僕の転機
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■ 第2章 救いの手16

 宗介は、美由紀の前からスッと立ち上がると、奥に入って行き、小さな箱を一つ持って戻って来た。
 再度美由紀の前に、しゃがみ込むと、小さな箱を開け、中身を取り出し
「お前の服従の証だ。今は、こんな物しかないが、奴隷になるなら、それに相応しい物に変えてやる」
 そう言って、美由紀の乳首にシルバーのリングピアスを付けた。

 付け終わった後、美由紀の頬を撫でる宗介。
 この時の宗介の顔は、人の心を蕩かせるほど、優しい表情だった。
 美由紀は、恐怖に塗り込められた感情が戻ったのか、ボロボロと泣き出した。
 宗介が頭を撫でながら
「美由紀調教終了だ、残りの調教日数は7日間だ」
 美由紀に告げた。
 美由紀は、平伏すると大きな声で
「有り難うございました!これからも宜しくお願いします」
 感謝の言葉を口にする。
 その美由紀の表情を見た時、昌聖、美咲、佐知子の3人は息を飲んだ。
 美由紀の表情は、羞恥と愉悦が溶け合ったような微笑を湛え、ゾクりとする程妖しい淫猥さを漂わせていた。

 こうして初日の全員の調教が終わった。
 ソファーの周りに集まった奴隷達に、宗介が服を持ってリビングに移動するよう指示を出し、全員が調教部屋を後にする。
 通路を移動し、リビングに着くと、リビングのテーブルの上に、3つの箱が置いてあり、それぞれに名前が書いてあった。
(流石に親父さんは、仕事が速いな…)
 ニヤリと笑った宗介は、それぞれの箱を開けるように、奴隷達に指示する。
 箱を開けると、中には黒い革製の下着が入っていた。
「この下着は、俺からのプレゼントだ、調教期間中この家以外にいる時は、必ず着用しろ」
 宗介の言葉に、それぞれ手に取りマジマジと見ている。
 その下着を一目見た昌聖は、驚きの表情を浮かべていた。
(あの下着、何であれがここに有るんだ?それも3個も…)

 フラフラと一番近くにいた、佐知子に近付き
「佐知子。ごめん少し見せてくれないか…」
 手に持った下着を佐知子の返事も待たずに取り上げて、細部を確認する。
(違う!僕の見た物とは、素材も仕掛けも、仕組みも違う!遙かに発展している…)
 昌聖の様子をリビングのソファーに座りながら、ニヤニヤと見ていた宗介が
「昌聖。箱の中に備品が入っている筈だから、確認して見ろよ…」
 笑いを吹くんだ声で、話しかけた。
 その言葉に宗介の方を見て、箱の中を確認すると、自分が作ったアナルバイブが入っていた。
 それも一人ずつ、微妙にサイズを変えている。
 昌聖は、愕然とした表情を浮かべ、宗介に問いただす。
「これ、どうしたの?何で、こんなのが、ここに有るの?誰がこれを作った!教えろ!」
 最後は、腹の底から吐き出されるような、怒声に成っていた。

 昌聖には、人に言えないプライドが有った。
 それは、自分の作った仕掛けは、誰にも負けない。
 誰も真似できない物で有る、と言うプライドだった。
 それが、この下着のワンセットに粉々にされた。
 昌聖の怒声に、全く動じる事も、ちゃかす事もせず、宗介が静かに言った。
「お前の一番身近な人が、今日の調教に入ってからの2時間程で仕上げた物だ」
 手に持った淫具をジッと見詰め、肩を落とす昌聖に宗介が続ける。
「これが、俺達の組織の力量だ。興味が出たか?」
 宗介の言葉に、ユックリと頭を持ち上げ、無言で頷く昌聖。

 宗介は、ポンと大きく手を叩き、動きが固まった女達を正気に返す。
「さぁ、折角のオーダーメイドの下着だ、早々に着けてくれ」
 明るい声を上げながら、奴隷達に着替えを促す。
 ハッと、昌聖の迫力に飲まれていた奴隷達が、それぞれの下着を見詰め、着け方を考えた。
 宗介は、奴隷達が下着を着ない理由を理解して、苦笑すると美由紀を呼んだ。
「良いか着付けの方法を教えてやる。先ずブラからだ」
 そう言うと、美由紀からブラジャーを受け取る宗介。

 ブラジャーの表側は、薄手の革を何層かに分けて組み合わせており、乳房全体を根本から包み込み、理想的なラインで維持するように作られていた。
 内側には、スキンフィニッシュのような、収縮性のある柔らかな肌触りの物が使用され、乳首の部分にラバーコーティングされたキャップが付いている。
 宗介は、美由紀の乳首にキャップを嵌めると、乳房をブラジャー越しにユックリと、撫でカップを馴染ませる。
 手をストラップに通し、後ろで合わせるとカシャと小さな音が鳴った。
「何処か、苦しい所とか、緩い所は有るか?」
 宗介が聞くと、
「乳首が…その…吸われているような感じなのと…肌に粒々した物が、触っている感じ以外、特に無いです…」
 美由紀が顔を赤らめ答える。
 宗介は、満足そうな笑みを浮かべ、他の2人を見る。
 歩美の可愛らしい乳房を点検すると、微妙に両乳首をずらしている。
 カップを左右に動かし、定位置に直すと、乳首をブラの上から指で軽く叩く。
 振動が直に伝わり、眉根に皺を寄せ、無表情のまま身体を捻る。

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