学園奴隷生活
]:作

■ 幼馴染みの罠1

4月になり向日葵高校に新一年生が入ってくる。その中の一人である加奈は同級生で幼馴染みである健一に恋をしていた。

8月に入ったばかりの夏休みの頃だった。加奈の通っている向日葵高校では毎年夏休みにプールの自習が行われている。まっ、大体の生徒はめんどくさくて行かなし、先生は誰もいないので特に叱られる心配もないのだが真面目な加奈はちゃんと毎年行っていた。予定表は終業式の日に渡されていてるし今回ももちろん渡されていたのだが、今回は3日間だけだった。あまり意味がないということがわかったのだろう。終業式の次の日幼馴染みの健一が紙を持って加奈の家にやって来た。健一はなかなかの顔立ちとその性格のよさで結構もてていた。加奈も高校生とは思えないほどの大人びた性格とアイドルと間違えられてもおかしくないほどの顔で、健一と加奈は二人の関係を知らない人が見ればお似合いのカップルだ……いや幼馴染みと知っていてもカップルに思えてしまう。とにかくお似合いという事だ。加奈の家に来た健一は紙を一枚渡すとすぐに帰ってしまった。

手紙を見ると中には予定表の訂正が書いてあった。『8月3日も参加する事!』とだけ書いてあったのだ。

8月3日

「いってきまーす!」

「はい。いってらっしゃい。気をつけて行くのよ。」

加奈が家を出た。その事を家のベランダで見ていた健一は、急いで身支度をし加奈を追いかけた。

「加奈!」

追いついた健一が声をかけた。

「あっ! 健ちゃん。珍しく参加するんだね。言ってくれれば待ってたのに。」

加奈が健一に優しく微笑みかける。周りの人は中のいいカップルが話をしているように見えるだろう。

「わりぃわりぃ。母さんが行けってうるさくてさ。」

話してるうちに学校に着いた。学校っていってもありきたりなもので特に他の高校と変わるところはない。プールは体育館の隣に位置を取っている。昨日使ったからだろうプールは綺麗に掃除されており水も青く透き通っている。二人はバラバラに更衣室に入っていき着替えを終えた。

「誰も来てないみたいだね。」

加奈が話し出す、健一は密かに笑みを浮かべており何も話さない。

「どうしたの? 健ちゃん。」

再び加奈が声を出した。

「何でもないよ。ちょっと考え事してたんだ。」

健一は何でもないように答えた。加奈は、まんまと健一の罠にはまったのだ。あの紙に書かれていた事は全て健一が作った嘘なのだ。そうとも知らず加奈はプールに飛び込んだ。加奈は165cmと女性にしては大きめで、スリーサイズは上から85、58、83となかなかの数字だ。しばらく泳いでいると健一が入ってこないのに気がついた加奈はプールを出た。しかしプールサイドに健一の姿はなかった。

「あれ? 健ちゃん。どこ?」

「加奈!」

健一の声が加奈の後ろから聞こえた。振り返るとそこには、剣道で使う竹刀と何か入ったビンを持っている健一の姿があった。

「どうしたの?」

そう聞く加奈の顔には緊張の汗が流れていた。

「加奈。服を脱げ!」

命令口調の健一に言葉をなくした。

(えっ? どうちゃったの健ちゃん。)

「早くしろ!」

そういって健一は持っていた竹刀で加奈を叩いた。

「痛っ! やめてよ健ちゃん。どうしちゃったの?」

そう答える加奈の瞳には涙がたまっていた。いつも冷静で優しい健一のあまりの変わりように動揺を隠し切れなかったのだ。

「早く脱げよ! 俺の言う事聞けば叩いたりしねぇーから。」

「だ、誰か来……」

加奈の言葉が言い終わらないうちに健一が口を開けた。

「誰もこねぇよ!」

その言葉の意味がしばらくの間、加奈にはわからなかった。

「ま、まさか。」

しばらくの沈黙の後、加奈が口を開いた。

「そのまさかだよ! あれは俺が作った贋物の紙だよ。もういいだろ、早く服を脱げ!」

戸惑っていた加奈だったがさっき叩かれたのが聞いたのか服を脱ぎだした。健一は家から隠して持ってきたビデオをまわしていた。脱ぐのに集中している加奈はそんなことに気づく余裕はなかったのだ。

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