出会い
大門:作

■ 3

宣子は隆一の勧めに2杯目もビールを頼んだが、ちょっと自分で様子がおかしいことに気づき始めていた。
いつもなら2杯目を飲み干したくらいで酔いを少し自覚するが、2杯目を飲んでいる途中で何か自分の体が火照っていることに気づいた。
そして、いつの間にか時折隆一がすごく魅力的な男として見えるようになっていた。
『弟みたいな存在に、何を興奮しているのか……』と宣子は自分をなんとかギリギリに制していた。
隆一は宣子の様子を見ながらも、世間話をしていた。
宣子がたまに男を見るような目で隆一を見ていることに気づいていたが、それは多分気のせいだと思っていた。
隆一はまだ液体の効能に確信を持てていないのである。
そんな中で、宣子はたまらずトイレに行って、落ち着かせようと席を立った。
それを見て、隆一はまた宣子のビールに液体を2,3滴垂らした。
トイレに行った宣子は鏡で自分の顔が紅潮しているのに気づいた。明らかに酔いによるものではないと自分では分かった。
「私、やばい……」と呟き、しばらく鏡を見つめた後、トイレから出た。
そして、2杯目も飲み終わり、3杯目を待っているときに宣子の体は嘘をつけなくなっていた。
『濡れてる……』と自覚できるほど宣子の股間が濡れていた。
しかも、どうしようもなく隆一が欲しいと思い始めていた。
無意識に正面に座っている隆一の手を握ったり、わざと足を当ててみたりと、スキンシップが増えていった。
隆一はその様子から『落ちた……』と確信した。
そして、確認するように宣子の足に自分の足を絡ませて、徐々に上に上げていった。
宣子は嫌がるどころか、隆一を見つめて、さらには自分で足を開き、まるで隆一の足を自分の股間に誘うようにしていた。

宣子の理性は崩壊していた。
片足を隆一の方に投げ出すようにすると、隆一がテーブルの下で宣子の足を掴んだ。
隆一は宣子の足を自分の膝の上に乗せて、たまに手で撫でながら、宣子を引っ張っていく、宣子は両手を自分の後ろに付いて、下半身を隆一に委ねる様にした。
その間に隆一のもう一方の足は宣子のスカートの中に入っていった。
スカートの中で動く隆一の足に自分の股間を押し付けるようにして、本能に身を任せるようになっていた宣子は時折、口元を開き、吐息をはいていた。
隆一は昨日の由美子が自分の思い通りに動いた事を思い出し、宣子に向かって、
「パンストを脱いで、隣においで」と少し目上の目線から言った。
宣子はゆっくりと頷き、テーブルの下でスカートを一度脱ぐと、パンストを脱いで、またスカートを履き、隆一に寄り添うように隣に座った。
宣子のパンストはテーブルの下に放ったままだ。
宣子は隣に座る隆一の手を取り、自分からスカートの中へと誘った。
隆一は宣子のパンツにすでに大きなシミが出来ていることがすぐに確認できた。
隆一から「先輩、こんなに濡らしてちゃダメですよ。」と言葉を言われながら、触られている宣子の表情は恥ずかしがりながらも、衝動を抑えられない恍惚の表情だった。
「隆一君、もうダメ……」と漏らす先輩に隆一は「パンツも脱いでください。しばらく遊んでから、店を出ましょ」と言うと、宣子は座ったまま尻を動かしながら、パンツを脱いだ。
パンスト同様にテーブルの下に放ったままのパンツを足で確認した隆一は、それを足の指で掴むと、
「パンツを拾ってください」と宣子に言った。
宣子はテーブルの下に頭を突っ込んで、パンツを取ろうとしたが、隆一が動かす為、取れないでいた。
「いじわる…」と呟く声がテーブルの下から聞こえてくるが、宣子はいつの間にか自分が隆一に対して尻を突き出している状況になっていることに、気付いていなかった。
隆一は宣子のスカートを捲り上げて、個室とはいえ、先輩である宣子の尻をさらけ出した。
「やめて……」とまたテーブルの下から訴えていたが、隆一の愛撫によりその声は吐息へと変わっていた。
頭をテーブルの下に突っ込みながら、もうパンツを取ることを忘れて、隆一による快楽にひたすら耐えている宣子は下半身だけを動かしていた。
そして、「いく……」という言葉を発したときに隆一による愛撫は終わった。
「そろそろ店を出て、ホテルでもいきましょ。先輩。」と隆一はまだテーブルの下に頭を突っ込んでもがいている宣子に言った。
隆一が足でパンツを摘んで手に取ると、宣子はテーブルの下から頭を出して、いかにも返して欲しそうな目をしていたが、「先輩。すぐ脱ぐんですから、履かない方が良いですよ。」と言って、隆一はポケットに宣子のそれを突っ込んだ。
仕方なく、拾ってきたパンストだけをバッグに詰めた宣子はそそくさと隆一の後を追うように個室を出た。

ホテル街のある所まで電車で二駅ほど離れていた。
人もまばらなホームの上で、寄り添うようにしながらも、隆一の手はしっかりと脇から宣子のスカートに入っていたが、股間までは届かなかった。
閑散としたホームとは対照的に来た電車は一杯飲んだ後のサラリーマンやOLで混雑していた。
隆一は宣子をなんとかドアの方まで押しやるようにして向き合うと、早速手を宣子の股間に押し当てた。
宣子は隆一に抱きつくようにぴったりとくっついているが、時折隆一を見上げていた。

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