人妻の事情
非現実:作

■ 人の妻として6

それから…… …… ……。
事務所からVIPルームへと移動させられた私はというと……。
一糸纏わぬ姿にて、田崎さんの目の前で起立していた。
田崎さんの命令通り、両手は後に組んでいるので胸も陰部も晒していた。
(恥ずかしくて……し、死にそうっぅぅ!!)
夫以外の人に見られるこの羞恥は想像以上のものだった。
私はこれまでの人生の中で最大級の後悔していた。
(何に?)
愛人契約をした事ではない、そうまでしなければならないほどの借金をしてしまった事に。
裸で夫以外の人と合間見えるのでさえこれだ、お客を取るなんてとても出来なかった。
肉体関係は無いって言った田崎さんに拾ってもらって、ある意味良かったのかもしれない。
そうさえ思っていた。
(は、恥ずかしいのも、い…嫌だけど。
し…知らない人と肌を合わせる事なんて……とても出来ない)
ブルブルと身体と歯を震わせながら、私はようやく覚悟の一歩を踏み出せたのだった。

「いゃ〜〜〜、随分と勿体付けてくれただけあるねぇ理紗ちゃん〜〜?」
「ぅう……」

そう、このVIPルームに来て、田崎さんに全裸を見せてくれと言われて大分時は過ぎていた。

「ブラウスを脱ぐのに約10分、スカート脱ぐのに約10分、ストッキング脱ぐのに約5分。
それからがもっと長かったねぇ〜〜いやぁ〜〜初々しくていいねぇ理沙ちゃんは。」
「…そ、そんな……恥ずかしいです」
「お揃いの色のさ、その淡いグリーンの下着〜〜〜ねぇ?。
ブラを外すのに約20分とショーツを脱ぐのに40分ときたもんだ。」
「うぅう〜〜言わないでぇ!」

私の立つふかふかの真っ赤な絨毯には、無造作に脱ぎ落とした衣類が憐れにも放置されている。

「いやいや〜〜いいよ理紗ちゃん、実にイイね理紗ちゃんは〜〜。
ここに来る人妻さんってねぇ、お金に困った人が来るでしょ?。」
「?」
「金さえ手に入れば良いっていう人が多いのよ、これホントよ?。
だからねぇ〜割とあっさりと全裸になっちゃったりしてねぇ〜〜実にツマラナイのよ〜。」
「…… ……」
「でもでも、理紗ちゃんは違うねぇ〜〜、その羞恥心と背徳感がたまらないねぇぇ〜〜」
「そ、そんな事……」
「ますます気に入っちゃったよ、理紗ちゃん〜〜」

例えるなら蛇が獲物を捕らえる様な視線……キモチワルイ視線だった。
私はその視線から逃れるように、身体をくねらす。

「いいねぇいいねぇ〜、勿体付けてくれるだけのスタイルだぁ〜ねぇ?。」
「い、やっぁ!」
「えぇっと〜〜84・56・88だったねぇ、すりリーサイズは?。
良いじゃない良いじゃない〜、出るところは出てて締まる所は締まってる。
うんうん、とても30歳とは思えないスタイルだよ?。」
「あ、の……恥ずかしいから止めてくださいぃぃっ!」
「ふっふっふ、僕ねぇお尻が大きい子って好きなんだよね〜〜」
「ゃ……ぁ」

(どうして……そこにいるにも触れる事もしない田崎さん、なのに何でこんなにも辱めるの?)
私は混乱と羞恥心の中で、何が何だか解らなくなっていた。
田崎さんのペースに巻き込まれてゆく…… ……。
語尾を強めて田崎さんは言った。

「この身体でね……自由に遊ばせて貰いますよぉぉ〜〜?。
羞恥の、そして露出の快楽を知って頂きましょうかねぇ、リ・サちゃん?」
「……ぇ?」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊