僕の転機
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■ 第4章 眠れぬ奴隷達9

 ほぼ同時刻、リビングでは、佐知子を招き入れた宗介が、質問を投げかけてくる佐知子に答えていた。
「教えて下さい…貴男は何者で、何の目的でこんな事をするんですか?」
 質問の内容に答えず、質問で返す宗介
「君は、何のために美咲や昌聖を虐めたんだ?」
 質問を返された事に戸惑ったが、その質問に答えようと考える。
 しかし、漠然としか答えが浮かんで来ない。
 そんな佐知子を見詰め、口を開く。
「君が導き出した答えと同じとは言わないが、そう遠くない答えだよ」
 うそぶきながら立ち上がり、佐知子の方に歩き出す。

 佐知子はたじろぎ、一歩下がると
「君は、此処に何をしに来た?」
 その言葉に、後退を踏みとどまって俯く。
「顔を上げて、服を脱ぎなさい」
 キッと顔を上げ、宗介を睨み付け、何か言おうと口を開けるが、宗介の視線に圧倒され、言葉が出ない。
「服を脱ぎなさい」
 もう一度、今度はユックリと噛んで含むような口調で言った。
 佐知子の手が震え、持ち上がって行く。
 腰まで来た手は、Tシャツの裾を掴みユックリと捲り上げ、滑らかな腹、大きな乳房と晒して行く。
 頭を抜いて前に垂らすと、両方の袖も抜く。

 頭を抜く時以外、宗介の目線に縫い止められたように、目線を動かせない佐知子。
 次第に頬が赤く染まって、呼吸が速く、浅くなっていく。
 ジーンズに手を掛け、下に降ろして行くと、膝を曲げた拍子に腰が砕けたように座り込む。
 両足を抜いてジーンズを横にやると、自然と正座する佐知子。

 ハアハアと荒い息を吐き、胸まで真っ赤に染めた佐知子の目は、トロンと欲情に濁っていた。
「立ち上がりなさい」
 コクンと顎を引いて頷くと、フラフラと立ち上がり、直立する。
「こっちへ来なさい」
 覚束ない足取りで、宗介の前まで歩く。
「顔を上げろ」
 顔を上げ、正面から宗介の目を覗き込む。
「後ろを向け」
 短い命令にユラユラと回転し、背中を宗介に見せる。
 ポケットから、鍵を出しブラジャーとショーツを外す。
 外し終わると、佐知子に背を向けソファーに座り直す。
 まだ、背中を見せて、全裸で佇む佐知子に
「俺の前に来て座れ」
 クルリと、身体を回して歩き出し、宗介の前の床に正座する。

 その姿はまるで、意志の無い操り人形のようだ。
「これで解ったろ、俺が何者かって?特に、君の身体と心は、初対面で理解したはずだ」
 宗介が口調を戻し、佐知子に語りかける。
 呪縛が解けたように、目線の自由が戻った佐知子は、目線を泳がせ赤い顔を俯ける。
「はい、良く解りました」
 そして小さく呟いた。
(もう駄目だ、私はもう普通の人生は送れない…。この人に、調教されたら、きっと逆らえない…。ううん、もう既に逆らえなくなってる……)
 佐知子の心に、濃く、深く、絶望と言う言葉が広がっていく。
(やりすぎたか…。この女、腹を括っちゃたな。待てよ、そうだ昌聖に担当させるか…。それはそれで面白いな。そうと決まれば、種をまくか…)
 佐知子の心の変化を見抜いた宗介は、またも邪悪な手段を思いつき、心の中で笑った。
「佐知子。お前は、今俺達の何だ?」
 突然名前を呼ばれ、驚き顔を上げ答える。
「は、はい。私は、奴隷です」
 口の中がカラカラに乾いているのか、掠れた声で言った後、咳き込む佐知子。
「奴隷の役目は、何だ?」
「はい、調教を受ける事です」
「それだけか?」
 宗介の質問に、答えが違っていた事を理解し、新しい答えを探す
「はい。御主人様を楽しませる事です」
 宗介の顎がコクンと引かれ、新しい回答が正しかった事に、ホッと胸をなで下ろす。
「じゃ。俺は、佐知子の身体を楽しませて貰おう」
 そう言うと、顎をしゃくり、横に来いと指示を出す。
 佐知子は、素早く立ち上がり、宗介に正面を向け、ソファーに正座する。
「佐知子は、今から楽器だ。声を殺す事は許さない、快感も痛みも全て表現しろ」
「はい、御主人様」
 佐知子の返事を待たず、宗介の手が佐知子を引き寄せ、身体をまさぐり出す。
「きゃぁ!うっんっ、あ〜っ、ふ〜ん、うっ、あああっ」
 宗介の手の動きに合わせ、佐知子が声を出す。

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