僕の転機
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■ 第10章 究極の飴と極限の鞭6

 コクコクと頷き、羨ましそうに眺める佐知子。
「お前も、この後の態度いかんでは、こう言う事も許可してやるよ…。これが僕の目指す、奴隷の飼い方…。究極の飴と極限の鞭」
 そう言いながら、美咲の背中から肩までを、頭を撫でながら優しく愛撫する。
 その状態で、30分ほど経つと
「よし、そろそろ洗い落とすか…。余り置いておくのも良くないからね」
 そう言うと、美咲を床に下ろし、リードを持って立ち上がる。
「佐知子風呂だ…」
 昌聖が佐知子の方を向いて言うと、佐知子はリードを捧げ持ち、昌聖に渡す。
 2匹の奴隷を引きながら、昌聖は浴室に向かった。
 浴室に入ると、美咲のお尻の状態を確認する。
 美咲のお尻は薬が白くかたまり、膜を作っている。
「美咲痛みは、どう?」
 昌聖が優しく問うと
「はい…今は少しヒリヒリするだけに成りました〜」
 美咲が甘えた声で、昌聖に擦り寄る。
 昌聖の軽く持ち上げた手に、顔を押しつけ、猫のようにゴロゴロとじゃれつく。
 昌聖は、美咲のお尻に温度をぬるめに調整した、お湯を掛けて薬を落とす。
 驚く事に美咲の腫れ上がっていたお尻は、元の白さに戻り、裂けていた皮膚も塞がっていた。

 佐知子の驚きに、表情を戻した昌聖が説明する。
「驚いた?これは、宗介さんの組織が開発した、治療薬で驚く程の速さで、傷を再生させる。副作用も半端じゃないけどね…」
 佐知子が副作用と聞き、後ずさり掛ける。
「大丈夫。一度空気に触れて、酸化したら効果は、そこまで発揮しないから」
 昌聖が白い粉状に成った、美咲のお尻の薬を指差す。
「それに、副作用と言っても、健康な部分に塗ったら、肌がボロボロとめくれるのと、熱いお湯に浸かったみたいな、痛みが有るだけだから」
 美咲のお尻から、薬を完全に洗い落とすと、昌聖は2人の首輪を外し
「さっ、ここからは楽しませるんだぞ…」
 2人に笑いかける。
「はい、昌聖様!」
 ニコニコと笑顔を返して答える、美咲と佐知子。
 昌聖がしゃがんでいた身体を起こすと、美咲が手桶を持ち昌聖に掛け揺する。
 佐知子は、素早く湯船の中に入り、自分の位置を調整する。

 昌聖が湯船に入り、佐知子の足の間に腰掛けると、頭を佐知子の乳房に預ける。
 佐知子は、膝を持ち上げ昌聖の腕置きにすると、後ろから肩を揉み始める。
 美咲は、昌聖の前面に覆い被さり、乳房を押しつけ手で愛撫を始め、首筋に舌を這わせる。
 美少女2人の間に挟まれ、奉仕を受けながら入浴する昌聖は、満足気だった。
(これ…楽しい…。ううん、嬉しいのかな?…こんな気持ち初めて…前にお風呂に入れて貰った時なんて比べ物に成らない…)
 佐知子は、昌聖の後ろでニヤニヤと、相好を崩している。
「佐知子どうした?何か可笑しいか?」
 昌聖が後ろも見ずに、佐知子の様子を指摘する。
「え?どうして…」
 佐知子が笑っている事を、何故知られたのか不思議に思うと
「僕の背中が触れてる佐知子の呼吸と、首に伝わる鼓動で佐知子が、リラックスしている事を教えてくれる。後は想像力だよ」
 美咲の愛撫を制し立ち上がると、佐知子を振り返りニッコリ笑い
「それぐらい解らなかったら、宗介さんには到底追いつかない」
 右手を美咲、左手を佐知子に差し出し、昌聖が言った。

 佐知子は、その笑顔に心を射抜かれ、頬を赤く染める。
(この方を選んで良かった…。本当に今、佐知子は幸せです。昌聖様ずっとついていきます…)
 佐知子は、目を潤ませ、昌聖の手を取る。
 そんな佐知子を、美咲が見詰めていた。
 佐知子は、その視線に気付くと目を合わせる。
 美咲は、ニッコリ笑ってコクンと頷く。
 佐知子は、泣きそうになった。
(自分の居場所…。ここは、私の全てを晒しても構わない…。唯一の楽園…。自分の欲望も、過去も、何もかも受け入れられ、存在を許された場所…。あぁ…)
 佐知子は、心を満たす暖かい物に力が抜け、腰が砕けそうになり、ガクガクと震える。
 昌聖は、そんな佐知子を見詰め、美咲に目配せすると、美咲は佐知子の背後に回り腰を抱き、昌聖は両手で佐知子を引き上げる。
「こら、世話が焼ける奴隷だな…。美咲にも礼を言いなさい」
 昌聖が軽くたしなめると、佐知子はすいませんを連発して泣きながら、感謝の気持ちを口にする。

 軽く汗を流し、そのまま3人は風呂場を出る。
 身体を拭いてリビングに戻ると、昌聖は床に直に座り、背中をソファーに預ける。
 昌聖が飲み物に手を出そうとすると、
「佐知子。新しいのを、お持ちしなさい」
 美咲が放置していた缶を自分の手に持つ。
 佐知子が新しい飲み物を昌聖に持って来たのを確認すると、美咲は昌聖の飲み残しを美味しそうに飲む。
 それを見た佐知子は、頬を膨らませ美咲を拗ねた目で見詰める。
(私も昌聖様の飲みさし、欲・し・いーっ!)
(これは、私の物…。上げないわよ)
 女の戦いをクスクスと笑い、飲み物を口にした昌聖が佐知子の顔を引き寄せ、口移しで与える。
 佐知子は、ウットリとした表情で飲み物を嚥下する。
 美咲は、打ち拉がれた表情でガックリと肩を落とす。
 昌聖は、佐知子を放すともう一度口に含み、次は美咲に与える。

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