僕の転機
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■ 第7章 奴隷達の思い10

 非常階段から出た美由紀は、次の獲物を探す。
(居た、今度は初対面だ、この人が佐知子と会っていなければ、確実に一人をつぶせる)
 美由紀は、出前を運ぶ一人の青年に近づいて行く。
 美由紀が作戦を変えた、1時間後。
 佐知子は、そのポテンシャルを十二分に発揮していた。
 佐知子の誘い方はストレートだった。
 センサーが反応すると正面に回り、スカートのスリットをたくし上げ、股間を晒し
「ねぇ、私を鎮めて…」
 一言囁く。

 ここまでで、8割の男が落ちていた。
 さらに、落ちない男には、奴隷の身の上話をして落とす。
 実に単純で効果的な方法を取っていた。
 しかし、佐知子は、焦っていた。

 ターゲットが、現れないのである。
 反応しても、以前に合った男ばかりであった。
(おかしいわ…相手が現れないなんて…50人居るはずよね…私はまだ30人しか合ってない…)
 そんな事を考えながら、歩いていると、一人の男と擦れ違い驚愕する。
(今のは、以前会った人…でも、センサーが反応しない)
 佐知子は、身を翻し男を追った。
「すいません…。すいません!」
 男を呼び止めると、振り返った。
「あっお姉さん、もう一回してくれるの?さっきの子が濃厚だったから、精液出るかどうか判らないけど良い?」
 男の言葉とセンサーの反応で、大方の予想は付いたが、佐知子が質問する。
「これぐらいの大きさの箱を、持っていた筈だけど、どうしました?」
 男に聞くと、
「ああ、何に使うか分かんなかったから、さっきの女の子に上げて来たよ」
 男は、それがどうしたの、と言う顔で答える。
(美由紀…遣ってくれたわね…そこまでして勝ちたいの…私も、負ける訳にはいかないわ…私には理由がある…)
 妙にテンションの上がった、佐知子に驚き、スゴスゴと離れていく男。
(見てらっしゃい!意地でも勝ってやる!)
 佐知子ラスト1時間の、スパートが始まる。

◇◇◇◇◇

 その頃歩美は、公園の隅のホームレスの段ボールハウスに居た。
「ほら、もっと舌を使って絡めるんだよ、この能なしの愚図が!」
「何度言ったら判るんだ、掌はひよこを掴むように優しく、指先は形を整えしっかり持て、馬鹿女」
「だめだめ、もっと指先はしなやかに動かす。こんな事も出来ないなんて、存在する資格もない…」
「もっと、腰を押さえつけて、しならせるように振るんだ、ちゃんと押さえ込まないと、はずみでオ○ンコに入っちゃうぞ」
 一人増えた先生は、歩美の足の下で股間を晒している。
 歩美は、口と両腕、それと股間を使って、奉仕のレクチャー中だった。
(はぁはぁ、まだ誰もイッてくれない…。ごめんなさい…。一生懸命頑張ります…。だから…、見放さないで…)
 最下層の住人に奉仕し、侮蔑を浴びせられ、しかも一度も満足させられない事に劣等感が爆発寸前の歩美。
「ほら愚図。舌の使い方が悪いって、何度言ったら判るんだ…。お前は、本当に役立たずだな!」
(私は役立たずじゃない!…でも、少しも出来ない…)
「ほら、もっと優しく擦るんだ。この、能なしの馬鹿牝」
(私は能なしの馬鹿牝じゃない!…でも、言うとおりに出来ない…)
「優しく、優しく指先を使って撫でるんだ。痛、爪を当てるんじゃない。君の存在意義を疑うよ本当に…」
(私は…、存在しても…良い?…だめ?…)
「ほら、もっと腰を密着させて、円を描くように小刻みに…。お前みたいな奴の処女に何の価値がある…」
(私の処女には…。価値が………)
 歩美のプライドは、既にズタズタに引き裂かれていた。

 その瞳には、今までの強い光は無く、白く濁った膜が張って有るようだった。
 青年が、歩美の左手を払いのけ立ち上がる。
 歩美は、払われた手を元の位置に戻し、無心に男のチ○ポを探す。
 青年は、見張りの男と変わり外に出る。
 ポケットの中から、無線機を取り出すと、表情を変え連絡を始める。
「マスター、bS6です。例の少女ですがそろそろ限界です。はい。はい。いえ、まだ誰も射精してません。はい、判りました。仰せのままに。では」
 無線を切った、青年は目を閉じながら一つ溜息を吐き、目を開く、そこに表れた表情は、確かにサディストの顔だった。
 青年は、小屋の中に入り全員に指示を出す。
 それは、歩美にとって、とても残酷な指示だった。

◇◇◇◇◇

 美由紀は、2人の青年の相手をしていた、一人の青年は床に座り、アナルを犯しながら美由紀の乳房を揉みし抱き、もう一人の青年は、美由紀の頭を掴んで強制イラマチオをしている。
 グポッ、グポッと美由紀の喉を犯しながら、青年は美由紀の存在を侮蔑する。
 グニグニと背後から美由紀の乳房を変形させる青年は、美由紀のいやらしさを褒め称える。
 美由紀は、小刻みに屈伸しながらアナルでチ○ポをしごき、唇を締め、言葉責めに酔う。
(この人達は、わざとこうしてるの…。どちらか止めて…、じゃないと私…)
 口を使っている青年は、ズボンのポケットにセンサーを入れているため、まともにクリトリスのキャップが最大振動を送り込んでいる。
 背後の青年は、逆に胸ポケットに入れているため、両方の乳首をキャップが最大振動で嬲る。
 快感が溢れて、朦朧とする美由紀の頭を、青年達の言葉責めが掻き回す。
「こんな格好で、他人の精液を漁れるなんて、どんな神経してんだか。まったく淫乱にも程がある」
(そうよ、私は元から淫乱だったの…。ただ、相手が居なかっただけ…)
「でも、こんな綺麗な身体、物に出来る奴が羨ましいぜ」
(この身体は、御主人様の物…。この心も…御主人様…)
 その時、美由紀の中で何かが閃いた。
(今、ちらって感じたの何…?あん、こいつら邪魔…。集中できない…)
「お前みたいな奴は、主人の命令だったら、何でも聞くんだろ?本当どうかしてるよ」
(そう、御主人様の言う事は絶対!奴隷はそれに身を委ねるのが当然…。当然?…違うもっと別の言葉…)
「お前みたいな、女の存在意義は、主人に尽くす事なんだろうな」
(存在意義!奴隷の存在意義は、ご主人様に仕える事。絶対服従のぶれない気持ちで、自分の心を動かさない事!)
 美由紀の中で、今までバラバラだった物が一つに繋がっていった。
 美由紀の目からポロポロと涙が溢れ出した。
 驚いた2人の青年は、目配せをして同時に発射した。
 お掃除フェラもそこそこに、青年達は立ち去って行った。

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