前がいたぶった本人に聞けよ。もし許して貰えたら、この調教は無しにしてやるよ」
 美咲の方を見ると、食い入るように画面を注視していて、その表情には、一切の感情が浮いていない。
 美由紀は最後の希望とばかりに、美咲の前に行き、土下座をしながら許しを請うた。
「お願い美咲さん私を許して、今までの事は心の底から謝るし、お願いよ!私には無理なの…」
 足下に縋り付く美由紀を、無表情の美咲が見下ろす。

 美咲は、スッと右足を土下座する、美由紀の後頭部に持って行き、ユックリ足を降ろす。
「美由紀さん、貴女確か私に言ったわよね…出来る出来ないじゃない、やるのって」
 そう言うと、一気に体重を掛けて、床に押さえつけた。
 「ひぎゃ」と顔面を押しつぶされて、悲鳴を上げる美由紀に、足をどけて美咲が宣言する。
「地獄を見せて貰いなさいよ…」
 美咲の答えに、最後の望みを絶たれた美由紀は、床に泣き崩れた。
「美由紀こっちに来るんだ、それとも俺が迎えに行こうか?」
 宗介の声に、凄まじい威圧が込められる。
 美由紀は、ビクリと跳ね起き、宗介の元へと急ぐ。
 四つん這いで急ぐ美由紀は、鼻血を流していた。
 それは、先程加えられた美咲の力が、いかに強かったかを物語っている。

 美由紀は、まだ泣きながらも、正座して観念する。
 宗介が、美由紀に立つように指示する。
 立ち上がった美由紀に、パラシュートのベルトのような物を取り付け、膝の直ぐ下と足首と手首にも、拘束具を取り付ける。
 準備が整い、美由紀を座らせると調教の説明を始める。
「この調教は、最も強い恐怖心を使って、絶対の服従心を養う調教だ。だから、最初からその服従心を持っていれば、何もする必要はない」
 宗介の説明に反応する美由紀。
(何もする必要は無い?…本当?…痛い事とかされないの…)
 美由紀の顔に希望がわいた。
「美由紀。お前は、俺達に絶対の服従心を持っていると言えるか?一切の命令に逆らわず、実行できる自信があるか?」
 宗介の質問に美由紀は平伏し、
「有ります!私は御主人様の命令に絶対服従します!」
 精一杯、媚びを含んで答えた。
 宗介は、大きく頷くと美由紀の前に、長さ15p太さ3o程の大きな針を放り投げ
「これで乳首を貫け」
 何の感情も込めず、命じた。
 美由紀は、最初その意味が分からなかったが、針を持ちその先端を見詰め、自分の乳首を見る。

 そして、恐る恐る宗介の顔を見ると、宗介が大きく頷き、美由紀の考えが正しい事を認めた。
 途端に美由紀の顔が崩れ、嫌々と首を振り出す。
「出来ないのか?」
 宗介の声は、まるで出来て当然の事が何故出来ない、と問い掛けるようだった。
「無理です…」
 美由紀が小さく呟くと、宗介は美由紀の手から針を奪い取り、身体を拘束し始めた。
 体育座りの態勢にすると、太股の裏で手を抱え込ませ、手首を拘束し膝が開かないように、金具で止める。
 最後に足首の拘束具に、背中から伸びる金具を付け、丸まった状態で身動きが出来ない状態にする。
 怯える美由紀の背中に天井からクレーンが降りてきて接続する。
 宗介がボタンを操作し、美由紀を吊り上げて行く。
 顔を下に向けた状態で、腰の高さまで吊り上げられた美由紀は、これから起こる事の恐怖に涙ぐむ。
 ユラユラと揺れる美由紀はクレーンに吊られ、調教部屋を平行移動する。
「お前達も付いて来い…」
 宗介の静かな命令に、ゴクリと唾を飲み込み這い出す2人。
 宗介の行き先に見えた物に、この調教の意味を知った2人は、心からこのレベルに成らなくて良かったと思った。
 美由紀は真下しか見えないため、行き先に待ち構えてる物が見えていない。
 見えていれば、今頃暴れながら許しを請うているはずだ。

 そして、とうとう美由紀の視界にそれが入った。
 透明な大きな水槽。
 真上で止まった美由紀は、騒ぐ前に水槽へと降ろされる。
 宗介は、蛇口を捻り水を入れだした。
 美由紀は、悪い冗談を言われたみたいに、泣き笑いの顔に成っている。
 美由紀の入った水槽は、水嵩をドンドン増やす、それに沈まないように美由紀が必死に首を持ち上げる。
 水の高さは、美由紀が思いきり首を伸ばした状態の顎の直ぐ下で止まった。
 美由紀の顔は、必死に首を持ち上げているため、真っ赤に成っている。
 懸命に首を持ち上げる美由紀の目から、涙が一つ落ちると、力尽き顔が水中に入る。
 この時、美由紀が「無理です」と言ってから、初めて音が戻った。
 戻った音は、ゴボゴボと美由紀の口から流れる、酸素の泡の音である。

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