僕の転機
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■ 第4章 眠れぬ奴隷達14

 暫く、ニチャニチャと湿った、物を咀嚼する音が響いていたが、次第にピチャピチャと舌で舐め取る音が混じる。
 段々、中身が無くなって、軽くなって来た皿を顔で追いかけ、舌を使う歩美。
 皿の中から、アナル栓を咥え、顔を上げる。

 皿の外に置いて、舐め始める。
 舌を思いっきり伸ばし、ピチャピチャピチャと舐め、口に含み舌の上で転がす。
 涎でベトベトにしたアナル栓を床に置き、皿に向き直る。

 皿の中をまた舐め出す歩美。
 延々と続くかと思われた歩美の食事は、全てを舐め取り終了した。
 歩美は、食事を始める前と同じように、餌皿の直ぐ近くに顔を寄せ正座する。
 スチール製の餌皿は、洗ったように綺麗になっていた。
「美咲。あっちで、歩美の顔と口の中を洗ってやれ」
 ビデオを向けて、美咲に命令する。
「はい、解りました。歩美いらっしゃい」
 美咲が呼ぶと
「はい…」
 美咲にまで従う歩美。

 そんな事に全く興味を示さないで、隅にある蛇口まで案内すると。
「座って目を閉じなさい」
 指示を出す。
 歩美が返事をして指示通りにすると、美咲は顔にホースを向けて蛇口を捻り、先端を摘んで水流を強くする。
 シャーと強い水流が、歩美の顔面を隅々まで撫でて行く。
 全部を洗い流した後、口を開けさせ、同じように口の中を洗う。
 時々、咽せて口を閉じるが、お構いなしに水流を当て続ける美咲。
 その目線は、まるで物を洗っていて、汚れが残ってないか、チェックするように、感情がなかった。
 歩美の水洗いが終わって、水を止めると。

 ホースを直し、ビデオを構えた、昌聖の元に戻り、二人で並んで正座し
「昌聖様終わりました」
 頭を下げて報告する。
「良し見せてみろ」
 昌聖が美咲に言うと、美咲は横に正座する歩美の顎を下から持ち、顔を左右に振って、髪を掻き上げ隠れている部分を晒し、汚れが残ってない事を昌聖に見せ、最後は左手で鼻を摘み、右掌で顎を下に押して大きく口を開けさせると、良く見えるように上を向かせ、歩美の口腔内を昌聖の目に晒した。
「良いだろう。美咲、綺麗になってるぞ」
 昌聖が褒めると、美咲は歩美から興味を失ったように手を放し、平伏した。
 その様子を、リビングでモニターしていた宗介は、驚いていた。
(この子、サディストとしても素質有るぞ…。普通、あんな無表情で、あんな事出来ない…)
 モニターに写る美咲を見詰め、驚く宗介だった。

 時計を見ると6時半をさしている。
(これからの調教計画を相談するか、美咲も物になりそうだし、手伝わせる事を考えよう…)
 インターホンのスイッチを入れ、調教部屋の3人に上がって来るよう告げると、宗介は薬箱を取り出し、妖しい薬品の中から、先程の青い錠剤と透明な錠剤を取り出した。
 昌聖達がリビングに現れると、宗介は歩美に薬を飲ませ、奥の客間のベッドに寝かせるよう美咲に指示した。
 美咲は頷き、歩美を伴って廊下に消える。

 それを見送った宗介は、昌聖に向き直り、話し始める。
「昨日の夜の段階では、どうかと思ったが…。化けたな…」
 昌聖にフッと笑いかけ、宗介が言った。
「そうかな…僕自体はそんなに感じないけど、宗介さんが言うなら信じるよ…」
 明らかに昨日と違う口調で、昌聖が語る。
「何処まで本物か、これからユックリ見させて貰う」
 宗介は、ソファーにもたれながら昌聖に告げた。
 すると、奥から美咲が戻って来て、昌聖の横に正座する。
「昌聖。今日から二人で役割を決める。昨日の夜言った通り、基本的に俺は激しく、お前は優しく調教を進める。優しくと言っても手心を加えるんじゃなく、フォローをきっちりするって意味だぞ。今のお前なら何の心配もない」
 にやりと笑い、宗介が昌聖の肩をポンと叩く。
「そして、美咲にも参加して貰う。此処にいる時は、美咲に女王様の格好をさせろ、下に衣装があるから後で着せろ」
 宗介に真っ直ぐ見詰められても、動じない強い意志を感じさせる目で頷く。

 宗介の話を聞いて、どう言った方向で、これからの調教を進めるのかを感じ取った昌聖が
「宗介さん、僕に4人の奴隷を管理させるつもりだね」
 不敵に笑いながら口を開いた。
「解ってるじゃないか。まあ、それぐらいじゃなきゃ、俺のこれからのプランには、参加できないからな」
「これからのプランって?」
 昌聖の質問に
「これが終われば話すよ。話を聞いたら、後には引けなくなるタイプの話だから、お前の肝が据わってからにする」
 含み笑いをしながら、答えをはぐらかす宗介。
「さあ、今日の調教を始めようか。じゃぁ、昌聖お前達は先に下に行って準備をしてくれ」
「うん、解った。美咲行くぞ」
「はい、昌聖様」
 美咲は、昌聖の声に恭しく返事をし、立ち上がる。

 昌聖達がリビングを出ると、宗介は立ち上がり、美由紀と佐知子を起こしに掛かる。
 二人のお尻を足で軽く小突くと声を掛け、眼を覚まさせる。
 美由紀は、涎を垂らして寝ていたのか、口の横に白い線が付いている。
 寝が足りないのか、中々開かない瞼をゴシゴシと擦っている。
 昨日の夜から、ろくに眠れなかった奴隷達の目覚めだった。

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