拾った女
横尾茂明:作

■ 恥に目覚める1

ヌルっとペニスを引き出し…剛は湯船に正座し、オンナの尻を大きく開く…。

「は…恥ずかしいですー…」オンナが初めて恥ずかしいを口にした…。
SEXを体感し、性恥を少しでも思い出したのかもしれない…。

肛門が可愛くヒクつき…膣から精液が溢れ、屹立したクリトリスを濡らせて湯面に落ちた。
剛は指を挿入し…その膣壁の凹凸を観察するようにゆっくりと精液を掻き出していく。

「あぁぁ…そんなしかた、恥ずかしいです…」
オンナの艶声を聞きながら尻からの女の性具造作に魅入る…。
(あぁー本当にいい女だぜ…もう絶対に手放せないな…)

剛はそんなことを思いながらふと我に返る。
(このオンナ…記憶を取り戻したら…速攻で消えちまうんだろうなー…)
(そんときゃ…我慢するしかないか、だったら今の内にやりたいこと全部やるなり…ビデをでも撮って後の楽しみにするか…しかしそれも情けないよなー…)

オンナを湯船に沈め、また後ろから抱く…スベスベして柔らかな肌の感触は宝物のように剛には感じられた…。


昼前に街へ二人でブラブラと出てみた、女は街で知り合いに会えるのを期待するような怖いような複雑な顔で歩いていた…。
そして時折剛の手を握る…女の不安がそんな仕草に表れていじらしかった…。

すれ違う人々は女を羨望の眼差しで見つめ通り過ぎていく…。
剛は優越感に心地よかった、これで化粧をしたら…もっと凄いことになりそうと想う…。

ショッピングモールに着く、まず下着を買わなければいけないが…
下着ショップには入りづらく…女に1万円を持たせ一人で行かせた。

そのまま消えないかと不安をつのらせるが…すぐに包みを下げて女が戻ってきた…。
次は化粧品と当座の服であるが…剛にはこれも分からず、3万ほど持たせ1階のコーヒーショップで待つことにした…。

剛は思う…これでここに帰ってこなかったら…淡い夢とあきらめようと…。
コーヒーを飲み終える…新聞を見ているが字は全く目に入っていない…。
焦燥感がつのる…もう1時間が過ぎようとしていた…。

(やっぱり…何処かにいったか…)
そう思うとやりきれなかった…(クソー…夢とあきらめようなんて…出来ん!)

剛は焦るように会計を済ませショップを出…左右を見回す…。

(あっ…女だ…)
女はこちらに向かって笑顔で手を振る…そしてドンドン近づいてきた…。
(ハーッ…よかった…)

近くまで女が寄ってきたとき剛は唖然とする…女が余りにも美しいのだ…。

「店員さんが…どうしてもメイクをさせて欲しいって言うもんんだから」
「ゴメンネ…待ちくたびれてしまった?」

「うぅぅん…新聞読んでたからね…」

剛はドギマギする…その光り輝くオーラは並じゃなかった…気圧される感覚に寡黙になってしまう剛である…。

二人で地下のレストランに行く…すれ違う人々も俺と同様に気圧されたように目を見開き露骨に女を見て通り過ぎる…。

レストランで何を食べたいと女に聞くと…「わかんないの…」と応える…。
何が好みだったかが思い出せないらしい…。

店員に和定食と言う…店員は女の顔を見て…驚いたように店の奥に引っ込み…。
すぐに数人の店員がこちらを物珍しそうに見物し出す。
また周囲の客も同様にこちらを見ている…。

(何なんだ! …この女がどうかしたのか…)
剛は声を上げて罵倒したかったが耐えた…。

(この女…俺が知らないだけで…ひょっとして有名な女優か何か?…)

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