僕の転機
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■ 第12章 落胆1

 美由紀が注文したピザが届き、宗介の家のリビングでは、美少女達の笑い声が響く。
「え〜っじゃぁ。美咲姉様…、昌聖様にオシッコされたんですか…」
 美由紀が、美咲の話しに入り込んで質問する。
「そうよ…ビックリした? でも、あれだったら何回でもして欲しいと思うわよ…。それぐらい感じる」
 美咲が、昌聖に黄金浣腸されたときの感想を話す。
「でも、その後入れられた、自分のオシッコの時は、ちょっと…」
 ペットボトルに向けての放尿と、その小便を再び自分の体内に入れられた経験は、佐知子にもなかった。
「こうやって聞いてると、昌聖様のやる事って結構酷いですよね…」
 美由紀が呟くように言うと
「そうね…。確かにそうかも知れないけど、一度も嫌だと思わなかった…。それどころか、もっとして欲しいって思うのよね」
 美咲の意見に、佐知子が腕を組みうんうんと頷く。
「私も、昌聖様に二度ほど抱いて頂いたけど、以前の私だと我慢できた事が、昌聖様だと全然出来ない…。多分心の問題なんでしょうね」
 頬に手を添え赤らめながら、モジモジと腿を擦り合わせ、ウットリと思い出し笑いをする佐知子。
「特に…あのお風呂場で抱いて下さった、昌聖様の優しいSEXは、私一生忘れないと思います…」
 佐知子の顔は、ホワ〜ンと言う擬音が出そうなほど、夢見がちになっている。
「何…佐知子…それ、どんな風にして貰ったの…」
 美咲が声に怖い物を含ませ、佐知子に詰め寄る。
「ねぇねぇ…私も聞きたい…教えて教えて」
 美由紀は、目を輝かせて詰め寄る。

 佐知子は、我に返り顔を赤らめ、モジモジと俯き
「良いじゃないですか…。秘密です…」
 小さくなりながら、小声で言った。
 しかし、2人は笑いながら
「駄目〜」
 佐知子を押し倒しながら、擽りだした。
 きゃぁきゃぁと笑いながら、佐知子の身体を擽る、美咲と美由紀。
 いやんいやんと笑いながら、身体をくねらせる佐知子。

 しかし、佐知子の目からツウーッと涙が流れ、美咲と美由紀は手を止める。
「ゴメン佐知子、そんな積もりじゃなかったの…」
「佐知子調子に乗り過ぎちゃった…ゴメンね」
 美咲と美由紀は佐知子に詫びる。
「ううん…。違うの…、違うんです。今までで、一番幸せ何です…。お父さん達に貰われて…。新しい生活を送れるように成った時も、幸せだったけど…。私の全部を知って、尚かつ受け入れられて…。こんな風にじゃれ合ったり、話が出来るなんて…。私、考えた事もなかった…。それが、今ここに有る…。それが…、凄く嬉しくて…」
 佐知子が両手で涙を拭い、泣き笑いしながら心の内を話す。
「私も…、実は…。お兄ちゃんの影響でずっと前から、こう言う世界に興味は有ったの…。でも、貴女達に虐められてた時…、私は変態じゃないと思ったの…。そして、宗介さんに有って、調教を見て、全部解った…。あの時、思ったの。自分は、本当は、マゾで…。本当のSMは、何かって…。だから私も、今が一番幸せ…」
 美咲が佐知子の頭を撫でながら、優しく話す。
「私も両親とも浮気しちゃってて。家の事なんて、もうずっと無関心…。町に出て、チームとかに顔を出すようになったけど、みんな上っ面だけの付き合い…。そんな奴らに、身体だけで繋がるのも嫌だったから、処女だったけど…。私、エッチな事大好きだし。淫乱だって解った…。だって昌聖様や、お姉様とのSEX。大好きになちゃったもん…」
 美由紀が自分も一緒だと言わんばかりに話す。

 宗介の家で、奴隷達がお互いの気持ちを打ち明けている頃、宗介達はホテルのスイートルーム直通エレベーターに乗っていた。
 エレベーターの扉が開くと、4人の男女がリビングに座っている。
 歩美の父と兄、それに姉夫婦だ。
 意識を失った歩美を、空いているソファーに座らせ、宗介が口を開く。
「山田さん…。何で隠していた?」
 歩美の父親に向かって、宗介が質問をする。
「……すみませんでした……」
 小さく、言いながら深々と頭を下げる。
「貴男は協力者だから、我々の組織も今回の依頼を曲げた…しかし、情報に食い違いが有ると、命取りに成るこの世界で、貴男は重大な違反を行った」
 宗介が、静かにハッキリと口にした。

 宗介が話している横で、忙しなく動いていた歩美の兄が
「父さん! いい加減にしてくれ! 何でこんな若造に頭を下げる」
 ソファーを立ち上がり、宗介を指差して怒鳴り出す。
 宗介は、冷徹な表情で歩美の兄を睨み付けると
「茶番は止せ! 全ての情報は俺の手の中だ…。あんたには、それなりの責任を取って貰う…」
 鉄のように固く重い声で、宣告する。
 歩美の兄は、迫力に押され言葉を飲み込み、ソファーに座り込む。
「で、貴男の浅薄な考えが招いた結果が、この通りだ…」
 歩美と歩美の姉を指差し、宗介が呟くように言った。
 指差された歩美の姉は、一人この状況の中で、ニコニコと微笑みを浮かべている。

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