ボクの中のワタシ
羽佐間 修:作

■ 第1章 目覚め5

 ― 女の子の股間


 立ち上げたサイトは、設定したコンセプトがよかったのか、竜之介が思った以上の反響があった。

 同じような女装を扱うサイトにありがちな倒錯的な趣を除外し、普通の男の子が純粋に”女装を極めていく”のを第三者的な視点で書くスタイルが閲覧者の共感を得た。

 Hit数が1000件を超える日もあり、数多く寄せられる熱心なファンのコメントにも丁寧にコメントを返す姿勢が好感をもたれる所以でもあったのだろうが、何よりも更新するたびに、可愛い女の子に変わっていくその容姿がその人気の理由だ。

 竜之介自身もどんどんそれらしく見えてくる”鏡の中の女の子”が大好きでことが楽しくて仕方がない。

 ある日、サイト内の掲示板に女装を趣味とするファンからのコメントに、股間の処理はどうしてるの?と質問があり、ワタシはこうしてるわと参考サイトを紹介する書き込みがあった。

――股間の処理?!

 さっそく紹介されていたホームページを開いてみると「女の子の股間を作る」という普通の人が聞けばまったく意味のわからない名前のサイトだったが、トップ画面が開いた瞬間、竜之介は思わず声を上げるほど驚いた。

 サブタイトルが『女装したときに水着やレオタードの着られる股間を作りたい』なっている。
――ってことはこの写真も男?! マジ?! いくらなんでもこれは女性でしょ、、、

 サンプルで掲載されている写真は、股間の割れ目まで浮き上がりどう見ても女性がレオタードを穿いた写真にしか見えない。

――ホントかよ?! これが”作られた女の子股間”なの?!、、、

 度肝を抜かれた竜之介は食い入るようにサイトを開いていった。

 タックという技が図解入りで解説され、幾人かの体験者のコメントと、その技が施された写真やコツが記載されていた。

 それぞれの人のショーツを穿いた写真は、どれも女性が穿いているとしか思えないシルエットばかりでため息が洩れる。

 竜之介はむさぼるように読み進んだ。

【股間整形(テーピングの基礎)についてのレポート】
-基礎-
大腿部の付け根に睾丸が入る部分があって、そこに睾丸をいれなければなりません。
陰嚢の下から手をあてて、指先で強く押し込むように睾丸を押し込みます。これはかなり痛かったのですが、最初の入り口が狭いだけでそこを抜けてスポッと収まってしまうと痛みはありません。
まるで睾丸が消えてなくなってしまった感じです。

-手順-
1:睾丸を体内に入れる
2:内側になる部分に接着剤を塗る、
3:ペニスを後ろにたたんでテープで固定
4:袋の皮でペニスを包んむ
5:皮の合わせ目に瞬間接着剤を少量つけて割れ目を形成

※引用 レポート:でんでんさん(http://kokan.tvlife-net.com/contents/cont04.htm)


――テープ・タック、、、 接着剤タック、、、 ボクにも出来るかなあ、、、

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