僕の転機
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■ 第10章 究極の飴と極限の鞭5

 リビングのソファーに、昌聖が腰を落ち着ける。
 昌聖は、佐知子のリードを佐知子の目の前に放ると、佐知子はそれを咥え困った顔をする。
 そんな佐知子に、頭を横に振り溜息を吐く。
 昌聖は、美咲のリードを同じように放ると、美咲はその端を咥え、クルリと反転して四つん這いでキッチンに走り去り、飲み物を取って戻ってくる。
 キッチンに向かった美咲は帰りは、2足歩行でリビングまで戻り、昌聖の前に来ると正座して、プルリンクを開け捧げ持つ。
「少しは、お前も考えなさい」
 佐知子に言うと、美咲の捧げ持つ、アルミ缶を手に取り、一口飲んで脇に有るサイドテーブルに置く。
「美咲。罰は考えたか?」
 昌聖の質問に、
「はい昌聖様、考えました」
 平伏して答える。
「じゃぁ。その道具を持って来い」
 昌聖が言うと、[ハイ]と返事をしリビングの隅にある、テーブルまで行き、鞭を咥えて戻って来て、昌聖に差し出す。
「鞭打ちか…数は?…」
「昌聖様のお許しを頂けるまで、永遠に…」
「100でも、1,000でも、構わないと言うことか…」
「はい。私の望む事は、昌聖様のお怒りが晴れ、お側にお仕えする事をお許し頂く事だけです…」
 美咲の殊勝な態度に頷くと、鞭を肩に担ぎ
「準備だ…今日は尻を的にしてやる」
 昌聖の言葉を受けると、美咲はクルリと尻を昌聖の方に向け、上半身は平伏したままで、膝を伸ばしお尻を突き出す。

 その時、ガクガクと震えていた佐知子が、昌聖に訴える。
「昌聖様!その罰を、私も一緒に受けさせて下さいませ!」
 佐知子が、昌聖の足下に縋り付き懇願する。
「お前が罰を?何でだ?」
 昌聖は佐知子の踞る頭上から、質問を投げ掛ける。
「私が…私が悪いんです!美咲様にお願いして、昌聖様の歓心を引こうとした…私のせいなんです!」
 佐知子は、大粒の涙を流し、昌聖に訴える。

 昌聖は、そんな佐知子を足蹴にし、突き放すと
「美咲…お前が罰を受けるのは、佐知子の事が原因だと思うか?」
 昌聖が美咲に聞いた。
「いいえ違います。私が、罰を受けるのは、昌聖様に黙って行動を起こした、不遜からです。佐知子お願いだから、邪魔をしないで!」
 そう言いきる美咲は、罰を受ける姿勢からピクリとも動かず、佐知子を制する。
「佐知子、お前が自分のせいだと思うなら、美咲を見習え…。それが、唯一美咲に対する謝罪の方法だ…。奴隷としての美咲の生き方を真似ろ」
 静かに昌聖は言い放つと、美咲の丸い桃を思わせる、抜けるような白さの尻に、赤い筋を刻み込む。

 ビシーッ「昌聖様出過ぎた事を致しました、お許し下さい」謝罪する美咲。
 バシーッ「昌聖様との契約を蔑ろにしてしまいました、お許し下さい」
 ピシーッ「不心得者を厳しく躾けて下さい」
 ビチーン「考えの足りない、奴隷ですが今暫くお側に仕えさせた下さい」

 何時までも続く打擲、それに続く美咲の謝罪。
 無数に増える、お尻のみみず腫れ。
 佐知子は、そんな光景を大粒の涙を流しながら、凝視している。
 50発ほど打ち据えられた、美咲の膝が、ガクガクと揺れ出した。
「何だ?まだ、50程しか打ってないぞ…。もう限界か?」
 昌聖が手を止め、美咲に質問する。
「いえ、大丈夫です。お見苦しいところをお見せして、申し訳ありませんでした」
 美咲が謝罪すると、グイッと尻を突き出す。
 佐知子は、もう瞬きも出来ずに、美咲の罰を見詰める。

 美咲の尻に鞭を走らせる昌聖。
 自分の行動をあらゆる、言葉で詫びる美咲。
 美咲の美尻が余すところ無く、真っ赤に腫れ上がる。
 所々では皮膚が裂け、血が流れている。

 苦鳴を上げず、謝罪のみを口にして、罰を受けた美咲を昌聖が許す。
「今回は、これで許してやる…。暫くそのままで居ろ」
 昌聖は、佐知子に視線を移さずに
「佐知子!そこの隅から、薬箱を持って来い!」
 初めての命令を佐知子に下す。
 佐知子は、意味が解らず右往左往する。
 そんな佐知子に、昌聖は鞭で右隅の棚の横に有る、薬箱を指す。

 佐知子は、箱を確認し急いで取りに行き、戻ってくる。
 昌聖は、佐知子から箱を受け取ると、中から手術で使う、薄いゴム手袋を両手に嵌める。
 そして、ピンクの軟膏チューブを取り出すと指先にすくい取り、美咲のお尻に塗りつける。
「ヒーーッ!ンーッ…クッ」
 その日初めて、美咲の口から悲鳴が上がった。
 昌聖は、薬を塗り終わると美咲に
「こっちを向け美咲…」
 美咲の表情は、苦痛に歪み脂汗を流している。
 手袋を外し、裏返して丸めナイロン袋に入れ、空気を抜き終わった後、固く口を縛って棄てる。

 昌聖は、浅くソファーに腰掛けると表情を一変させ、微笑みを浮かべた。
「おいで…。美咲…」
 両手を広げ、美咲を優しく誘う。
 美咲の表情は、緊張が見る見る崩れ落ち、ボロボロと泣きながら
「ま・ざ・ぎ・よ・ざば〜」
 昌聖の胸に飛び込み、抱きつく。
 佐知子は、その美咲の変わりように、目を点にして、口をポカンと開ける。
(えっ!何…?あの、燐とした美咲様は…、何処に?…えっ)
 佐知子の表情に、美咲の頭を優しく撫でる昌聖が答える。
「どうした、おかしいか?お前達は、僕の所有物で何をしようと勝手だが、同時に宝物でもある。罰を耐えた褒美に、労いを掛けても可笑しくないだろ?」
 クスクスと笑いながら話す。

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