ボクの中のワタシ
羽佐間 修:作

■ 第3章 みちる6

「あらっ? 鳴ってる、鳴ってるわ。 うふっ」

 恵理は楽しそうにボディシャンプーを泡立て、竜之介の身体に慈しむように撫でつけていく。

「はうぅぅ、、、」

 泡にまみれた恵理の手が触れる個所、撫でる箇所すべてからジンジンとした感触が昇ってくる。

「恵理、、、 お腹、痛くなってきた、、、」

「まぁ〜だよ。 もう少し我慢して」

「ぅん……ん……」

 下腹を襲う恥辱の苦痛に耐えながら恵理に身体を委ねていると、不思議な感覚が竜之介に芽生えてきた。

 込み上げてくる便意を耐え、肛門を窄めるたびに、ア×ルから鈍痛と共に疼くような快感が湧いてくるのだ。

――なっ、何なの、これ、、、

「ああぁぁぁ、、、 恵理っ! もうだめ! 我慢できないよぉ、、、」

「うふっ。 よく我慢出来ましたあ。 いいわよ、みちる。 赦してあげる」

 竜之介はバスタブを飛び出し、濡れた身体のまま急いで便座を跨いだ。

「あああ 見ないでぇ、、、 お願いっ! 恵理ぃ、、、 ああぁ、でちゃうぅぅぅ」

 恵理はバスタブの中から笑みを浮かべてじっと竜之介を見つめている。

「いやああああっっっ!! 見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!」

 竜之介の便意は限界に達した。

《ブジュッ! ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!》

 破裂音と共に肛門から噴き出す液状の便が便器を叩き、恥ずかしい音が響いた。

「あぁっ……あぁ……あぁ……」

 苦しみから解き放たれる快感と、排泄する姿を恵理に見られる恥辱に竜之介は頭が真っ白になった。

 発作のような排出がおさまり、苦しさが和らぐにつれ恵理に対する恥ずかしさだけが際立ってくる。

「いっぱい出たわね〜、みちる〜!」

「ぅん……ん…… うん、、、」

 傍に立った恵理が頭を撫でて褒めてくれると胸の奥から何やら熱いものがこみ上げてきて訳がわからず涙が溢れてきた。

 もう恵理に隠すものは何もない。 すべてをさらけだし、そして恵理はすべてを受け入れてくれた。 充足感が竜之介を包みこむ。

――ぁぁ、嬉しい、、、 恵理、、、 ぁ、ぁ、、ぁ、、、

 恵理にお尻の始末をしてもらい、二人でバスタブに浸かる。

 向かい合うと恥ずかしくて竜之介は目を合わせることも出来ない。

「みちる。 少し休んだらもう一回よ」

「えっ?!」

「だってお尻の中はまだ綺麗にはなってないもの」

「…………」

「いいわね?!」

「はい、、、」

   ◆

「んあゥ……あうんッ……」

 『まだ綺麗になっていないわ』と三回目の浣腸を恵理に施された竜之介はバスタブの中で苦悶の表情を浮かべて喘いでいた。

 注入されているのはフィットネスクラブの帰りに買った牛乳を暖めたものだ。

 恵理は背後から竜之介の半起ちのペ×スを握り、もう一方の手でいびつに膨らんだ下腹部を苛む。

「ハァ…ハァ… あぁぁ…」

 こぼれる喘ぎ声には明らかに艶めいた色が帯び始めていた。

「……ィ……ヤ!!」

「もしかして感じてるの、みちる? あっ?! 牛乳だからなのかなあ?」

「あぐぅ、、、 ちっ、違う、、、 感じてなんかっ、、、 あぅぅ、苦しいだけ、、、」

「うふっ。 でもオチンチンがビクン、ビクンしてるのはどうしてかしら?!」

「あぅぅ、、、 それは、え、恵理が触るから、、、 ううぅぅ、、、」

「うふっ、それはそうよねえ。 ウンチ我慢してるだけで感じちゃたりするんならみちるは本物のマゾだわ」

――みちるは、、、 マゾなんかじゃない、、、 浣腸なんかで感じたりしない、、、 ああぁぁぁ

 回を重ねるごとに、時間がたつほどに強くなってくる浣腸がもたらす妖しい快感に竜之介は戸惑い、怖さを感じ始めている。

 お尻を恵理に無防備に差し出す事も、嘴管がア×ルに挿しこまれる瞬間も、薬液が腸腔に流れ込む時も、お腹がギュルギュル鳴る音も、すべてが泣きたくなるほどに恥ずかしく、その一部始終を恵理にじっと見つめられている事が竜之介を堪らない気持にさせる。

 排泄を願っても『まだダメよ』と恵理に拒絶され、そしてようやく許された恥辱の放出は、解放感とともに射精のそれと少し感じが似た得も言えぬ快感で竜之介を包みこむのだ。

 しかし頭の中でいくら打ち消そうとしても強まる便意にア×ルを窄めると、鈍痛の中に痺れるような快感が宿ってきた。

――あぁぁぁ、、、 また、、、

 括約筋を窄める動作をするたびに快感が強くなってくる。  その快感は恵理に前立腺を嬲られている時に感じるものと同じなのが竜之介の胸をざわめかせる。

「あぅぅ、、、 もう、お願いっ!」

「まだ、ダメよ」

 骨盤の奥の方が熱く疼きだしてきた。

――あああ、、、 どうなっちゃうの、、、

 ますます便意は逼迫し、肛門括約筋を少しでも緩めると漏れそうになってしまう。 しかしア×ルを締めたままにしていると骨盤の奥の疼きがズンズンと拡がってきた。

「ああああ、、、 恵理っ! お願い! もう、漏れちゃう」

「ダメッ!」

 耐えかねてバスタブから出ようとする竜之介を恵理が引き止めた。

「いやあああ、、、 もっ、もう出ちゃうぅぅぅぅぅ」

「仕方がないわねっ! いいわ。 ここでしなさい!」

「ひっ!? いやあああああぁぁ、、、 おトイレでさせてぇぇぇぇ」

 竜之介は恵理の手を引き離そうとするが下腹の痛みで力が入らない。

「あぁっ……あぁ……あぁ…… こ、こんなの、、、恥ずかし過ぎる〜〜! お願い! 許してぇ、、、」

「お尻から出るところを自分で見ながら出すのよ! 分かった?!」

「いやあ、、、 だめぇ……あぁ……あぁ……」

 最後の力を振り絞って括約筋を締め付けると、ア×ルに熱く疼くような感覚がした後、ア×ルの奥深く全体が蕩けそうな感覚に竜之介は襲われた。 
 
「ぅあーーーーー、ぅぅーーーーーー!! んんーーーーーーーーー!!」

 竜之介はブルブル身体を震わせ、とうとうア×ルから噴流を吹き出した。

 二人が浸るバスタブの中に竜之介を苛んでいた白い牛乳がもわもわと拡がっていく。

「ひぁっ、くぅっ……」

 竜之介は恵理に抱き、身体をプルプルと痙攣させ喘ぎ声を洩らす。

「うわっ! すご〜い。 見て、みちる」

「いやああああっっっ!! 見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!」

 無様な風景を目にしてしまった竜之介は羞恥に身悶え叫び声をあげると、その拍子に腰の後ろ全体を強烈な快感が奔り抜けた。

「いやぁぁ、、、 あっ、あっ、、、 だ、だめっ! アアアッ……ウァッひぁっ、逝くぅっ……」

 ガクガクと身体を震わせる竜之介の下腹が起伏するたびに白い噴流が湯に吐きだされ、やがて恥辱の発作は少し治まってきた。

「ハァ…ハァ… あぁぁ…もうおかしくなっちゃう… ああっ」

 竜之介は恵理にすがるようにしがみつき、快感の余韻に打ち震える。

「うふっ。 みちるっ。 貴女、逝ったのね?!」

「あぁぁぁ  わからない、、、 わからないのぉ〜〜〜、、、」

 竜之介は恵理の胸に顔をうずめ、声をひそめて泣く。

――あぁぁぁ 恵理、、、 恵理、、、

 竜之介は嗚咽を漏らしながらもとても幸せな気分に包まれていた。 自分でもこの気持ちをどう理解すればいいのか分からない。

 しかし恵理が今まで以上に特別な存在になったことだけははっきりとわかった。

「うふふっ。 みちるのお尻から湧いたミルク風呂ね」

 恵理はチャプチャプと湯をかき混ぜながら言った。

「はい、、、」

 竜之介のお腹から排出された牛乳がバスタブいっぱいに拡がり、湯全体が乳白色に濁っていた。

   ◆

「もうお腹、落ち着いた?」

「うん、、、 もう何も出ないわ、、、」

「そう。 みちるって本当にドMね〜。 浣腸するだけでで何回逝っちゃたの?!」

「うう、、、 知らない、、、」

 湯船で向かい合った恵理に先ほど晒した恥辱の話をされただけで竜之介の胸は騒ぐ。

「ふふっ。 お尻も綺麗になったし、お部屋に戻りましょ」

「うん、、、」

 恵理は竜之介の身体を慈しむように丁寧に拭きあげバスルームを出た。

「ねぇ、ねぇ。 久しぶりにたっちで私を抱きたい? それとも、、、」

 恵理が悪戯っぽく竜之介を見つめる。

 しばらくして竜之介は恥ずかしそうに俯いて答えた。

「、、、みちる」

「うふっ。 じゃタックしてあげる。 ベッドに行って」

「はい、、、」

 竜之介は頬を赤らめ、赤ん坊がオムツを替えて貰うような姿勢でベッドに仰向けになった。

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