僕の転機
MIN:作

■ 第5章 それぞれの変化1

 宗介に起こされた佐知子は、直ぐに目覚め、居住まいを正すと正座し
「お早うございます」
 深々と頭を下げた。
(こいつ完全に奴隷気分だな、それがいつまで続けられるか…。良し、今日は精神的に追いつめてやる)
 宗介は、冷たい一瞥を向けると、
「さあ。今日は、暫くは二人の調教だ。行くぞ」
 調教部屋に移動しようとすると、佐知子が立ち上がりながら
「歩美さん何か有ったんですか?」
 聞いてきた。
「人の心配をする余裕があるとは、大した物だな。お前には関係ないが、教えてやろう。あいつは、イキ過ぎて頭がおかしく成り掛けたから、今は休ませている。当然ペナルティー付きでな」
 残忍な笑みを浮かべ、佐知子に話す。
 佐知子は、その笑みを見てブルッと震え
「差し出がましい事を聞いて、申し訳ありませんでした」
 深々と頭を下げる。
 そんな二人の遣り取りを見て、ボーとした頭が覚醒した美由紀は
(宗介さんて、奥が深い人なんだ…今まで見たタイプとは、全然違う…)
 顔を赤くして、宗介の横顔を盗み見ていた。

 二人を伴い調教部屋に着いた宗介は、そのまま調教スペースに進むよう指示し、自分は衣装部屋に真っ直ぐ進み、扉に声を掛けた。
「二人とも、用意は出来たか?」
 すると中から
「後もう少し、これ着せるの難しいんだね…」
 昌聖が返事を返してくる。
 暫くすると中から
「出来たよ。宗介さんチェックして」
 扉が開き、宗介を招き入れ得る。

 中に入った宗介は、赤いレザーに身を包む美咲の格好に大きく頷き、しげしげと見る。
 膝の上まであるピンヒールのブーツを履き、腰骨が見えるハイレグにキュッと締まった腰、胸元は大きく開き、コルセットと一体のカップは、乳房の外側半分だけを包むようなデザインになって居る。
 二の腕まで有るロンググローブに、後ろはザックリとお尻の上までカットされている、それを革紐を使い、背中の辺りで止める様になっていた。
「昌聖。お前よりによって、一番露出の多いの選んだな…」
 宗介が呆れながら言うと。
「美咲は、可愛いから、これが一番似合うと思ったんだ。なっ」
 美咲に向かって最後の言葉を言うと、顔を赤く染め身体をくねらせ。
「そんな〜、嬉しいです〜。でも、昌聖様のセンスが良いから、私に似合うんですわ」
 二人の会話を聞いて、溜息をつく宗介。
「馬鹿ップル振りは良いから。美咲、これから言う事を良く聞きなさい」
 真面目な顔になり、[はい]と美咲が頷く。
「これからは、美咲も調教に参加して貰う。そして調教スタイルは、昌聖に褒められる事を考えろ。良いな」
「それは、昌聖様にお伺いを立てて、行っても良いんでしょうか?」
「最初のうちは、そうなるだろう。本当は、打ち合わせ無しでやるのが理想だ」
 暫く考えていた美咲は、
「解りました、やってみます」
 大きく頷いた。
「上手くできたら、ご褒美を上げるからな」
 昌聖が美咲の頭を撫でながら言うと
「絶対頑張ります!」
 主人の言葉に、必要以上に気合いを入れる美咲。
「よし、奴隷達が待っている行くぞ」
「うん」
「はい」
 3人が扉を開けて出て行く。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊