ボクの中のワタシ
羽佐間 修:作

■ 第3章 みちる8



 遠くに横浜の夜景が見える○◇山上公園の駐車場に竜之介の車は止まっていた。

 駐車場は山上の袋小路で周りには一台の車もなく、歩行者がいるはずのない場所だ。

 横浜港での出来事が懲りたので、二人に危険が及ばないようにと恵理が探し出していた。

――あぁぁぁ、、、 お尻が熱い、、、

 車の周りを竜之介は薄いキャミソールとミニスカートだけの煽情的なスタイルで何周も歩いている。

 昼間、街を楽しく歩いたファッションも、下着を着けず身体の芯に淫具を呑み込まされているだけで竜之介にはこの上なく恥ずかしい。

 歩を進めるたびにア×ルに穿たれたディルドウがジワジワと竜之介を苛み、時折立ち止まってはため息をつく。

「ねえ、みちる」
 その様子を車の中では嬉しそうに見つめていた恵理がドアを開け小声で竜之介を呼んだ。

「はい、、、」

 運転席に歩み寄った竜之介は期待に泡立つ気持ちを抑え恵理の言葉を待った。

「裸になって」
 期待に違わぬ恥辱の命令に竜之介の胸はキュンとざわめく。

「、、、い、今?」

「そうよ」

 竜之介は恐る恐る辺りを見回す。

「早く〜」

「あぁぁぁ、、、 はい」

 車の陰に屈み、キャミソールを脱いで恵理に手渡す。 この後どうされるのかと考えるだけで心臓が息苦しいほどに早鐘を打つ。

 スカートも取り、素っ裸になって竜之介は佇んだ。

「お尻のプラグ、抜いてあげる。 お尻を出して」

「あぁぁぁ、、、 はい、、、」

 竜之介は身体をよじり、ヒップを恵理に差し出した。

 恵理は竜之介の汗ばんだヒップを愛おしいそうに撫でまわし、プラグに指をかけると一気に引き抜く。

《ズボッ》
 プラグは卑猥な音を立てて引き抜かれた。

「あっうぅぅっ、、、」

 長時間割り裂かれていたア×ルは窄まらず、挿入前にたっぷりと流し込まれたジェルが孔から湧きだす様に滴り、大腿を伝い流れ始めた。

「あ〜っ。 まるで女性の愛液みたね。 みちる。 はい、これ」

「あぁぁぁ、、、」
 
 振り返ると恵理はいくつも深いくびれがある棒状の淫具を手にしていた。

「お尻のバイブよ」

 恵理は通販で入手したばかりなのよと嬉しそうに淫具を手渡した。

「車の前でオナニーしてみせて」

「、、、えっ?! そっ、そんなの無理、、、」

「早くするのよ、みちる」

 恵理は竜之介のヒップをピシャリと叩いた。

「ああぁぁぁ、、、 はい」

 竜之介はゆっくりと歩き、車の正面に回った。

「みちる。 それを挿れてごらんなさい。 目をつぶっちゃだめ! 私から目を離さないで」

「あぅぅ、、、 はい」

――あぁぁぁ、、、 恵理、、、 もう苛めないで

 恵理を見つめながらバイブの先端をア×ルに当てる。

「はぁぁぁ、、、」
 身体の奥底から湧き上がる被虐の快感で竜之介は目眩がしそうなほどに高揚している。

 プラグを長時間挿れていたせいで竜之介のア×ルはスムーズに淫具を呑み込んでいった。

「うンむぅぅぅ、、」

 ズブズブと奥深くまで押し込むだけで、あの疼くような快感がア×ルから湧き上がってくる。

――ぁ、ぁ、、ぁ、、、きっ、気持いい、、、

「みちるっ。 スイッチ、いれてごらんなさい」

「は、はい、、、 !ゥゥン」

――こんな状態で振動が加わればどうなるの、、、

 不安に慄きながらバイブの下端をねじると、ウィン、ウィンとモーター音を響かせ上半分が円を描き始めた。

「かはっ! んあゥ……あうんッ……」

 思わず手を離した淫具は喰い締めたア×ルを中心に胴体が回転し始める。

「手を離しちゃダメ! しっかり支えて中で回転させなきゃ」

「んあゥ……あうんッ…… は、、い、、、」

 ア×ルで蠢く淫具の胴体を掴むと、上端部が腸腔で回転し前立腺を擦った。

「ヒイッ! いっ……」

 ア×ルの奥深くが蕩けそうな感覚に襲われる。

「ハァ…ハァ…熱いぃーー! あぁぁ…もうおかしくなっちゃう…ああっ」

 バイブが前立腺を擦るたびに押し寄せる快感に膝がガクガク震え、竜之介は立っているのが精一杯だ。

「ひっ! いやあああああ」

 突然、目も眩むほどの眩い光が竜之介の身体を照らした。  恵理が車のライトを点灯したのだ。

 暗闇の中でくっきりと浮かびあがった自分の裸身に竜之介の羞恥心は頂点にまで燃え上がる。

「だめ〜〜、恵理〜〜〜っ! あっううっ、いいいうっ……いいいい 逝っちゃうぅぅぅ〜〜〜」

 竜之介は光の中で身悶えながら崩れ落ち、身体をのけ反らせて肛悦に喘ぎ泣く。

「みちるっ! 愛してるわ! 愛してるの〜っ!」

 興奮しきった恵理は叫びながら車から飛び出して竜之介の傍に駆け寄り、貪るように竜之介の唇を吸った。

 そしてもどかしげにショーツの中に手を差し入れ、せわしなく指を這わせて喘ぎ声を上げ始める。

 ア×ルで踊り続けるバイブは竜之介を翻弄し、悦楽の喘ぎ声を絞りだし続けていた。

 二人は、お互いの喘ぎ声に更に興奮し、人に見られるかもしれない危険なシチュエーションに酔い痴れていく。

 そして竜之介と恵理の秘密の淫戯を覗く黒い影があるのを二人は知る由もなかった。

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