人妻の事情
非現実:作

■ その時は妻であらず3

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今私は全裸になり、田崎さんの測定を受けている。
田崎さん曰く、最高級品の特注を用意すると言っている。

「ウエストは……と」
「あぅ、あっの田崎さん?」

紐の巻尺は、かなり腰を食い込んでいる。

「苦しくない?」
「そ、それは平気ですけど……ちょっと測り方が」
「貞操帯はね、腰とお股に食い込んでいないと存在価値が無いんだよ。
食い込ませて計っているのはわざとだから我慢してね。」
「ぇ…ぁ……そ、そうなのですか……」
「苦しくないなら、ウエストは50ってトコにしておこうか」
(……8も縮まってるのを穿くんだ……)
「次は股座だよ、さぁさぁ〜〜足を少し開いて?」
「そ、そんな言い方しないで……」

太股の内側を軽くペチペチと叩かれて、否応無く私は両足を肩幅程度まで開いた。
その間を見逃さない田崎さんは、巻尺を股間に通して言うのである。

「じゃあね……これからゆっくりと食い込ませるよぉ?。
もう無理っぽいという所で言ってね、奥さん自身で決めていいから。」
「は、はっぁぃぃい……」

ゆっくり、ゆっくりと紐が私の股間へと埋まってゆく。
(ぅ……う、くぁっぁぁぁぁあ!!)
ガクガクと身体が震え、その快楽に耐える私。
もっと快楽が欲しい……出来ればバイブで付いて欲しい…… ……私は無意識に下半身を動かしていた。
だが、田崎さんの手がピタリと止まったのだ。

「あ、あのさ理紗ちゃん……コレさ、どう見ても食い込みすぎじゃない?」
「ぇ……でも私まだ……」
「いやいやいや、貞操帯って見た事あるんだったよね?」
「はぃ」
「ウンチする時ってどうするか知ってる?」
「……は、は…ぃ…ぃ」

顔を真っ赤にして私は頷きながら言った。
方膝立ちの田崎さんは溜息混じりに私の言葉を掻き消すのだった。

「ウンチする時、お尻に食い込んだゴム革を指でどかしてするんだよ?。
今の食い込み方だとさ〜……食い込み過ぎてどかせられないよ、きっと?。」
「ぁ……ぅ……」
「理沙ちゃんの為にも金に糸目付けない最高級品のを買うつもりなんだ。
ゴム革の部分も痛まないような最高の特注品だ。
だからさ……もっと真剣にお願い、生涯最初で最後だと思うし。」
「…… …… ……ご、ごめんなさい」

やっている事は道徳に反しているのだが、何だか私は田崎さんの真摯に感激してしまった。
(この人は……何事も本気なんだ)

「もっかいだよ、最初からゆっくりと食い込ませてゆくからね?」
「はぃ」
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下半身の身体測定を終えて、私達はおかわりのコーヒーを飲みながら隣通しに座ってはしゃいでいた。
田崎さんの手にする本を肩越しから眺めて、ああだこうだと意見を交わす。
最初に懸念していたアレは何だったのだろう?。
今はヤルと決めてから、本を眺めるのがこんなに楽しい。
そう……その楽しみは昔の私そのものだ。
やる事が無く暇で暇で仕方なかった昔の私、通販雑誌を眺めてはそれを身に付ける想像だけで興奮し、無作為に買い漁ったあの頃に……。
(さっき……何であんなにも否定していたのだろう。)
田崎さんの手にする本には見ているだけで身体が熱くなるような、貞操帯の写真や解説が載っている。
これを……私が夫に内緒で身に付けるのだ……考えただけでもゾクゾクしてしまういけない私。

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