僕の転機
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■ 第9章 新たな日常9

 昌聖はズボンを直しながら、時計を見る。
(ここまで40分か…少し急ぐか…)
 佐知子が来る時間を逆算し、歩美への責め手を早める。
「歩美、入り口の鞄を持ってこい」
 命令を受け、四つん這いでお尻を振って移動し、鞄を咥えて戻ってくる。
 鞄を受け取った昌聖は、中身を取り出す。
 鞄の中身は服従調教のセットと、幾つかの拘束具だった。
 それを見た歩美は、ガックリと肩を落とし、項垂れる。
(ああぁ〜…。また、私の心の中に刻ませるのね…。自分の立場を…)
 昌聖の意図を察した、歩美は命令前から、その道具を着けやすいように、身体を動かす。

 全ての器具を付けた後、昌聖は手首と膝に拘束具を付け、両手両足に50pくらいのバーを取り付けた。
 そして、鞄の中から銀色の警棒型スタンガンと、鞭を取り出す。
 歩美はその鞭を見て、今日一番のリアクションを取った。
 大きく見開いた目、食いしばった歯、ガタガタと震える身体は、完全に恐怖を物語っている。
 昌聖が取り出した、鞭は長さ1m程のショートウィップと呼ばれる物で、それなりに扱いが難しい。
「どうした?宗介さんから、歩美はこれがお気に入りだと聞いて、持って来たんだけど…」
 昌聖の言葉に、震える身体を平伏し
「お願いします…。何でもします…。それだけは…、それだけは勘弁してください…。お願いします御主人様!」
 歩美は、これ以上無いと言うぐらいの悲痛な声で、哀願する。
 そんな歩美に昌聖が優しくなだめるような声で
「これがそんなに怖いの?歩美…。良し解った…、大丈夫だよ…」
 歩美の目を覗き込み、安心させて続ける。
「打たれなければ、良いんだから…」
 歩美の安堵の表情は、絶望に変わる。

 そして昌聖が次に出した物を見て、歩美の目の前が真っ暗に成った。
「ちゃーんと、お薬も、持って来たからね」
 昌聖の手に持たれていたのは、ピンクの軟膏チューブだった。
(もう、駄目…耐えられ無い…あの痛みを…死んでしまいたい…)
 歩美の追いつめられた表情を、確認して昌聖が口調を変える。
「今、死にたいと思っただろう…?僕達は、2人ともそう思って生きてきた…」
 昌聖の声にハッと顔を上げ、目を見れずに俯く。
「今の気持ちを忘れず、罪を償え」
 昌聖は、鞄にショートウィップと軟膏チューブを片付けると、いつもの一本鞭を取り出し、椅子に向かった。
(許してくれたの…?こんな私に…、また情けを掛けてくれたの…?反省します…。お許し下さい…、御主人様)
 深い反省と心の中からの謝罪を浮かべ、歩美は昌聖に感謝する。

 椅子を入り口の前に持って行き、腰を下ろした昌聖が、歩美に指示する。
「コースは、生徒会室1週だ。机の裏を回って帰ってこい。始めろ」
 昌聖の指示に、ガチャガチャと金具を鳴らして、歩美が四つん這いを始める。
 昌聖の前に来て、言葉を待つ。
 肩に鞭を打たれ、[遅い]と叱咤される。
 昌聖から指示を貰い、そのとおりに実行し、決められた言葉を言う。
 何度も何度も繰り返し、行われる調教。
 そんな調教も、30分ほどで様子が変わってきた。
 歩美のオ○ンコから愛液が溢れ出し、内股を伝っている。

 そんな変化に気付いて、数分が経つと、歩美の声は興奮で震えだした。
「服従のポーズで、奴隷の依頼だ」
 昌聖の言葉に、仰向けになり拘束具で、開きにくい股間をそれでも広げ、さらけ出し。
「この身体も…精神も…人権も…私の所有する全ての物を…差し出す代わりに御主人様が飽きられる迄は…生涯を掛け私を最下層の奴隷として躾てください。はぁ〜ぁん…御主人様の命令であれば…いつ何処であろうと使って頂ける事を…最大の喜びとしていますので…何処の穴にでも精液や体液や異物…御主人様の望まれるどんな物でも…お入れ下さい…はぁ、はぁ…んっくぅ〜っ」
 歩美は身体をワナワナと震わせ、全身を赤く染めて、感じている。

 服従のポーズのまま、主人の[良し]の声を待つ歩美は、最下層の奴隷という立場に酔いだした。
 [よし]の言葉を告げた昌聖は、この変化をどうするべきか考え、有る一つの結論を出す。
 1週回ってきた、歩美に昌聖が掛けた命令は、
「僕の腕の中で、奴隷の心構えだ」
 昌聖の行った事が、一瞬理解できなかったが、広げた腕を見て、その中に飛び込む歩美。
「歩美は御主人様の所有物としてのみ存在を許されています」
 言葉の途中で歩美の唇を覆い、歩美の口の中に指示を送る。
「このまま続けろ、そしてその言葉を刻み込め」
 歩美は潤んだ瞳を、閉じると[はい、御主人様]と呟き、続きを昌聖の口の中に送り込んだ
「この身体に与えて頂ける全ての苦痛、羞恥、傷痕に快感を持って感じる様になりますので、お気に召して頂けたら、お情けとして御主人様の体液をお恵み下さい。それを、頂けるのを無上の喜びとしてお仕えさせて下さい」
 歩美の目から、ボロボロと涙が溢れる。

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