僕の転機
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■ 第7章 奴隷達の思い8

 目の前にいる、5人はボロボロの服を纏った、ホームレスだった。
「お嬢ちゃん…おじさん達をからかって、楽しいか?」
 一人の男が怒気を含んで、言葉を返す。
 すると、回りをぐるりと囲むように、ホームレスが移動した。
 歩美の持つセンサーは、この5人が全て対象者だと、通知する。
「待ちなよ厳さん、普通の人に手を出したら、お上に目を付けられちゃうって…」
 小柄な中年が、怒気を含んだ壮年の男性をなだめる。
 歩美の目の前で、2人のホームレスが言い争いになった。
 歩美は恐怖で硬直していると、後ろの方から、別の男が声を掛ける。
「厳さん両さん、どうやらこのお嬢さんの言った事は、本気みたいですよ…。ほら首を見て」
 その声に、2人のホームレスは、歩美を見る。

 歩美の首を見て理解した2人は、
「ほー…。これは、お客様だったのか…」
「何だ、普通の人かと思ったじゃないか…。で、あんた誰の奴隷だ?」
 ホームレス達は、あっと言う間に態度を変えた。
「おいみんな。どっかの金持ちが、変態女を恵んで下さったみたいだぜ。久しぶりの女を楽しもうじゃないか」
 厳さんと呼ばれる男がそう言うと、歩美を囲む輪が縮まる。
(いや、いや、いや、いや)
 歩美の思考は完全に停止している。
 身体を縮め、ガクガクと震える。
「お嬢ちゃん…。俺達の何が欲しいと言ったっけ?」
 厳さんが、黄色い歯を剥き出し下卑た笑いを浮かべ、歩美に聞いてくる。
 涙を浮かべ、恐怖に引きつり、嫌々をしながら、後ずさる。
 股間と乳首の振動は、最大になっているが、歩美は恐怖に縛られているため、感じていない。
 後ろにいた、首輪に気が付いた青年が、歩美の肩を抱き。
「捉まえた。ほら、ちゃんとしなきゃ、御主人様に叱られるんじゃないの?」
 歩美の耳元で囁いた。
(そうだわ…。叱られる…。罰を与えられる…。でも…、無理…。こんな人達…、出来ないわよ…)
 「さあ、もう一度言ってみなよ…。俺達の何が欲しいんだ?」
 厳さんが、歩美の正面に立ちながら、目を覗き込んで、聞いてくる。

 この時、歩美の精神が少しでも平静なら、有る事に気が付いたはずだった。
 何故、自分を取り囲むように5人が散ったか?何故、この厳さんは、歩美の言葉を求めるのか?何故、首輪を見て直ぐに奴隷と判断したのか?
 そして、何故センサーを持った、同じような姿をした人間が、固まって密談していたか?
 そう、彼らはホームレスなどでは無く、宗介の組織の構成員だった。
 しかし、歩美にとっては、あずかり知らぬ事のため、ホームレスに蹂躙されているのと、何ら変わりないのであった。
(確保してから、そろそろ3分か…。始めるぞ)
 後ろから捉まえていた青年が、4人に目で合図を送る。
 一連の動作の中で、それぞれが頷く。

 歩美を広げた段ボールの上に寝かせると、一人が手を押さえ、一人は足を組み敷き、一人は胸の上に跨った。
 残りの2人は、立ち上がり、辺りの警戒を行う。
 下半身に取り付いた、青年が
「おー!このお嬢ちゃんノーパンだぜ…。本当に変態なんだ」
 言葉による陵辱を始める。
「お前よ〜。こんな服着て、首輪して町中歩く女が、まともな訳ねえだろ」
 胸の上で厳さんが言う。
「それもそうか。じゃぁ、早速入れさせて貰うかな」
 青年が、歩美のオ○ンコにチ○ポを当てがうと、歩美は狂ったように身を揺すり。
「いやーーー!止めてーーー!私まだなんです!下は、両方とも処女なんですー!だから…それだけは許して…」
 必死に懇願する歩美。

 動きを止めた青年は、歩美に声を掛ける。
「じゃぁ、どうやって君は、僕達の精液を搾り取るつもりなんだ…」
 青年の声は、穏やかな物に変わった。
「あ、あの…手と口でお願いします…」
 歩美は、それだけを必死に答える。
 3人の男達は、歩美を解放した。
 歩美は、段ボールの上に正座すると、お願いしますと頭を下げ、正面にいる厳さんのチ○ポを咥えた。

 右側に両さん、左側に青年が立つと、両手を使いしごき出す。
(何か…忘れてる…気がする…。でも…、早く…、早く終わらせなきゃ…)
 歩美は、完全に調教の趣旨を忘れている。
 必死に顔を動かす歩美だが、フェラチオの経験が全くないため、稚拙以外の何者でもない。
 厳さんが、堪りかねて歩美に罵声を浴びせる。
「へたくそ。お前、人に奉仕とかした事ねえのか?こんなので、イケる男なんて何処にも居ねえぞ!全く、躾の成って無いゴミだお前は!」
 厳さんが、口からチ○ポを引き抜き、怒声を上げ、ビクリと怯える歩美。
「全く!こっちもそうだ!痛いだけじゃねえか!俺達ゃ物じゃねえんだ、力任せに擦るんじゃねえ!屑だお前は!」
 右側の両さんも手をはたき落とし、怒鳴る。
「本当に、これは最低だね…。これだったたら、まだ犬にでもされた方がましだ…」
 左側の青年も手を解いて、呟く。
「す、すみません…」
(私、こんな人達にも認められない存在なの…。こんな人達にも、蔑まれる…)
 最下層だと思っていた人間達に、罵倒されゴミ扱いをされた歩美は、さらに深い自己否定に陥った。
(だめ…。このままじゃ…、私本当に…、何の価値も無く成ってしまうわ…。せめて…。せめて、今の位置から下がらないようにしなくちゃ…)
 歩美は、自分の心のバランスを取るために、自分の今の位置を認めてしまった。
 最下層の奴隷という位置を。

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