僕の転機
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■ 第4章 眠れぬ奴隷達6

 再度手順を踏み直して刺激を送る事で、徐々に快感を示す美由紀の身体。
「あっ〜。そう、この動きよ〜」
 美由紀のデーターから、痛覚への刺激を考慮し始めた制御システムは、次に強弱による維持を検討し始める。
 徐々に上がる美由紀の感度、熱分布が敏感に成っている位置を示す。
 ブラジャーとショーツがその部分に刺激を送り込み、心拍数が上昇する。
「あ〜ッ、凄いこれ〜。良い!さっきと全然違う、く〜ぁ…、駄目もう、イキそう…」
 姿見の前で、腰をくねらせ蠢く美由紀。

 しかし、下着はその数値を保つように、強弱を付けだした。
「ん?あぁん?あれ〜っ…、イケ無い…、やだ〜これ、じらしてるの?」
 下着の送る刺激が、絶妙な強弱を付け出し、快感が臨界点を超えないよう、ジワジワ大きく大きく育てていく。
「はぁはぁ、だめ…気持ち良い…でも突き抜けて行かない…いや〜凄く気持ち良いのにイケ無いよ〜!」
 美由紀は、快感が強い状態で翻弄されているため、意識が朦朧とし出した。

 下着の制御システムは、最小にしても、上がっていく数値の上昇を抑えられないと判断し、快感の解放を選択した。
 美由紀の性感帯に、下着から一挙に最大の刺激が送り込まれた。
「ああああっ!ひーーーっ!」
 美由紀の喉から、高い笛のような声が出たかと思うと、糸が切れた操り人形のように、その場に昏倒した。
 美由紀の身体は、ビクンビクンと打ち上げられた魚のように跳ねている。
 痙攣は、間隔を広げながらも、いつまでも続いた。

 そして、次に襲われたのは、またも歩美だった。
 下着から送られる信号は、その時点で最も、稼働時間の少ない所に飛んで行くように成っていた。
 つまり、我慢できずにイッた者には、際限なくアクメが訪れる仕組みになっている。
 3度目の訪れは、歩美を失神から目覚めさせ、美由紀に施したように、じらしにじらしてたっぷりとアクメを堪能させた。
 佐知子、歩美、美由紀、歩美、佐知子と繰り返される下着の攻撃は、朝まで続いた。

 朝5時になり、佐知子が身体を起こす。
 その身体は、一晩続いた責めに全身が過敏になり、汗だくだった。
(駄目だわ、このままじゃ気が狂っちゃう…シャワーも向こうで借りよう…貸してくれなくても、このまま此処には居られないわ)
 そう決意した、佐知子がジーンズに長袖のTシャツと言う、ラフな格好で家を出る。

 足早に宗介の家に急ぐ佐知子。
 宗介の家に着いた時は、目の下に濃い隈を作り、汗だくに成っていた。
(着いたわ…起きて居ないのは解ってる、けど、早く気付いて!)
 必死の思いでインターホンを押す。
 すると、直ぐにスピーカーから声が流れて来た。
「扉は開いてるから、入っておいで」
 意外な対応に、驚く佐知子。
 扉を開けて、中に入ると玄関の上がりがまちに、見たことのある靴が置いてある。
(美由紀?もう居るの…)
 愕然としつつも、リビングに向かうと、美由紀が下着を含む着衣を横に脱ぎ散らかし、全裸で床に寝転がって寝息を立てている。
「いらっしゃい、美由紀は割と早く答えに気付いて、1時間くらい前に来たよ」
 宗介は、ソファーに座りながら煙草に火を付け、佐知子を見詰めている。
(答えに気付く…。何?どう言うこと?)
 佐知子が困惑しているのを見て、
「なんだ。君は、答えに気付いた訳じゃないんだ。俺は、下着を付ける時に、[調教中この家以外では]って言わなかったか?」
 宗介の言葉に愕然とする。
(この人は、私達を単純に虐めている訳じゃない!正しい答えを自分で見つけるように誘導してるんだ)
 佐知子は、確信と共に思った。

 いや、宗介によって思いこまされた。
 宗介の行った単純な心理誘導に、ズッポり嵌った佐知子。
 快感を押さえられずに、飛び込んできた美由紀。
 どちらも既に、宗介の手の中だった。

◇◇◇◇◇

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