ボクの中のワタシ
羽佐間 修:作
■ 第4章 翻弄2
「おおっ?! おまえ、やっぱり女じゃないのか?! それにパイパンときたもんだ」
「まあ、ホント! 女の子じゃないの、あなた」
二人は竜之介の股間をみて一応に驚きの声を上げた。
「い、いえ、、、 これはタックっていう、、、 あの、、、 ペ×スを、、、」
「ウダウダ言ってないでパンツも脱いで、手を後ろに回してよく見せてみろ」
「そ、そんなぁ、、、」
「ふん。 それとも氏素性を喋る気になるまで一晩、泊まっていくか?」
――そんなバカな、、、 ただの脅しに決まってる、、、
「留置所は雑居房だ。 そんなセーラー服着て4,5人の男と一晩過ごしてみるか?! 消灯してから何があるか知らんぞ。 ふふふっ」
「ひっ! い、いえ、、、 は、はい、、、」
竜之介はショーツを下ろし、二人の警察官の前で素っ裸になった。
「ほれ、言わんこっちゃない! どこにチ×ポがあるんだ!!? あははっ」
「きゃあ! 富岡警部! ありました。 ペ×ス! 股の間に挟んでて後ろから先っぽが出ています」
竜之介の背後にいた婦警が上擦った声で言った。
「なんだって?! どれ、よく見せてみろ」
「あぁぁ、、、 止めてください、、、」
「ふ〜ん。 よく見えんな。 君! 机の上に上がって股を開いてみろ」
「そ、そんなっ、、、 、何を言うんですか?」
「どこにヤクを隠しているかわからんからな。 名前すら名乗らず、男か女かもわからん君は怪し過ぎるだろ?! 捜査に協力してくれんかな?! 無実なら直ぐに帰してやるから」
どこを調べたってそんな容疑をかけられるような物が出るわけはないのだが、あり得ない状況に竜之介の胸は心臓が苦しくなるほどに鼓動を打っている。
夢遊病のように竜之介はフラフラと机に上がり、そして膝まづいた。
「あははっ。 ほう〜〜! これはどうなってるんだ?!」
富岡がタックの接合部分を指で摩る。
「あうぅぅ、、、 皮膚用の接着剤で、、、」
「へえ〜〜、なるほど!! 金玉の袋でチ×ポを包みこんでる訳だ。 そうなんだな?!」
「は、はい、、、」
富岡が股間の隙間から出ているペ×スの先端を指でつまんだ。
「あうっ!」
「けっ! なんだ、こいつ。 チ×ポの先、ヌルヌルじゃねえか。 裸を見られて興奮してやがるぜ」
「ち、違いますっ! あぁぁ、、、」
「確かにお前さんは男の子だったな。 認めてやるよ。 あ〜ははっ」
「も、もういいですね?!」
「ダメだ!」
《パンッ!》
身体を起こそうとする富岡の掌が走り、竜之介のヒップが乾いた音が鳴った。
「ほれ、四つん這いになれ」
「何するんですか?! もう十分でしょ?」
「さっきも言っただろ。 オカマのお前にはオマ○コが無くてもケツの穴はあるだろ。 ケツ穴にヤクを隠してないか調べるんだよ」
「そ、そんな、、、 ボクはオカマじゃない」
「ケツを調べて何もなかったらお前は無罪放免だ。 それとも雑居房に泊まるか? うん?!」
「わ、わかりました、、、」
竜之介はおずおずと身体を折り、そしてヒップを高くからげる姿勢を取った。
◆
(ペッ、ペッ!)
富岡は竜之介の菊の窄まりに向けて唾を吐いた。
「あぁぁぁ、、、」
竜之介のア×ルにピタッとへばりついた粘り気を感じさせる唾液はやがて垂れ始め、タックから出ている亀頭を伝い大腿へと落ちていく。
「いやぁぁぁ、、、、」
あまりのおぞましい感触に竜之介は鳥肌が立ちプルプルと身震いしてしまう。
富岡の指が唾をまぶしながらア×ルの周りを押し込むようにして撫で回し、そして指先がとば口を揉みほぐし始めた。
「あああぁぁぁ やめてぇぇぇ〜〜〜〜!」
――あぁぁ、、、 感じたらダメ、、、
ゾワゾワとせりあがってくる妖しい快感に竜之介はうろたえ恐怖を感じた。
「おっ、いいねえ! いくら捜査といえども男のケツの穴をまさぐるのは気分が滅入るとこだが、女の声で喘いでくれると気分が出るぜ!」
竜之介が思わず発した哀願する声はみちるの声になっていた。
「さあ、ケツ穴を調べるぞ。 力を抜くんだ」
富岡の指がずぶりと侵入してきた。
「ひっ、 ああぁぁぁぁ」
「おい、おい。 そんなに喰い締めるなよ。 指が痛ぇじゃないか。 ふふっ」
「んあゥ……あうんッ……」
腸腔の中を指がゆっくり上下すると、ジーンと痺れるような疼きが腰の辺りに拡がってきた。
――あっ、、、 いやだ、、、
「くっくっくっ。 いい尻マ×コだ。 毎日、チ×ポを突っ込んでもらってるな?!」
「そ、そんなこと してません、、、 はうあああーーーーっっっ!!!」
富岡の指の腹が前立腺を撫でたのだ。
「くくっ! なんだあ? ココが感じるんだな!?」
「イヤぁぁぁ……やめてぇぇぇ……お願いぃぃぃ……」
「ふふっ、しょうがねえなあ、、、 お前の尻マ×コを可愛がってるんじゃないんだ。 取り調べをしてるんだぞ」
富岡警部は四つん這いの竜之介のア×ルにかたわらにあったボールペンを無造作に掴み、ゆっくりと差し入れていった。
「うぐっう、、、痛い、、、あぁぁぁ、、、 止めてください」
竜之介は精一杯の怒りを込めて男声で抗議する。
「ふん。 もっと〜!の間違いじゃねえのか? じっつとしてろ!」
「うぐっっっうぅぅぅぅ…………んぐっっっっっ!」
固い異物が直腸の奥深くまで差し込まれ、ゆっくりと円を描いてかき回し始めた。
恥ずかしさと屈辱に怒りが込み上げる。
が、それ以上に迫りくるあの腰が浮き上がるような快感に泣きたいほどの恐れを抱く。
警官たちに肛悦に喘ぎ泣く恥ずかしい姿だけは晒すまい! それだけを念じて腸腔を弄ぶボールペンの動きに竜之介は必死に耐えていた。
◆
竜之介は取調室の机の上に横たわり、その裸身は小刻みに震えていた。
『ボールペンでケツ穴をほじくられて逝くとは恐れ入ったぜ。 容疑は晴れたぞ、オカマ野郎。 服を着てとっとと帰れ』
取調室を出ていく富岡に浴びせられた言葉に竜之介は打ちひしがれ、嗚咽を漏らしている。
取り調べと称して加えられたいたぶりに竜之介は懸命に耐えたが、執拗なア×ル嬲りにあえなく昇り詰めてしまい、快感に喘ぐ姿を晒してしまった。
「痛かったでしょ? 可哀相に、、、」
「えっ?!」
富岡警部と一緒に出て行ったはずの並木婦警が竜之介のヒップに顔を寄せてきた。
「あっ、、、 止めてください、、、 あぁぁぅ、、、」
並木がア×ルに唇を寄せ、ペロペロと舌を這わせ始めたのだ。
「やっ、やめてください! もういい加減にしてください! 容疑は晴れたんでしょ!」
竜之介はがばっと身体を起こし、並木を突き飛ばした。
「あらあら、さすがに男の子ね。 力が強いじゃない?! うふふ」
もんどりうって尻もちをついた並木が笑いながら言った。
「もう逝きたくないの?! せっかくだからもっと可愛がってあげようと思ったのにね。 ふふっ」
「うっ、うるさい! あんた、警官だろ。 こんなことしていいですか?」
「ふふ。 君のア×ルを開発した彼氏にでも言い付ける?! 文句あるならどこへでも訴えればいいわ」
立ち上がった並木は睨め付ける様な視線を竜之介に向けた。
「くっ、、、 そんな人は、、、」
誰にも訴えられる訳がないのを見透かして好き放題に嬲られていた事が尚更悔しさを募らせる。
「ふふふっ。 ねえ。 君は女の子になって彼氏に抱かれたいんじゃないの!? オチンチンを股の間に隠すくらいならちょん切っちゃえばいいじゃない?!」
「ちっ、違う! ボ、ボクは男だっ! 彼女だっているっ! おっ、女になんかなりたくないっ!」
「あらまっ。 両刀使いなの?! 私は君みたいなア×ルを虐められて悦ぶドMのオカマちゃんは女になった方が幸せだと思うけどなあ」
「そっ、そんなこと、、、」
「君、気付いてるよね?! 君がかなりののマゾだってこと」
「な、何言ってるんですか、、、」
「今日だって警部に乱暴に扱われるほどに興奮してたでしょう?! まあいいわっ。 他の男に襲われないように気をつけて帰るのよ。 ほほほっ」
並木はバカにしたような笑い声を残して部屋を出て行った。
――言いたいことを言いやがって、、、
一刻も早くこの忌まわしい部屋から立ち去りたい竜之介は涙をぬぐって机を降り、下着をつけ始めた。
――ボクはマゾなんかじゃない、、、
婦警が言った言葉が竜之介に重くのしかかる。
――ボクは女になりたいんじゃない、、、
「ボクは、、、 ボクは、、、 うぅぅぅ、、、」
竜之介は涙をポロポロこぼしながらセーラー服に袖を通していく。
恵理以外の人間の理不尽で愛の欠片もないいたぶりにさえ感じてしまう自分が情けない。
そして婦警が言った自分の身体に潜んでいるかもしれない淫らで妖しい”性”に恐怖を覚えていた。
■つづき
■目次
■メニュー
■作者別