僕の転機
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■ 第4章 眠れぬ奴隷達10

 宗介の手は、スルスルと滑るように動いたかと思うと、指の腹で円を描くように動いたり、掴むように動いたり、爪を軽く立てたり、爪自体で撫でたりと、バリエーションに富む動きで、刺激を佐知子の身体に送り込む
(なに、なに、なに、これ?凄い!凄い凄い!身体が訳分かんなく成っちゃう!あーーっ)
 佐知子は、その指技に翻弄され、既に全身がピンク色に染まっている。
 黙々と、佐知子の全身をまさぐっていた宗介は、佐知子の性感を解読しだし指の動きを変化させる。
 余りの快感に口を開け、声を出している積もりの佐知子だが、その口からは、呼吸音しか漏れてこない。
「佐知子、この楽器は成らないのか?ならもう終わりにしよう」
 そう言うと、宗介が手の動きを止めた。
「ご免なさい、只今、只今鳴きますので、どうか続けて下さい!御主人様!」
 必死になって手を掴み、懇願する佐知子。
 優しい笑みを浮かべ頷くと、手の動きを再開する。
(ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます……)
 何度も呪文のように心の中で唱えながら、激しい嬌声をその口から紡ぎ出す佐知子。
「気持ち良い…気持ち良いです御主人様〜、あ〜ん、いい〜っ、そこ気持ち良い〜、もっと、もっとして下さい…」
 全身を襲う刺激に、我を忘れ髪を振り乱し、身体をくねらせる。

 しかし、佐知子は朦朧とする意識の中で、一つの事に気が付いた。
 そう、快感が上り詰める事がなかったのだ。
 宗介の巧みな指使いが、佐知子を絶頂付近でキープしたまま、絶対にその一線を越えないようにコントロールしていた。
(あ〜ん、酷い。これは酷すぎるは…このままじゃ、私気が狂っちゃう…)
 嬌声を上げながら、この先自分にどう言う道が残されているかを知らされても、抗えず進むしかない佐知子。
 無言で、佐知子を狂わせる宗介は、口元にうっすらと笑みを浮かべ、指の精度を上げていく。
(イキたいのに…イキたいのに…イケ無い!お願いします、お願いします。イカせて下さい御主人様!)
 その時、頭の中で一つの道が開いた。
(そうだ、ペナルティーを覚悟して、お願いすれば良いんだ!それが正しい道なんだ!わたしのえらぶただしいみち)
 佐知子は、そうして最悪の道を選んでしまった。
「ごしゅじんさま〜お願いがあります〜」
「なんだ?言ってみろ」
 答えが分かっている宗介は、佐知子に促した。
「奴隷の佐知子をイカせて下さい〜〜」
「それは、ペナルティーだぞ。良いのか?」
「はい、構いません。はぁ〜思いきりイカせて下さい!」
 佐知子の目は、媚びと服従で、いっぱいに成っていた。
 その顔に満足した宗介が
「思いきりイカせるとなると、ペナルティーは10日だぞ?」
「何日でも構いません。お願いします、イカせて下さい御主人様〜」
 佐知子が答えた瞬間、宗介の指が激しく動いた。

 堰き止められた快感が、一挙に佐知子の中で爆発した。
(きゃーーーーっ!なにこれー!怖い!頭の中が真っ白になるーーっ!)
 全身を緊張し、ビクビクと震え伸び上がる佐知子は、まるで高圧電流を流されたように痙攣を続け、股間から大量の愛液と小便を床にぶちまけ失神した。
「これで佐知子の拘束期間は31日だ」
 誰が、聞いている訳でもないが呟き、佐知子を起こす。
 顔を張られ、名前を呼ばれて、失神から目覚めた佐知子に
「床を綺麗にしろ」
 指示すると、キッチンの方に歩いていく。
 佐知子は、身体に力が入らず床に這いつくばって、自らの体液が作った水溜まりに口を寄せ、吸い上げ、舐め取り掃除を開始する。
 時折、揺り返す快感にビクビクと身体を震わし、一心に床を舐め上げる。
 その姿は、人として生きる事を拒否する、完全な奴隷だった。

◇◇◇◇◇

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