僕の転機
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■ 第9章 新たな日常3

 しかし、佐知子は気付いていない、自分の思い描く事が、過去の日々の再開になる事を。
 只違うのは強制ではなく、隷属で行うと言う点だった。
「佐知子…。私お風呂に入るわね…。色々考えてたけど…、少しこんがらがって来た…」
 勉強には強い美咲の頭も、理屈を整理するのは難しいようで、頭を押さえバスルームに入って行く。
「あっ、はい。私も後でお借りしても宜しいですか?」
 佐知子の声に[良いわよ]とバスルームから声が響く。
 お湯を溜め戻って来た、美咲はまだ考え中だった。
(要は、バランスが大事なのよね。完全に調教をすると…、昌聖様の楽しみを奪う…。だから、心がけ程度に留めれば…。良し、そうしよう…)
 美咲が方針を打ち立て、佐知子の前に立つ。
「佐知子は、昌聖様の奴隷に成りたいのよね?」
 唐突に美咲に聞かれて、戸惑いながらも頷く佐知子。
「その為には、何が必要か解る?」
 美咲の質問に、少し考え答える。
「奴隷としての気持ちとか、覚悟みたいな物ですか…?」
 佐知子の答えに首を振り、美咲がゆっくり話し始める。
「違うわ。それは、有って当然の物。私の話をして上げる…。こっちに行きましょ」
 ダイニングの椅子に腰掛け、自分が目覚めた時の事を、語り出した。

 処女を捧げた所で、佐知子が口を挟む。
「じゃぁ、美咲様は…。昌聖様の初めての人なんですね…。羨ましいです…」
 佐知子の言葉に、美咲が注意する。
「そんな気持ちは、必要ないの。私達は、昌聖様に嫉妬とか願望の感情を、向けては駄目。只、仕える事を考えるの…」
 美咲の静かだが、ハッキリとした口調に身体を縮める佐知子。
「はい、すいません。以後気を付けます…」
 頭を下げ、詫びる佐知子に話を続ける美咲。

 そして、両方の処女を捧げた後の話しに成った時、お風呂が沸いた。
「佐知子…。このまま一緒に入りましょうか」
 美咲が佐知子に提案すると
「良いんですか!はい、是非ご一緒させてください」
 跳ね上がるように、立ち上がった。
 佐知子は、急いで洋服を脱ぎ出す。
 目の前にさらけ出される、佐知子の豊満な身体を見て、美咲が有る事を思いつく。
 ダイニングで全裸になった、2人の美少女は、そのままバスルームに入って行く。

 美咲のマンションの浴室は、元々家族用に設定されているため、2人でも充分入れる広さだった。
 バスタブに浸かった美咲は、佐知子を呼び向かい合って浴槽に入る。
 そして、美咲が続きを話し出す。
「私が、それに気付いて、お届けする迄の態度は、今思い出しても涙が出るわ…」
 美咲の言葉に青い顔をして、頷く佐知子。
「私なら、落ち込んで思考停止してたと思います…。とても、美咲様みたいに、直ぐに気付く事なんか…、出来なかったと思います」
 佐知子は想像しただけで、震えていた。
「そして、私は昌聖様の許可を得て、奴隷に成れたの…。ここまで話したら、何が必要か解ったわね」
 美咲の言葉に、コクンと頷き美咲を見詰める。
「アドバイスするから、佐知子も書いてみる?訂正や加筆だったら望みは、繋げられるけど…。拒否されたら諦めなきゃ成らないのよ…」
 美咲の申し出と、その後の結末に唾をゴクンと飲み。
「お願いします。私も、中途半端で居るのは辛いです。拒否されたら、その時は…二度と人を慕いません」
 佐知子が決意を口にする。
「そう、そこで私のアドバイスだけど…佐知子の大きな武器を使うのはどう?」
 美咲のアドバイスに戸惑う佐知子。
「武器…ですか?何処にそんな物が…」
 佐知子の言葉にクスクスと笑いながら
「これよ、これを契約用紙にするの。保存は、デジカメで撮って、プリントアウトすれば良いのよ」
 そう言いながら、佐知子の豊満な乳房を掴む美咲。
「奴隷に相応しい格好になって、身体全体に奴隷契約書を書き込む…どう?」
 美咲のプランを、想像する佐知子。

 佐知子の身体の奥から、ジュワっと愛液が溢れ出し、お湯に溶けてゆく。
 頬を赤く染め、慌てて俯き、湯船の中であった事に胸をなで下ろし、美咲に依頼する。
「それで、お願いします…美咲様が、書いて下さるんですよね…」
 佐知子の言葉に、美咲は笑いながら
「私じゃなきゃ書けないでしょ…。それに、私の発案だからセッティングはするわ」
 そう言うと、湯船から立ち上がる。

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