拾った女
横尾茂明:作

■ 事の成り行き3

寝入る女を抱き上げ玄関の鍵を開けるのは苦労した…。
靴を脱ぎ散らかして応接間のソファーに寝かせ、へたり込む様にその横に座る…。

(ゲッ…この女、頭が切れてるぜ…しかし血は止まっているようだな…)
(このまま死んじまうことは…ないよなー)
(ったく…本当についてない…)

(……しかし…このままほっとくわけにもいかないし…)
(何処かに薬箱があったはず…)
(しかしよく寝てるよこの女は…ったく…こちらの気も知らないで)

俺はキッチンに行き…薬箱を取りだし、中身を確認して戻る…。
ガーゼに消毒薬を振りかけ、それでまず顔の血を拭き取り、次いで傷口を丁寧に拭き、傷専用の薬を塗って大きなバンドエイドを貼ろうとしたが…。
髪の毛が邪魔でうまく付かない…(くそーイラつくなー)

結局、包帯でぐるぐる巻きにして押さえた…。

(よし終わった…えーと…毛布はと…)
(おっ…………)
(この女…すごい別嬪じゃないか……)

顔に付いた血と、泥汚れを拭き取った女の顔は光り輝くほど美しかった…。
また着ている物も身につけてるアクセサリーも…高価なブランド品だということに改めて気付く…。

(この女…一体何者なんだ…女優?、しかし俺はそのセンはぜんぜん疎いからなー)
俺の好きな女優の竹内結子に似ていると想うが…(それはないよな…)
(しかし…ただもんじゃねーよなー、こんなレベルの美形…街でも見かけねーもん…)

(まっ、そんなことはどうでもいいか…はーっ俺も眠くなってきやがった…)

寝室に行き、毛布を取りだし臭いを嗅ぐ…。
(うっ…ちょっとカビ臭いけど…まっいいか…)

女の所に戻り毛布を掛け…俺は暫し女に見とれ…溜息をついてからバスルームに向かった。

シャワーを浴び、パンツひとつでキッチンに向かう…。
冷蔵庫から冷えたミネラルウオーターを掴み一気に喉に流し込む…。
(クーッ…酔い醒ましの水は旨まいや…)

(しかし…あの女…綺麗だったな…)

俺は急にHな気分になった…シャワーと水で頭が覚醒したせいかもしれない…。

(あれほど綺麗な女…さぞかしあそこも綺麗に出来てんだろうナー…)
(クーッ…見てみたい…)

(あんなによく寝てんだから…少しくらいパンツ捲っても起きねーだろう…)
(ちょっとだけ…ちょっとだけなら…罰は当たらないよな)

俺は足音を立てず…飲みかけのボトルを持って応接間に向かった…。

女は案の定…微かな寝息を立ててよく眠っていた…。
(うっ…酒臭せー、この女呑んでいやがったのか…)
(酒が臭うつーことは…俺の体内のアルコールもだいぶ薄くなったってことだよな…)

(しかしいい気なもんだ…どうせ酔って路上に飛び出したんだろう…)
(轢いたヤツもさぞ驚いただろうに…しかし…逃げるのは許せん!)
(…そいつも酔ってたんだろうか…?)

女の足元に俺は佇む…毛布を少しまくって女の表情を覗う…。
相変わらずの寝息に俺は大胆になっていく…。
毛布を女の腹部近くまでまくり上げ…フリルの長めのスカートの端を摘んで膝までまくり上げる…、それも女の寝顔を見つめながら…。

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