ボクの中のワタシ
羽佐間 修:作
■ 第4章 翻弄11
―汚辱の快感―
メッセンジャーを閉じ、頬を伝い落ちる涙を手の甲で拭う。
――ボクはどうればいいの、、、
竜之介は声を押し殺して泣いた。
富田に言われるままに小さな蕾のような乳首を強く抓ると、自分の乳首からとは思えない快感が身体を突き抜け、回線を通じて富田と並木
に射精する姿を晒してしまった。
富田たちに嬲られるほどに押し寄せる快感に我を忘れてのめり込んでしまう自分の身体が怖くて仕方がない。
薬の服用でバストが膨らむだけではなく、身体全体が丸みを帯びてきて、筋力が衰えてきたような気がする。 これ以上薬を飲み続けたら
本当に女性になってしまうんじゃないかとさえ思う時がある。
――このまま富田の言いなりになっていたらボクは、、、
そしてチャットを終える直前に、富田と交わした約束が竜之介を暗澹たる気持ちにさせていた。
◆
『来週の金曜日、お前を可愛がってやるからそのつもりでいろ。 いいな?!』
――いやっ! もう、あんなこと、、、
「あぁぁ、、、 そんな、、、 もう勘弁してください、、、」
竜之介は咄嗟に拒絶の言葉を口にした。 と同時に、富田に対する恐怖が頭をよぎる。
『ほお〜っ。 くくっ』
富田は一瞬、面食らったような表情をし不敵な笑みを浮かべた。
――あんな映像を撮られてる、、、 でも、このままだとこんな泥沼が続くだけ、、、
竜之介は懸命に縮みあがる心を鼓舞して富田の言葉を待った。
『ふふん。 まあ、厭なら好きにしろ。 無理にとは言わないさ」
富田の以外な反応に竜之介は驚き少しホッとした。
『それはそうとお前には彼女がいたんだなあ。 恵理っていったっけ?! 外資系の会社の重役秘書で、今はアメリカに出張中らしいなあ』
「えっ?! なっ、なに言ってるですか、、、」
――どうして恵理の事を、、、
不意に恵理の事を持ち出され、すーっと血の気が引いて、息苦しくなるほどに胸が早鐘を打つ。
『お前のケツマ×コを開発したのはてっきり野郎だと思ってたんだが、女だったとは意外だったぜ。 彼女はかなりのサディストなんだろうなあ!?』
「なっ! ああぁぁっ、、、 ちっ、違う! 彼女は関係ない!」
『そうかあ?! まあ、どうでもいい。 それにしても随分ベッピンさんでオッパイもでかそうでいい身体してるなあ』
――どこまで恵理とボクの事を知ってるんだろ、、、
この悪徳刑事への恐怖が更に大きくなってきた。
『女としても抱いてやることもあるのか?! 感度はどうなんだ?! お前より感じやすいのか?! 恵理もア×ルを使えるのか?! ぜひ味わってみたいもんだ。 くくくっ』
「何っ、、、 何言ってるんだ! よっ、止せ! 彼女には手を出すなっ!」
『ふふっ。 何を勘違いしてるんだ。 魅惑的な抱いてみたくなる女だなって言ってるだけだぜ。 ひょっとしてお前の代わりに玩具にされるとでも思ったか?! くくくっ』
「くぅ、、、、」
『いつ帰ってくるんだ?! 待ち遠しいなあ。 いっそのことシアトルまで逢いに行っちまうか?! くふふっ』
――くっそ〜!
脅しかもしれない、、、 しかし富岡の魔手がもしも恵理に及んだらと考えると、竜之介は怖気だってしまった。
――恵理、、、 今はこの男の言う通りにするしかない、、、
「あのぉ、、、 金曜日、行きます、、、ボク、、、」
暫く悩んだ末、竜之介は言った。
『んっ?! 嫌々なら無理しなくていいんだぞ。 俺は別に脅してる訳じゃないだろ?! なっ?! お前が俺たちに可愛がって欲しいっていうなら来てもいいがな。 どうなんだ?』
「、、、はい。 ボク、、、 行きたい、、、です、、、」
竜之介は思いつめた声で答えた。
『そうか。 なら可愛がってやる。 彼女がいない間、せいぜい内緒に快楽を堪能すればいい。 じゃ、夜7時にお前を補導した交番に来い』
「あっ、、、 はい、、、」
竜之介は富田が言った『彼女がいない間』という言葉に一縷の望みを感じた。
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